取りあえず真実を
俺は陽葵の後に続き仲間の勇者達の元に案内して貰っていた。
「他の仲間は何人くらい居るんだ?」
「そうですね、私を含めて12人です、皆んな良い人ですよ」
「そ、そうか……」
(なんてこっちゃ、話が続かないぞ…)
しばらく会話もなく歩いて居ると陽葵が突然立ち止まり言った。
「着きましたよ!」
そこは普通の民家だった。
「こっちです」
言われるまま家の中に入って見るとそこは外とは全く想像がつかない程の設備があった。
「これは……どうやってここまでの設備を…」
まるでそこはどこかの研究所にでも居る様だった。
トイレを開けると中はコックピットの様だった…
「トイレまで…どうなってる……」
俺が唖然としていた時、陽葵が笑いながら言った。
「どんな時でも対処できる様にね〜」
(こいつら…ここまで警戒して居るのに俺を易々と家の中に入れるのか…)
そんな時、1人の老人がやって来た。
「いや〜貴方が金山さんかぁ〜私は最年長勇者のジブです」
(こいつ本名じゃない…やはり警戒はして居るのか)
俺は軽く会釈をした。
「この家にはジブさんと他にも勇者は居るのか?」
僕は陽葵に聞いた。
「今は後2人下にあると思うけど…それが?」
その言葉を聞いた瞬間、この階に他の勇者がいない事が分かり安心した。そしてジブと握手を交わそうとしたその時、真一は即座に剣を召喚しジブの右手を切り落とした。
「お前…下にいる勇者を殺しただろ」
ジブは悲鳴を上げていた。
「どんどん力が馴染んで来ているんだ……使ったことも無い魔法もどんな魔法かわかる様になって来た、魔王の固有スキルの1つ『真実の瞳』これは便利だ…」
陽葵は剣を召喚し真一の前に立って言った。
「なぜ!仲間を攻撃するんです…ジブさんは帰還後にすぐ力を貸してくれた方なのに……ジブさんは敵では有りません!」
すると、後ろからジブは陽毬に目掛けて拳銃を向けた。
「あなたを見くびっていましたよ……」
真一は笑って言った。
「お前は陽葵を打てない、仲間には攻撃出来ないだろ…お前はこの勇者達のメンバーとして滞在しながら運営がこの家に来るのを待っていた……異世界に行ける何て言う物を生み出した本人が目の前にいたら直ぐに仕掛けようとするのが自然か…」
「私は異世界で静かに人生を終わらせるつもりだった…なのに魔王攻略の勇者達は同じ転移者である私の妻を殺した……暇つぶしに!!!だから私はそんな奴らを殺すために勇者になった!そしてそんな奴らを殺した……だが、気が収まらなかったぁ!そもそもこんな世界を作った貴様らに復讐して野郎と考えた……まさかぁ生みの親の金山真一が現れるとは思わなかったよ」
「あった時にお前が俺を殺そうとしている事直ぐに気づけたよ…『真実の瞳』この魔法は自分に攻撃しようとしているか、裏切ろうとしているかが分かる魔法かだ…お前も結局闇落ちした勇者なんだよ…」
ジブは陽葵を突き飛ばしこちらへ発砲した。
真一は銃弾を剣で軽々と弾き拳銃を召喚させた。
「嫁の元にでも行って悔いてろよ…」
そして、真一はジブの脳天目掛けて発砲した。
ジブはその場に倒れ死んでいた…真一はすぐに帰還魔法を使い異世界へと飛ばした。
「そんな…ジブさんが……」
陽葵はその場で呆然と立ち尽くしていた。
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