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シナリオは崩壊しました。自由に生きてもいいですよね?  作者: 雪結び
日常です〔五歳〜〕
21/68

雪合戦は、本気の戦いです!

——ステラ目線


 結局、お誕生日会でもらった能力はそのままでした。一度授けると、戻せないとか。迷惑な。

 まあね、母様と父様がいるのが救いでしたよ。そのまま放置しておく事もできないし、今二人からの特別授業でなんとか最低限のコントロールが出来るようになるのにかかったのが、三ヶ月。今は十二月です。

 もちろん、この世界にはハロウィンもクリスマスもない。………あったらまた、精霊様や神様から何か届きそうだし、なくてよかったかも。


 今日は、雪遊びをするために皆で集まった。あ、父様作の空間にね?

 そう。雪があるんだよ!降ってはないけど、父様に魔法で作ってもらった、溶けない雪。やったね!

 皆、って言うのは、私、アデラ、リヴァ、ココ、アベラール君、ミラ、リアン君、ルカ、リンネ神、母様、父様。それから、契約してる精霊様。大人数。結構知り合い増えたと思うんだ!………ああ、うん。他に知り合いはほとんどいないけどね。

 で、遊ぶ内容は雪合戦。定番だけど、私の知ってるのじゃなかった。本気の合戦なんだよ。雪玉は凶器になるから。本当に。後、当たったらアウト。退場らしい。きつくない?

 チームは三つ。子供チームと、精霊様チームと、リンネ神母様父様チーム。人数差はハンデ、らしい。これでも負ける気がするのは気のせい?


「攻撃と、雪玉を作るのに別れよう」


リヴァの提案で、二つに別れる事になった。


「じゃあ、攻撃がステラ、アデラ、アベラール様、ヴァレリアン様

 雪玉が私、ココ、ミラ、ルーカス様、でいい?」


全員が頷く。私は攻撃班だ。

 あ、そうそう。女子会グループは、皆がお互いに愛称で呼び合うようになったよ。


『作戦時間は五分

それから一分後にスタートですわ!』


あ、そうそう。ヘリオドール様とチャロアイト様は審判だって。寒いのは苦手らしい。チャロアイト様は寝てたけどね。

 とりあえず作戦時間らしいので、攻撃班で集まって、作戦を立てる。


「奇襲係も一人はいるよね

 正面からの攻撃は目眩しかつ、雪玉を避けれる人がいいかな」


 この空間は森になっていて、死角になるところもたくさんある。そこを利用するのも一つの手だ。


「あ〜

俺は隠密行動とか苦手だから、正面突破のがいいな」


あ〜。リアン君、じっとしてるの苦手っぽいもんね。


「私も正面がいいかな

 ちょっと試したい事があるし」


「僕はどっちでも」


「私は奇襲志望です!」


お、アデラが奇襲に行くのか。がんばれ〜!

 そこで、雪玉班がこっちに来た。


「それぞれ一人ずつがついて、二人で行動する事になったよ」


なるほど。それなら効率いいもんね。

 そしてそれを聞いて、アベラール君が手をあげた。


「ココがいい」


あ、はい。シスコンはブレないですね。


「もともと、そのつもりでしたよ

 兄妹だったら息も合うでしょうし」


リヴァは苦笑いだ。

あ、そうか。私とアデラがペアだったら面白そうだな〜。


「後は、幼なじみで婚約者なら動きが合うだろうし、ミラとヴァレリアン様

 ルーカス様と一番親しいのはステラだし、その二人

 で、私とアデラね」


チームワークは大切だよね。

 あ、ミラが赤くなってる。まだ慣れないのかな?


「………ルカ

 もしかしたら攻撃に回ってもらうかも

いい?」


私の計画では、一部、ルカが暇になってしまう。


「ん、いいよ」


ルカはいつも通り、優しく微笑んだ。

 ……ルカ、無口で冷たいって嘘でしょ。ゲームの設定おかしいよね。


「じゃあ、そろそろ準備しよう

散らばって!」


リヴァのその声に合わせて、子供チームは全員動き出す。

 そもそも今いたのは森の中の開けた場所で、目立ちすぎるしね。


「急に走ったり、魔法を使ったりするかもだけど、ついてきてくれる?」


「もちろん」


ルカの返事を聞いて、私は走り出す。後ろは見ないけど、ルカならついて来れるだろう。

 ちなみに、筋力増加魔法なんかのバフをかけまくったので、人はついて来れない。天使でも怪しい。


『ステラ、止まって』


ルカのテレパシーだ。

 言われた通り止まり、振り返る。


「どうしたの?」


私が聞くと、ルカは口元に人差し指をあてる。静かにしろ、という事か。


『どうしたの?』


『五十メートルくらい先に、一人、いる』


えっ!?

って、そうか。探知魔法使えばよかった。


『分かった

まだ始まってないから、様子を見ながら追いかける?』


『いや、精霊にしても、リンネ神にしても、アメリア様やエドワード様にしても

 絶対にこっちに気付いてる』


うぇ、それはまずい。


『一旦退散?』


『気配を消して、様子を見たい、ところなんだけど…………』


『だけど?』


気配なら魔法でも消せるし、訓練でもやった。


『相手によっては気づかれる』


あ〜。母様に武術では勝てないし、父様に魔法では勝てないしな〜。


『じゃあ、どうする?』


『………現状維持

 だけど、移動と魔法の準備はしといて』


『了解』


 始まる合図までの間に、ルカは黙々と雪玉を作り出す。魔法も使ってるから、既に山が………。


『皆様、作戦時間が終了いたしました

 一分後、雪合戦を開始します』


ヘリオドール様の声だ。

 私は開始後のイメージをして、準備を整える。


『五、四、三、二、一………始めですわ!』


その言葉と同時に、前方———誰かがいる場所から雪玉が飛んでくる。もちろん、予想はしていたので避ける。


「[命中]」


イメージは磁石。相手に雪玉が吸い付いていくような感じで投げていく。

 それから、見晴らしが悪いので相手の上空に移動する。………魔法で。


「!」


急に私とルカが消えて動揺しているのは————サチャマニだ。


「っ、上か!」


こちらに気づくと浮遊してくるが、隙がない。それでも、私は雪玉を投げ続ける。

 どうやって避けているのかと思ったが、雪で作った剣で弾いているようだ。氷魔法で固められている。


「[かまくら]!」


そのままのネーミングだが、私はサチャを中心にして、出入り口のないかまくらを作り出す。

 そして、その雪をそのまま玉にして当てようとしてが————。


「っ!?」


かまくらが切られた。

 なんで!?強化魔法もかけたのに!


「はああっ!!」


気合を込めて向かってきたサチャマニの剣は、当たった。


「何!?」


私そっくりの、人形に。

 そして、背後に隠れていた私は、がら空きの背中に雪玉を投げる。


「くっ、完敗だ」


悔しそうに、でも楽しそうに笑ったサチャマニは、観覧席へと転移させられて消えていった。


「ルカ、雪玉補充ありがとう」


「どういたしまして」


私が使った雪玉は、今回だけでも五十くらいはあるだろう。ルカ、がいなかったら、足りなかったはずだ。


「じゃあ、移動して、次行こう」


「うん」


——アデラ目線


 いよいよ、雪合戦が始まりました。

 私は奇襲係なので、リヴァと木の上に隠れています。もちろん、魔法で認識阻害などもしていますが。


『リヴァ、聞こえますか?

 返事はしなくていいので、聞こえていたら頷いて下さい』


声で気づかれないために、テレパシーを送ります。

 リヴァは戸惑いながらも頷いているので、ちゃんと届いたようです。


『まず、物音をできるだけ遮断できる魔法をかけて下さい

 それができたら、敵を探して行きます

ただ、木の上を移動します。走りますけど、大丈夫ですか?』


 リヴァは運動神経もいいし心配はしていませんけど、一応確認です。予想通り、満面の笑みで頷いていますしね。

 では、準備開始です!


「……[認識阻害][遮音][身体軽量化][小型化]………」


小声で魔法をかけます。無詠唱だとどうしても効果が弱くなってしまうので、背に腹は変えられません。

 リヴァも同じような魔法をかけたようです。初見の魔法を使えるのは流石です。普通はできないので。………姉様は気付いてませんけどね。


『行きますよ』


 リヴァが頷いたのを確認して、私は木の上を走ります。

 前世では絶対にできない芸当ですけど、ファンタジー世界はなんでもありなのです。私的理論ですが。

 そして、走り回る事数分。探知魔法の範囲内に一つの反応がありました。


「[望遠][千里眼]」


充分離れているとはいえ、安心はできないので、小声で詠唱します。

 魔法で見えたのは………アベンチュリン様でした。

 リヴァに伝えてからしばらく動向を伺っていると、明らかに、私の方を見て笑いました。ひえっ!?


『リヴァ、気づかれたかもしれません

 もう、正面突破でいいですか?』


奇襲のつもりだったのですが、もう諦めます。


『おっけ〜』


え、もうテレパシー使えるんですか!?私や姉様でさえ………同じくらいでしたね。

 とりあえず、魔法を使えばバレそうなので、無音のまま地に降りて、一直線に走ります。

 雪玉が飛んできますが、未来予知の魔法でギリギリかわします。反射神経はないんですよ。


「[吹雪]」


あくまで小声です。何をしようとしているかバレてしまうので。

 私がそう呟いた直後、リヴァ作の雪玉をのせた追い風が吹きます。

 そう。私にとって追い風、ということは、アベンチュリン様にとっては向かい風なのです。

 さらに、微風なんて優しい物なわけもなく。突風なので、攻撃が自分に跳ね返っていきます。地獄でしょう?


「[進路変更]」


そうそう。私が乗せた雪玉も、自由に動かせるんですよ。風はどうしたのか?守護魔法をかけてあるに決まってるじゃないですか。


「さあ、とどめで————!?」


私がその雪玉を当てようとした時、リヴァが私を転ばせました。何事ですか!?


「あ〜あ、バレちゃった」


そう言うアベンチュリン様の周りには、もう吹雪はありません。私が解除したからです。

 とりあえず立ち上がり、後ろを振り向くと、そこにはジェード様がいました。

 アベンチュリン様は囮、と言う事ですか?でも、私の探知魔法に反応しなかったのは………。


「娘

認識阻害魔法を使えるのが自分だけだと思ったか?」


ああ。そうでした。相手も魔法を使う可能性を忘れていました。


「…………何!?」


すると、何故か急にジェード様が慌て出しました。


「そうよ

自分だけなわけないじゃない、ね?」


そう言って現れたのは…………母様、でした。


(…………終わった)

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