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シナリオは崩壊しました。自由に生きてもいいですよね?  作者: 雪結び
日常です〔五歳〜〕
1/68

神様とご対面

「起きたか?」

 

 目を開けると、そこには可愛らしい容姿の、でも何処か威厳のある金髪碧眼の少女が立っていた。

 周りを見回すが、何もない。真っ白で、私と、その子以外は姿すら見えない。


(貴方は、誰?此処は、何処?)


「我か?我はリンネ

御主らの世界で言う、神じゃな

 ちなみに此処は我が作り出した異空間。何もないけど、何でもあるのじゃ」


(神様…………

心を読まれたのか

 何もないけど、何でもある?何でも作り出せるという事かな?)


神様に会ったというのにこんなに冷静なのは、まだ何処か夢見心地だからだろうか。


「そうじゃ、大正解じゃぞ

—————で、本題に入ってもいいかの?」


(はい、お願いします)


喋ろうとしても声が出ないので、心の中で思う。


「えっとな

いきなりで信じられないかもしれんが、御主————霧宮きりみや 朔夜さくやは、死亡した」


(え……………)


急に畏まった神様の口から発せられた言葉に、私は唖然とする。

 神様は顔を隠し、肩を震わせている。


「………話を続けるぞ

 死亡原因は事故。と言っても、交通事故じゃなくて、不慮の事故じゃな

 御主はある日、強がって、一人でホラー映画のDVDを見ていたんじゃ。本当は苦手なのにの

 それで、山場の時に仕事から帰って来た両親が御主を驚かせたんじゃ

 それに驚いて恐怖を憶えた御主は、混乱して走り回った挙句、棚に体当たり

 その棚が御主の上に倒れて来て…………」


神様は、そこで口を閉ざす。


(……………うわぁ

碌でもない死に方しちゃった………)


自分で自分に呆れていると、神様がもう堪えられない、とばかりに笑い出した。


「わはははははは!!!!!!」


(ちょ、酷くありません!?)


「すまんすまん…………ぷっ、あははははは!」


やっぱり抑えられない様だ。


(さっき肩を震わせてたの、笑ってたんだ!)


そう気づいて、私はさらにむくれる。


「————っ、すまんすまん

 さて、それでじゃが

 御主には、三つの選択肢がある

 一、このまま輪廻の流れに戻って、同じ世界で別の物に転生。あ、記憶なんかも消去じゃ

 二、他の世界に転生。この場合は一応、記憶は残す。我ら神の都合が入っておるから、望むなら特典も付けよう

 三、神を目指す。この場合は下っ端からになるが、我の推薦が入るから待遇は悪くないと思うぞ。最終的には自分の世界も作れるかもな?

—————という感じなのだが、どうかの?」


神様はジェスチャーもたっぷりに説明して、私に向き直る。


(うーん…………

 一、はないよね。また人になれるとは限らないし楽しい事もないかもだし………

 二と三だけど、どっちも美味しい!二は違う世界を楽しめるし、三はいろいろ学べそうだし!)

 

しばらく唸って、気づいた質問をしてみる。情報は何よりも大事だからね。


(あの、二の違う世界、ってどんな世界なんですか?)


「ああ、言ってなかったのう

うむ………。簡単に言うと、王道ファンタジーかのう?剣と魔法の世界で、よくあるご都合主義のエセ中世、みたいな」


(ああ、なるほど………

化学は全くと言っていいほど発達してないけど、大事な所だけは現代レベル、みたいなご都合主義)

 ……魔法、って、誰でも使えるんですか?)


「いや、適性がないと使えん

 だが、御主には充分すぎるくらいあるから大丈夫じゃ!だから神にも推薦するんだしな」


(えっと、じゃあ神になる場合の修行?みたいなのってどんなのですか?)


「修行のう

最初の方はひたすら雑務、かの?

 上級神や中級神に書類を運んだり、事実確認とか、計算とか」


(あ、社畜だわ………)


私は、悟った。神になる事の辛さを。

 しかも、寿命がない分、辛さはずっと続いていく。


(二の、違う世界への転生でお願いします!)


やりがいがあっても、社畜はいやだ。どうせなら楽しみたい。


「うむ

え〜、じゃあ特典じゃが

 三つだけ。何でも叶えてあげよう!

 あ、転生先の身分と種族をガチャで決めようか

ちなみに赤ん坊からじゃ」


そう言って、神様は大きなガチャを出した。


(ありがとうございます!

………………怖いなぁ)


「大丈夫じゃよ

R以上確定じゃから!」


(ありがたい!っけど、気分台無しっ!)


少し脱力して、ガチャを回す。


(……おおお!!!)


金色のカプセルが出て来た。

それを見て神様が言う。


「お〜、SRじゃぞ!」


(SR!!って、スーパーレアだよね?やった!)


そして、転がって来たカプセルを開ける。


『身分・???

種族・天使のハーフ

・人間のクォーター

・エルフのクォーター』


(うわっ!?

私、いろいろ混ざりすぎじゃない!?)


「どうした?

見せてみよ」


そう言って、神様は紙を見る。


「ああ、なるほどな

彼奴の娘か」


(?どういう事ですか?)


「天使のハーフ、と書いてあるじゃろ

 その天使———つまり御主の母になる人物を、我はよく知っておる」


(えっ!?そんなに凄い方なのですか!?)


「うむ

彼奴の名は、アメリアじゃ

 その世界の天使、といえばまず名が出てくるであろう、天界の王じゃ

 あ、我ら神の世と天界は別じゃからな?

 働き者でなぁ。我ら神からの覚えもめでたい

 良かったのぉ」


(なるほど。とにかく凄い方らしい

…………あれ?

 じゃあ相手はハーフエルフ、って事ですか?)


私に四分の一血が入る、って事はそういう事だろう。


「うむ

 じゃが、真面目でいい奴じゃから、誰も反対しとらん

 種族で差別なんかもないし、寧ろエルフは人間から敬われとるぞ」


それを聞いて安心した。祖父母や親戚から疎まれるとか、何それ辛い。

 あれ?人間じゃないから別なのかな?まあいいや。


(あ、後、身分の『?』って何ですか?)


「通常じゃったら爵位なんかが入るんじゃが、ほぼ人じゃないからのう

 まあ言うとするなら、天使姫、とかそんな感じじゃろうか」


神様はそう言って笑う。姫はやめてほしい。


「それじゃあ、次は三つの願いじゃな

 考え中の思考を読んで間違えて実行してはいかんし、決まったらこれに書いてくれ」


そう言って、神様は紙とペンを出した。


(分かりました

—————えっと、魔法は使えるって言ってたし

これは除外かな。身分も大丈夫みたいだし、有り難い

 知識………は学ばせてもらえるだろうし、衣食住も大丈夫そうだよね

 となると、基礎能力とかかな?

 ええっと、まず記憶力。学ぶなら大事だよね。後は運動神経や運……………

 あ、容姿も決めれるのかな?)


そう思って神様を見ると、頷いてくれた。テレパシーみたい。便利。


(まあ一応、遺伝子なんかも考えて、両親に合わせた方がいいかな

 神様、両親(予定)の容姿を教えてもらえませんか?)


「うむ、良かろう

 アメリアは金髪碧眼で、人々が思う理想の天使を現実に持って来た様な奴じゃ

 エドワード————父は銀髪緑眼で、研究家気質の男じゃ。身内思いの反面、仇なす者には容赦がない」


おお、性格まで教えてくれた。

 こうして見ると、家族間での問題はなさそうだね。いい人そうだし。


(なるほど………

その世界の遺伝子ってどうなってるんですか?)


「基本自由じゃよ

先祖返りなんかもよくあるし、母の髪色、父の目の色、なんていうのもざらじゃ」


(ふむふむ

…………あ、やった!

私のお気に入りの『銀髪碧眼』に出来るっ!!

—————で、これを一つをすると後二つかな

 …………容姿は大事だから!そんなので願いを使うのか、とか言わないでね!

 基礎能力…………健康な体は欲しいなぁ。転生したのに病弱で外に出れません!なんてなったら最悪だしね

 で、後一つかぁ……………

う〜ん、私、これで結構満足なんだよね

 両親もいい人そうだし、楽しみの魔法も使えるみたいだし………

 神様、二つでもいいですか?)


「え!?

あ、ああ、かまわんが………」


私の問いに、神様が狼狽る。まあね、折角のチャンスなんだもん。

 私はペンを持って、『銀髪碧眼』と『健康な体』と書く。—————何でも叶えてくれるのに容姿ってどうなんだろう、って私も思ったけど、憧れなのであり!私的には全然あり!

 紙に書き終わると、その字が光る。


(うわっ!?)


「うむ

この願い、リンネの名において、叶えよう!」


神様がそう宣言すると、その紙が消えた。


(………そういえば、リンネさんだったなぁ)


私は呑気にそんな事を考える。


「………我の気が収まらん

御主、こっちへ来い」


神様が私に手招きをする。

 従って神様の元へ行くと、神様が私の手を握った。


「えい!」


すると、私の体が光った。と思えば、すぐに消えた。


「御主の基礎能力を底上げしておいた

…………それでは、達者での」


そう言って、神様は微笑んだ。


『………っ、ありがとうございます』


声は出なかったので、口パクでそう言う。ちゃんと、伝わっただろうか。


(…………!!)


そして、私は激しい光に覆われ、意識は闇に吸い込まれて行った。

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