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『ファンタジーだから!』なんて言葉で、俺が納得すると思うか?  作者: まにぃ
1-1 ファンタジーの出だしは、こんなもんだろう?
1/1285

ドタバタファンタジー、始まり始まりーっ!

自分なりの〔ベタな娯楽王道ファンタジー〕として、

今作品にチャレンジしています。

お読み頂ける方が、楽しい時間を過ごして頂ければ幸いです。

どうぞ宜しくお願いします。

「そっちへ行ったぞ!」


「兄貴! 任せとけ!」


 ズバッ!

 〔少年〕の掛け声に合わせて。

 〔男ドワーフ〕が、自慢の斧で斬り飛ばす。

 男2人が何かと戦っている、その一方で。

 〔少女〕と〔若き女剣士〕が、その様子をうかがっている。


ってる! 遣ってるわよ!」


「この隙に、私が一太刀ひとたち浴びせてくれるっ!」


 ズアッ!

 女剣士が、立派な片手剣で相手を切り裂く。

 コンビネーションが良いのか、それとも適当に振る舞っているだけなのか。

 少女は、女剣士の周りをちょろちょろと動き回っているだけで。

 直接、戦闘には参加しない。

 どうやら少女は、ヒロイン的な立ち位置に居たいだけらしい。

 そうこうしている内に、辺りのモンスターを一通り退しりぞけたのか。

 森の中は、シーンと静まり返る。

 少年は嫌な予感がし、耳をそばだてる。

 すると、上から何かが降って来る気配。


「みんな! 敵襲に備えろ!」


 少年がそう叫んだと同時に。

 4人は腰を低くして、ややしゃがんだ体制を取る。

 少し離れた所に、『ドッスーーーン!』と大きな音がして。

 何者かが地面へ着地したかと思うと。

 ザザザザザーーーッ!

 木々をなぎ倒しながら、4人の方へと向かって来る。

 少年は、少女へ向かって叫ぶ。


「足止めする事は出来るか!」


「あたしを誰だと思ってんの! そんなの、簡単よっ! てーいっ!」


 迫り来る音が一瞬んだかと思うと、『ズズーン!』と言う重低音を発して。

 地面にめり込んだらしい、迫って来ていた怪物がもがいている。


「今だっ!」

「おっしゃあ!」

「私も続こう!」


 ギシュッ!

 ズガッ!

 ドシュッ!

 肉を切り刻む様な音が、辺りに響く。

 数分後、ようやく決着がついたのか。

 ドカッと地面に腰を下ろす面々。

 周りは、モンスターの死骸しがいだらけ。

 丁寧にほうむる間も無く、死骸は勝手に自然消滅した。

 これでやっと、ゆっくり出来る。

 ホッと胸を撫で下ろしながらも、4人は乾いたのどを潤す為。

 ゴクリと、持っていた水を飲むのだった。




「あたしと居ると、飽きないでしょ?」


「あん? 何だ、今更。」


 唐突な少女の言葉に、少年が反応する。

 すると男ドワーフが、少女に文句を付ける。


「〔気が休まらない〕だろ? お前の場合。」


「何よーっ! 文句有るのーっ!」


「当たり前だ! お前のせいで、兄貴がどれだけ苦労してると思ってんだ!」


 少年を〔兄貴〕としたう男ドワーフと、プクーッとほほを膨らませて不満顔の少女との間で。

 取っ組み合いの喧嘩になりそうな勢い。

 険悪な雰囲気の2人に割って入る、女剣士。

『まあまあ』と2人をなだめながら、少年に言う。


「彼女が居なかったら、私達は出会って無かった訳だしな。大目に見ようじゃないか。」


「甘いなあ、相変わらず。」


 男ドワーフは、文句が言い足りない様だ。

 女剣士の言葉を受けて、少年は。

 少女と初めて会った時の、或る一言を思い出す。




 《今日からここで暮らすから。こいつと。》




「初めは、『何を言い出すんだ?』と思ったけどな。こんな腐れ縁になるとは。」


 しみじみとした感じで、ポツリと漏らす少年。

 それに対して、少女は。


「腐ってなんか無ーーーいっ!」


「そう言う意味じゃえだろ。」


 少女の言葉にあきれる、男ドワーフ。

 もう、放って置こう。

 一々反応してたら、疲れが何時いつまで経っても取れねえや。

 そう考え、持っていた携帯食をパクつく男ドワーフ。

 女剣士も、同様に食べ出す。

 少年は冷静な口調で、少女に告げる。


「お前も、今の内に食っとけよ。今度は何時食えるか、分かんないからな。」


 しかし、少年が言い終わる前に。

 少女は既に、モグモグと食べ始めていた。

 何だよ、忠告するまでも無かったじゃないか。

 まあ、こんな振る舞いは。

 今に始まった事じゃ無いしな。

 気にするだけ無駄か……。

 少年は気を取り直して、ストレッチで筋肉をほぐし。

 疲れを取ろうとする。

 こうして。

 四者四様、行動にやや差は有るが。

 変なチームワークを発揮し。

 4人は何とか、危機的な局面を打開した。




 尚も、森の探索を続ける4人。

 1主人公、1ヒロイン、1男ドワーフ、1女剣士。

 とある町にたたずむ、或る屋敷で。

 訳有って、共同生活をしていたのだが。

 これはその日常で有り、非日常でも有る。

 どうして、この様な取り合わせとなったのか?

 全ては、あの日から始まった。




 ──────────────────




 或る日。

【フキ】と言う名の町に辿り着いた、1人の少年。

 それがこの物語の主人公、【ハイエルト=アジカ】。

 ツンと逆立った、獄炎のごとき真っ赤な髪がトレードマーク。

 町中まちなかで住む所を探していた時、たま々少年の前へと現れた少女。

 彼女こそ。

 この物語の起点となる出来事を、主人公のもとへ引っ張り込んだトラブルメーカー。

 美少女の外見とはかけ離れた、残念な性格の持ち主である【サファイア】。

 名前から想像される通り、美しい濃紺の髪をなびかせており。

 その魅惑的な容姿にだまされる者、多数。

 そんな2人が出会った時点までさかのぼって、話を始めるとしよう。

 男ドワーフと女剣士の初登場シーンは、また後程のちほど

 それでは……。

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