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最後の人類、最初の生命  作者: コゲコゲ
原始人って凄かったんですね
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悪い予感ほどよく当たります。

 ある日の朝、僕はふと目が覚めた。

 まだ頭も冴えていない中あたりを見渡すと、昨日食べた木の実や魚などが散らばっていた。

 しかし、魚とはいうものの核によって変異したそれはもはや、化け物と言った方が合っていた。

 どうやってそんなものを取ったかというと、単純に釣りだ。化け物といえども変わったのは姿だけで頭脳は昔と変わっていない。体が大きいせいで力も強いが…


「はぁ、今日は何をしよう…」


 そう、この何もない世界では当然することもない。

 ただ食料を調達し、後はボーッとするか昼寝をするかの毎日。こんな日常に僕はいい加減飽きていた。

 幸い、服や包丁などの生活必需品は2年前、親が死んだ時のものを大事に使ってきたのでストックもまだ少しある。


「そろそろ狩りの練習もした方がいいのかな…その為にはまず武器を用意しなくちゃ……あぁ、武器はあるんだっけ」


 狩りの練習をしようと思ったのは何回目だろうか。

 最初に練習をしようと思った時に作った、木の棒にナイフを付けただけの槍を、錆びていないか確認してから腰に括り付けた。

 しかしこの時、何度も練習を諦めていたせいで僕はもう暇つぶしとしか思っていなかった。



 葉で作ったテントから出て、森の中に入っていった僕は早速獲物を見つけた。


「いた!...」


 その膝あたりまである大ネズミは狙われているとも知らずに、木の実をかじっていた。

 背後からそっと接近していく。まだ気づいていない。

(いける!!)

 槍で急所を突き、そのまま体重を込めて深く差し込む。

 そして、動かなくなったのを確認してから力を抜く。


「よし!これで今日のご飯には困らない!」


 …そうやって頭では考えていた。

 しかし現実は厳しいもので、運悪く泥で滑ってしまった僕はネズミに逃げられるのを、ただ立ち尽くして見ているしかなかった。



 何も成果を得られずにトボトボと家に帰る途中、森の雰囲気がいつもと違うのを僕は感じていた。


「嫌な予感がする…早く帰ろう」


 得体の知れない恐怖を感じた僕は急いで歩いた。

 でも、もう少しで森を抜けるというところで僕は絶望した。

 空には大きな月。周りは高い木。後ろには深い闇。

 そして目の前には大きな二つの目玉がこちらを覗いていた。

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