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シナリオは崩壊しました。自由に生きてもいいですよね?  作者: 雪結び
邪神やら聖女様やら〔六歳〜〕
34/68

お兄ちゃんな従者ができました

 お茶会(とは名ばかりの集合)から数週間。私は言いたい。


「仕事が辛すぎます!!!」


と。

 あ、もちろん防音結界を張ったので、誰の迷惑にもならない。

 で、仕事の件だけどね。書類が全然減らないし、小娘()がやってるからって舐めてくる連中もいるんですよ。まあ実力主義なので、物理で力の差を分からせてあげましたけど。あ、腕相撲ですよ?一々戦うとか面倒でしかない。


 で、そんなハンデもあるわけで。まあ、情報収集とかに役立ててるけど。

 リラの手助けを持っても、場合によっては丸一日かかる。母様には文句は言えない。手際が悪いとか一刀両断されそうだから。

 仕事をやっているなら、私はその時は一人前。母様の子供じゃない。母様の部下になる。母様は無能を雇い続けたりしない。解雇だって視野に入れることもある。だから働きますよ、目一杯。


 でも、ね。流石にリラにも負荷がかかってるので、母様が救済措置をくれる事に。

 で、今日分かるらしい。あ、アデラの方も辛かったらしく、こちらも救済措置。


 で、目の前には二人の子供。………いや、私たちよりは年上。十歳くらいかな?

 片方が男の子で、片方が女の子。顔立ちが似てるから双子かな?

 二人とも星空の様な黒に近い紺の髪に、深い青と透き通った紫のオッドアイだ。


「初めまして、僕はシャルルと申します

 よろしくお願いします」


「初めまして、私はシャルロッテと申します

 よろしくお願いします」


 二人とも綺麗な声だ。

 けれど、無表情。仲良くなれる様に善処しよう。


「そうね、シャルルがステラに、シャルロッテがアデラについてくれる?」


「「はい」」


 母様はそう言うと仕事があるから、と去っていった。

 ……ちょっと気まずいです。


「えっと、私はアデリナです

 好きな様に呼んでください」


「私はエステラ

 二人とも、よろしくね」


「「よろしくお願いします」」


 う〜ん、なんだかなぁ。

 プログラムみたい。言葉は話してるんだけど、心がこもってない、というか。義務感で話してる感じがする。


「じゃあ、シャルル

 仕事の説明に行こっか」


「はい」


「私たちも、行きましょうか」


「はい」


 私たちはそれぞれの執務室に入っていく。


「リラ、こちらシャルルです

 シャルル、こっちが私の補佐官兼侍女のライラ」


「「よろしくお願いします」」


 おお、綺麗な礼。

 じゃあ早速、仕事を教えて行きますかぁ。


「姫様、教えるのは私がやりますので、姫様は書類をお願いしてもいいですか?

 私の権限では微妙なところもありますので」


「わかった、ありがとう」


 リラに言われた通り、私は椅子に座り、書類に目を通す。


(………記載漏れ。………誤字脱字。………これはこっちの書類と合わせて)


 このおかげで、文を読むのが結構早くなったつもりだよ。

 記入式で記載漏れは減ったんだけどね。まだちょっとある。


(うぅ、ファイト〜!)



 自分で自分を元気付けながら仕事をしていると、昼食の時間になった。

 リラやシャルル達は別で食べるらしい。雇われる側だからかな。


 広間に行くと、既に皆揃っていた。

 いつも通りお祈りをして、食べ始める。

 美味しい。けど、私は早めに食べて仕事を終わらせないといけないのだ。


「お先に失礼します

 ご馳走さまでした」


「ご馳走さまでした」


 アデラもか。

 お互い、大変だね。アデラは私よりも二歳年下なのに、同じ様な事をしてるんだから。


 執務室に戻ると、まだ誰もいなかった。

 ご飯はゆっくり食べた方が美味しいし、休みも大切だ。特にリラは働き詰めだから、よく休んでほしい。


 そこで一人、書類整理を始める。

 前に作った箱に種類分けをして、そろそろ届けに行こうかな。

 その時、ドアが開いた。


「失礼しました

 姫様、どちらへ行かれるのですか?」


 入ってきたのはシャルル。


「書類を届けに行くんだけど、練習がてら一緒に行く?」


「はい」


 というわけで、リラに置き手紙を残してレッツゴー!

 シャルルは場所をよくわかっていないため。


「ガーネット、度々ごめんね」


『別にいいわよ

 あ、ラリマーが寂しそうだったわよ』


「え!?

 今度遊びに行くって言っといて!」


『了解』


 ラリマー!ごめんね!

 ガーネットの準備ができた様なのでシャルルを見ると、少し目を見開いていた。

 精霊様は初めてかな?


「シャルル

 こちら、私と契約している精霊のガーネット」


『よろしく』


「初めまして

 シャルルと申します」


 しっかりしてるなぁ。

 シャルルは気を取り直して礼をした。


「じゃあ、まずは騎士団から

 シャルル、ガーネットにつかまって」


「え、はい」


 触れてないと取り残されるからね。

 シャルルがガーネットの肩に手を置き、私たちは転移した。


 目の前には一つの扉。

 床は木でできていて、素朴だけれど清潔感のある廊下だ。


「エステラです」


 ノックをして、返事を待つ。

 ちなみに、此処は騎士団の事務室だ。


「はい、どうぞ」


 聴き慣れた低い声が聞こえたので、私はドアを開ける。

 そこには、三人のおじさんと言って差し支えのない男性達がいた。


「お久しぶりです〜

 今回は書類はこちらになります」


「了解しました

 そっちの少年は?」


「シャルルと言います

 姫様の補佐をしています」


「おう、シャルル坊か!」


「えっ?」


 右側にいた元気で明るい、体格のいいおじさん——リヴァパパ——の言葉に、呆然とするシャルル。


「あ〜、大丈夫だよ

 私もエステラ嬢ちゃんとか呼ばれてるから」


「えっ!?」


基本、フレンドリーな人種なんですよ。此処の騎士さん達。

 私も堅苦しいのは好きじゃないので、黙認してます。


「では、時間に限りもあるので、次行きま〜す!」


『おっけ、次は宰相?』


「うん、よろしくね」


 急にガーネットが現れても、皆さん驚かない。

 慣れもあるけど、最初から驚かなかったしなぁ。メンタル(?)凄いよね。


「じゃあ、また今度

 誤字脱字と解読不可文字が多すぎるので、あまり適当にすると締めるって言っといて下さいね♪」


「あ、はい

 実は怒ってます?」


ノーコメントです。

 私、最初に騎士団に来た時、丁度リアン君がいたので誘われて、練習トーナメントに出て四位になりました。

 今だったら準優勝くらいは狙えるかもだけど。ちなみに、その時の相手はリヴァパパです。めっちゃ強かった。リヴァの凄さは家族からも来てるんだね。


 さあ、そして転移。

 シャルルはもう、傍観に徹することにした様です。

 うん、場合によっては賢明かな。


 で、転移完了。

 あ、ちなみに。私は通行許可証を持ってるから入れるわけで、普通に転移しても弾かれる。

 シャルルにも渡しておかないと。


「エステラです」


「どうぞ〜」


間髪置かずに返事がくる。

 ソフィア先生、それはそれでどうなの?


「失礼します

………あれ?」


 中に入ると、アレクシスがいた。


「久しぶり?」


「久しぶり」


 いや、私は疑問形だったんだけどね。

 数週間って久しぶりに入るのかな?


「あれ、その子は?」


「シャルルと申します

 姫様の補佐をしています」


「私はアレクシス

 よろしくね」


「よろしくお願いします」


シャルルの方が年上なんだけど、一応身分というものが存在するんですよ。


「ソフィア様、この方、要チェックですよ

 三回連続で記入漏れ、誤字脱字」


「ん?

 ………あぁ、ウィーギンティーの子息かぁ

 私的にも微妙なんだよ

 真面目で頑張ってはいるんだけどね」


「………母上、彼、一回備品の注文数を二桁間違えたことありますよ?」


「「はあ!?」」


 まじで!?

 いやいやいや、それは駄目でしょ!


「いや、私が指摘して直させましたけど」


「それ以前に、二桁って………

 書類仕事向いてないんじゃ?」


「……ちょっと検討しないとね

 アレク、お願い」


「分かりました」


 アレクシスは何処かへ向かっていった。


「?」


「今までの業績を調べに行ってもらったのよ」


うわ、リアル隠密だった!?

 私の背後を取れるのはそのせい!?


「姫様

 そろそろ次へ行った方がよろしいかと」


「あ、本当だ

 ソフィア様、これで失礼します

 アレクシスにはよろしく伝えといて下さい」


「うん、じゃあね〜」


 そして転移。

 関所だの魔導所だの行った後、やっと帰還。

 そして仕事。


「姫様、後少しです

 頑張りましょう」


 私が疲れているのを見かねてか、リラの声が聞こえる。


「うん、頑張ろう!」


自分に喝を入れ、もう一頑張り。字で頭がいっぱいだけど、残っているのは後二枚。


「——————終わりました!」


「こちらも終わりです」


「………終わったぁ〜っ!」


皆でハイタッチ。

 シャルルも戸惑いながらも乗ってくれた。


「シャルル、初日なのに結構辛かったでしょ?

 手伝ってくれてありがとね」


「っ…………いえ

————姫様、一つ聞いてもいいですか?」


「何個でもどうぞ」


「姫様は、どうして僕達にお礼を言うのですか?」


あ、そうか。

 この世界には目下の人が尽くすのは当然、って思ってる人もいるんだよね。

 特に、人間界の我が儘に育った上級貴族。


「私は、尽くしてくれるのは当然じゃないと思ってるよ

 わざわざ手伝ってくれてるんだから、お礼もちゃんと言いたい

 それに、頑張るのは当たり前、なんて言われたら辛いでしょ?私は辛いよ、認められないの

 だから、ありがとう、って」


ただの自己満足だけどね。

 私がそう言うと、シャルルは目を見開いた。

 その綺麗なオッドアイは、少し潤んでいる。


「そう、ですか………」


 シャルルは目元に手を当てた後、跪き、私と初めて目を合わせて微笑んだ。


「エステラ・ウーヌス様

 僕は、第一王女殿下ではなく、貴女自身に仕えたいです

 お許し願えますか?」


…………えっ?

 いや、どうしたらいいの?っていうか、雇用主は母様だよね?

 リラを見ると、微笑んでくれた。………いい、って事だよね?


「許します

 シャルル、私を支えて下さいね?」


「っ、はい!

エステラ様、とお呼びしても?」


「もちろん

 じゃあ、ね…………シャルって呼んでもいいかな?」


「はい」


ちょっと仲良くなれたかな?えへへ。

 そこで、扉が開いた。


「………母様、ノックはして下さいませんか?」


「あら、ごめんなさい

 いい話だったから」


「聞いていたんですか

 この場合はどうすれば?雇用主は?」


「エステラ」


「はい」


 母様が私を愛称で呼ばない時は、大体真面目な話の時だ。

 これを考えると、母様との会話のほとんどが雑談なのがわかるだろう。


「今、貴女は六歳です

 七歳になったらギルド登録も可能になります

 冒険者ギルドでも、商業ギルドでも、なんでも構いません

 七歳からは、自分のお金は自分で稼ぎなさい

 そして、八歳からはシャルルも自分で雇う。いいですね?」


「はい!」


「ところで、ステラもやるわね

 まさか竜族を従者にしちゃうなんて」


「…………はい?

 竜族?」


「あら、話してなかった?

 シャルルとシャルロッテは竜族よ」


「え、だって、羽も角もないですよ?」


「貴女だって隠蔽魔法くらい使えるでしょう?

 試す意味もあったみたいだけど」


「…………まじかぁ」


 脱力。

 まさかシャルが竜族だったとは。

 ちょっとテオ様にお話しに行こう。


「えっと、騙す様な真似をしてすみません」


 シャル、悲しそうな顔しないで!

 私が悪いことしてるみたいになってるし!


「ううん、意味もなくやってたわけじゃないんでしょ?

 それに、シャルに変わりはないし、私は驚いただけだから」


 別に羽や角が一つや二つ増えたところで、シャルはシャルだ。

 私も自分で考えて決めたし、それに天使でも人間でもない、とは思ってたから。完璧に予想外ではなかった。


「ありがとう、ございます………」


「わっ!?

 なんで泣いてるの!?」


 リラ、微笑ましいなぁ、じゃないから!

 どうにかしようよ!


「……えっと」


 アデラにやる様に、ギュッと抱きしめる。


「シャル、弟みたいだね」


「………僕の方が年上ですよ」


「じゃあお兄ちゃん?」


「そうですね

 可愛い妹が増えたので、僕も頑張ります」


 エステラ、六歳。

 お兄ちゃんが増えました?

お城の住人(出てきた人のみ)で家族を作ると………。


祖母・アリサ(アメリアの専属侍女兼補佐)

祖父・アーク(エドワードの専属執事)


母・アメリア

父・エドワード


長女・ライラ(エステラの専属侍女兼補佐)    

                     長男・ジェード(エステラの契約精霊)

次女・サイシア(アデリナの専属侍女兼補佐)

三女・サチャマニ(アデリナの契約精霊) 

四女・シャルロッテ(アデリナの専属補佐) 次男・シャルル(エステラの専属補佐兼従者)

五女・チャロアイト(アデリナの契約精霊)

六女・エステラ

七女・ガーネット(エステラの契約精霊)

八女・アデリナ

九女・ヘリオドール(アメリアの契約精霊)  

                     三男・アベンチュリン(エドワードの契約精霊)

十女・ラリマー(エステラの契約精霊)



 大家族ですね(笑)

こうして見ると女性が多い………。

 ちなみにノアールはアデリナの下くらいに入ります。

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