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シナリオは崩壊しました。自由に生きてもいいですよね?  作者: 雪結び
日常です〔五歳〜〕
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無事転生完了!

「あら、起きた?」


眩しい光を感じて目を開けると、そこ(天井)には、見た事のない様な綺麗な青空が広がっていた。


「あう?」


目線を流すと、そこには翼を生やした、金髪碧眼の綺麗な女の人がいた。

 どうやら、無事、転生したらしい。その証拠に上手く話せない。


「うふふ

エステラ…………愛称はステラかしら?」


どうやら、私の名前はエステラらしい。


(…………あれ

そういえば、神様の言ってた『都合』って何だろう?)

 

そう。私が転生することになった原因。

今思い出したけど。

 ………ハーフ天使になったんだし、もし会えたらその時に聞いてみよう。


「ステラ、お父様に会いに行きましょうか」


「あいっ!」


私が返事をすると、アメリアさん———お母さんは私を抱き上げた。

 

 (お母さんが)歩いている時に周りを見回した

けれど、何処の天井も空だった。でも壁はある様で、建物ではあるらしい。穴が空いているのか、「魔法」の力なのか。


「エド、私よ

入ってもいいかしら?」


一つの扉の前で立ち止まり、ノックをして言う。

 確認はとった方がいいのかな。覚えておかないと…………。


「ああ、入ってくれ」


少しすると、扉の奥から低めの、けれどよく通って聴き心地のいい声が聞こえた。

 部屋に入ると、そこの天井も一面空だった。


 そしてお父さんだが、神様が言っていた通り銀髪緑眼で、若々しいイケメンだ。エルフだからかな?近寄り難くて厳しそうな雰囲気だが、私とお母さんを見る目が優しいのは分かる。


「エステラ、おいで」


(………いや、どうしろと!?)

思わず突っ込んでしまった。

私はまだ歩けもしないので戸惑っていると、お母さんが私をお父さんに渡した。


(あ、そういう)


「ステラ、お父様よ〜」


お母さんが私にそう言う。赤ちゃんだから怖がるかも、とかそういう配慮かな?

お父さん、強面でもないんだけど、一見無表情だし、確かに怖がられそう。

少なくとも、子供が嬉々として寄っていくことはないと思う。


「あう!」


私は取り敢えず、お父さんの腕に抱きつく。怖くないよアピールとリップサービスだ。想像で同情してしまった。ドンマイ、パパ。


「あらエド、良かったじゃない

顔が怖いせいで子供に泣かれる、って心配してたんでしょ?」


「え、あ、いや、何でそれを……」


(あ、やっぱり気にしてたんですね)


「コホン、ああ、愛称はステラになったのか

私もそう呼ぼう」


(あ、誤魔化した)


分かりやすく話を逸らしたが、見逃しておこう。


「…………ステラは可愛いなぁ」


おや、お父さん。クールが消えて、親バカが出てきましたか。

 まあ、お父さんもお母さんも美形だし、他から遺伝しない限り、私も美形だろう。


「ふふ

ステラ、お嫁に行くのは難しそうね

 エド、きっと自分よりも強くて賢くないと許してくれないわよ?」


とお母さん。あぁ、娘は嫁にはやらん!ってやつか。ありそう。

 成長したら、「パパのお嫁さんになる!」とか言ってみようかな。………本気で取られそうだしやめておこう。怖い………。それに、お父さんにはお母さんがいるしね!美男美女でお似合い。目の保養だよ。


「………当たり前だろう

ステラを守るにはそれくらい当然だ」


開き直った!


「う、あ…………」


あ、なんだか唐突な眠気が…………。

うぅ、目が開かない。


「あら、ステラ、眠いの?

エド、ステラを寝かせに行くわ」


お母さんが私に手を伸ばしたところで、私の意識は闇に落ちていく。


(…………やっぱり、此処での暮らし、楽しくなりそうだな)


 薄らとした意識の中、私はそう確信する。

新しい世界で、新しい家族と、新しい生活。

 前の世界に未練がない、って言ったら嘘になるけど、過去のことを悔いても仕方ない。

私は全力で、この一生を謳歌する!

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