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鬼翔天決

 あの事故から、四ヶ月が過ぎた。

 修学旅行中の大惨事。

 大規模な山火事。

 そこからの、奇跡の生存者。

 僕たちは一時、有名人になった。

 だが、一ヶ月の間マスコミを避けまくったら、いつの間にか忘れられていた。マスコミはもう、僕たちには目もくれなくなった。



 あの時――

 明は徳馬の喉を掴み、絞め上げた。

 徳馬は苦しそうにもがいている。両手に力を入れ、何とかはずそうと試みているのがわかる。

 だが、明の手は機械仕掛けなのではないかと思うほど強い。

 一度、絞められたことのある僕にはよくわかる。

 徳馬の顔はみるみるうちに――

 その瞬間、明が手を離した。

 徳馬は崩れ落ちる。

 明は、今度は徳馬の左手首を掴む。

 呼吸が乱れ、徳馬は全く抵抗できない。

 明は、今度はアームロックという関節技をかけて――

 徳馬の左肩の関節を外した。

 徳馬の口から、凄まじい悲鳴があがる。

 明は徳馬を突き飛ばす。

 徳馬は倒れた。

 泣きながら、額を地面に擦り付ける。

「お願いです!許してください!何でもします!私には妻も子供もいるんです!命を助けてくれたら、何でもします!」

 言いながら、尻のポケットに手を伸ばす。

 その瞬間、明が動く。

 まだ動く右腕を押さえつける。

「うあああ!やめてくれ!財布、財布だよ!財布があるんだ!」

 徳馬が涙と鼻水をたらしながら訴える。

 明は徳馬の尻のポケットから、黒革の財布を抜き取った。

 かなり分厚かった。

 明はその財布を、僕たちに放ってよこす。

 そして徳馬に言った。

「だから、お前らのサークルの活動内容と、メンバーと、その他もろもろを洗いざらい吐いちまえ。そうしたら命だけは助けてやってもいい」




 薔薇十字騎士団。

 それが、このサークルの名前だという。

 もともとは、二十年ほど前に物好きな学生が、ヨーロッパを旅行している時、偶然に本物の殺人フィルムを手に入れたことから始まった。

 初めは、よくできた偽物だろうと思っていた。万が一にも、本物であろうなどとは思っていなかった。

 だが、その妙にリアルな映像が心に残り、そのフィルムを荷物の中に入れたまま帰国した。

 帰国してしばらくたったある日、フィルムに写っていた男が、今度はテレビの画面に写っていた。

 夜のニュース番組に、連続殺人鬼として逮捕されました、というアナウンサーのセリフともに。

 そして、フィルムの中で殺されていた女も写っていた。

 大量殺人事件の被害者の一人として。

 学生は驚き、そして心踊らせた。

 この映像の存在を知っているのは、日本でただ一人自分だけだ。

 学生は口の固い、信用できる人間だけを集めて、試写会を開いた。

 見た者すべてを黙らせる映像が、そこにはあった。


 だが学生は、見ているだけでは物足りないと思うようになっていた。

 そして学生は、殺人ビデオが高値で取り引きされている事も知る。

 自らに芽生えた欲望を満足させ、同時に大金を得られる――

 学生は、初めて自らの手で人を殺した。

 命を奪う快楽を知ってしまった。


 学生は大学を卒業した。

 そして、薔薇十字騎士団を結成した。

 名前の由来は、昔読んだ推理小説に登場する探偵が代表を務める探偵社から来ているのだという。

 だが逆に、そのふざけた感じのネーミングが、入団した者から罪悪感を薄めていた。


 薔薇十字騎士団の活動内容は……。

 まず、家出娘をさらってくる。

 初めはホームレスをさらっていたのだが、やはり需要は若い娘の方がはるかに多かった。そのため、家出娘がターゲットになっていた。

 で、そのさらってきた家出娘を監禁し、精神的にさんざん追い詰めて殺す。

 ただ殺すのではない。

 監禁し、痛めつけ、その過程で生じる恐怖の表情を映像として残すのだ。

 そして、殺し方もバラエティーに富んでいる。

 刺殺、撲殺、絞殺、焼殺、薬殺、銃殺、爆殺などなど……。

 それらを映像作品として創り、裏の世界に次々と発表した。

 薔薇十字騎士団は、日本の裏社会の中で、一気に注目される存在になった。ヤクザや、外国マフィアの日本支部の人間たちですら、一目置くようになっていたのだ。

 そして、薔薇十字騎士団の一員である徳馬は、さらなる思いつきをした。

 死体に細工を施し、芸術作品として創り、会員及び会に協力してくださる皆様方に観賞してもらってはどうだろう。

 その思いつきを実行するため、選ばれたのが今いる廃村だった。



「ずいぶんと悪趣味なんだな、あんたらは」

 明がポツリと呟く。

「翔……あんたの鉈かしてよ。こいつの首をぶった斬るから……」

 言ったのは鈴だった。

 鈴は徳馬に近づき――

 顔面を蹴りあげた。

 徳馬は血と、折れた歯を吹き出しながら、後ろ向きに倒れる。

 さらに、倒れた徳馬に近づき、顔面をふみつけようとする。

 だが、明が制した。

「鈴、やめとけ。こいつはもう終わりだ。殺す価値もない」

 明は鈴の前に片手を突きだして、静かな口調で言った。

「あんたにはまだやってもらうことがある。薔薇十字騎士団のメンバーの名前と住所、電話番号など、知ってることを全部話してもらうぞ」




 結局、ここにはもう、一人のメンバーも残っていないらしかった。

 すべてを聞き出した後、明は徳馬の右足首の関節を壊した。

 そして言った。

「約束通り、命だけは助けてやる。この状態で、お前に運が味方すれば助かるだろう。後は根性次第だ。片手と片足で、自力で下山しろ」

 そう言い残し、山の中に放置した。

 徳馬は最後まで懇願していた。

 助けてくれ、と。

 上條も最後に見た時、同じことをしていた。

 因果応報、という言葉を思い出した。


「さて、グズグズしてる暇はない。もうじき夜が明ける。きれいに掃除しないとな」

 明はそういって、灯油を撒き始めた。

「え……掃除?」

 鈴が聞き返す。

「当たり前だ。これだけ殺してれば、正当防衛ですなんて言ったって通らない。薔薇十字騎士団なんて言ったって通じない。オレたちは殺人犯として逮捕されるよ、間違いなく。それも、史上まれに見る大量殺人犯の高校生トリオとしてな。だから、山火事を起こして何もかもうやむやにするしかないんだよ」

 明はありったけの灯油を撒いていく。

 僕も村のあちこちに、灯油を撒いた。

「まあ、これだけ撒けば大丈夫だな。じゃあ、導火線を作るか。翔、カバンに入れたジャージの中で大きめのヤツを結んで、長い紐を作ってくれ。できるだけ長い方がいい。鈴も手伝ってくれ。あと、紐になりそうなものがあったら、よこしてくれ」


 周りは明るくなってきている。

 僕たちは、奴らの乗ってきた車で険しい山道を降りた。

 運転しているのは明だ。

「あんた、免許持ってたんだ。知らなかった……ん、もしかして、あんた無免許なの?」

 鈴が聞く。

「免許?んなもん持ってないよ。だが、運転は十二の時からやってる。問題はないよ」

 明は答える。

「この不良少年」

 鈴が言い、僕たちは思わず笑った。

 不良少年……。

 明はそんなレベルじゃないよ……。


 途中で車を乗り捨て、僕たちは山の中を歩いた。

 既に、ここまで聞こえている。

 ヘリコプターの飛ぶ音や、救急車や消防車のけたたましいサイレン。

 捜索隊の誰かが誰かにわめいている声。

 新聞や雑誌の関係者のカメラのシャッター音。

 そして――

 捜索隊の人間が僕たちに気付き、ギョッとした様子で近づいて来る。

「君たちは……」

 そして次の瞬間――

「おーい、いたぞ!生き残った生徒がいた!」



 僕たちは、様々なことを聞かれた。

 その全てに、知らぬ存ぜぬで通した。

「事故に遭い、山の中を三人でさ迷っている間に、気がついてみたら夜が明けていて、しかも山が燃えていました。だから慌てて、元いた場所に戻ろうとしてたんです」

 明はそんな意味のことを、すました顔でみんなに説明していた。

 僕と鈴は、喋る気力もなかった。

 ただただ、早く家に帰りたかった。

 帰って、暖かい布団で眠りたかった。

 暖かいものを食べたかった。

 何やら聞いてくる、マイクを持った人たちが大勢いた。

 カメラを持って、写真を撮る人もいた。

 僕は全て無視した。

 鈴は途中で怒鳴りちらした。

「あんたら、人が大勢死んだとこが、そんなに見たいのかよ!」


 あの場所で、一つ忘れられない光景がある。

 明が叔母さんと再会した時。

 叔母さんは明の姿を確認した時、その整った顔をくしゃくしゃにゆがめた。

 そして、わき目もふらずに走ってきて――

 抱きついた。

 そして明の胸に顔をうずめ、人目もはばからず泣き出した。

 叔母さんは若く、綺麗な人だった。

 明と凄く親密な関係でもあるようだった。


 死者は四十人以上出たらしい。

 バスの事故による死者と、山中の廃村で遊んでいた人々による火の不始末が原因の山火事による死者。

 断言はできないが、僕たちのやったことは誰も知らないようだった。

 徳馬も、火事で死んだようだった。

 僕と明と鈴は、三人だけで話し合い、ここでの出来事を忘れることにした。



 それから、僕たちの人生は変わってしまった。

 僕と明と鈴は、しばらく休学することになった。

 鈴はそのまま、学校を退学した。

 そして、家に閉じ籠り、一歩も外に出ようとはしなくなった。


 僕は家に帰った翌日は、丸一日ボーッとして過ごした。

 だが、その次の日になると、なぜか体が疼いた。

 我慢できず、僕は町内を走り、公園の鉄棒で懸垂をやった。

 さらにその翌日から、近所の区民体育館でウェイトトレーニングを始めた。

 総合格闘技のジムにも通い始めた。

 その頃になると、僕は学校に行っている時間が、無駄に思えるようになっていた。

 僕の父は言った。

「お前があんな体験をして大変なのはわかる。でも、今の世の中、せめて高校くらいは出ておけ。大卒ですら、就職できずにいる人間が大勢いる。お前、中卒ではやっていけないぞ」

 だが、僕の決意は固かった。

 そして僕は学校を退学した。

 仕事を始めるために。



 ある日、僕と明は、鈴の部屋に集まっていた。

 明も、石原高校をやめていた。

 だが、高校生はやめていなかった。

 別の高校の編入試験に合格し、九月から通っているのだという。

「猪瀬高校?聞いたことないな」

 僕が言うと、

「ま、オレの学力でも入れるんだ。バカな所に決まってるだろう。いや、オレも高校なんか行きたくないんだけど、純、あ、いや……叔母さんがうるさくてさ……」

 明が面倒くさそうに答える。

「純さん?あの人ほんとうに綺麗だね」

 鈴が言うと、明は黙りこんだ。

 表情が暗くなる。

 そして口を開く。

「お前らに、聞いてほしいことがある」



 日本に来て、明は純と生活するようになった。

 日本語の勉強、日本での一般常識、礼儀作法などといったことを、純は明に教えた。

 明は、スポンジが水を吸収するように、教わったこと全てを吸収した。

 純は、明の飲み込みの早さに驚き、そして喜んでくれた。

「明!あんた凄いね!頭いいよあんた!」

 そう言って、頭をなでられた。

 誉められて、とても嬉しかった。

 明は努力し、様々なことを覚えていった。

 純に誉められたい、ただそれだけのために。


 明はある日、純に打ち明けた。

 父がシリアルキラーであることを。

「それが、明と何の関係があるの?」

 純はそう言って、明を抱き締めた。

 明は嬉しかった。

 だが同時に、初めて純が女であることを意識してしまった。


 そして、一緒に生活するうちに、明の中の気持ちはどんどん膨れ上がっていった。

 純は美しかった。

 だが同時に、可愛らしくもある女性だった。

 明との生活の中で、純は無防備な姿を見せることが多かった。


 ある日、我慢できなくなった明は、自らの思いをぶつけた。

 純は頬を紅潮させ、うつむいた。

 そして言った。

「ダメだよ明……そんなの絶対――」

 明は純に抱きつき、押し倒した。

 純は目を逸らし、弱々しく抵抗する。

 だが、明は止まらなかった。

 その日、明は初めて女を知った。


 終わった後、純は泣いていた。

「姉さん……ごめんね……あたし……」

 明はもう一度、純を抱き寄せ、そして言った。

 悪いのはオレだ。もし叔母さんがオレを嫌いになったのなら、オレは家を出て一人で暮らす。もう二度と叔母さんには近づかない。叔母さんに迷惑はかけず、一人で生きていく。

「ダメよ……あんたの面倒は、あたしが見るから……絶対に」

 純は明の手から逃れた。

「一つ、あんたに言っておくことがあるの」


 純の姉である美樹はいつからか、義理の父親に犯されるようになった。

 母と幼い純は、それを見て見ぬふりをしていた。

 そんな義理の父親から逃れるために、美樹は明の父ペドロとメキシコに行ったのだ。

 だが、ペドロは筋金入りの犯罪者であった。

 美樹は逃げ出さざるを得なかった。

 幼い明を残して。

 身一つで逃げ出し、あちこちをさ迷い、警察に保護された。

 実家に戻ってしばらくすると、美樹は完全なヤク中になっていた。

 実家に戻された美樹は、義理の父親から性奴隷のごとき扱いを受け続け、その苦しみから逃れるため、薬に手を出したのだ。

 純はそんな家にいられなくなり、逃げ出した。

 美樹も誘ったが、

「あたしがあいつの……お父さんの言うこと聞かないと、お母さんがひどい目に遭わされるから……」

 そう言って、やつれた顔で笑った。

 純は迷った。

 だが結局、一人で逃げ出した。

 これ以上、狂った家にいたくなかったのだ。

 だが、惨劇が起きてしまい――

 純は一人ぼっちになっていた。


「もし、あたしがあの時に姉さんを連れて行けば……あんなことにはならなかったかも……あたしは姉さん……あんたの母さんを助けられなかった……だから、あんたのことは絶対に……ちゃんとした大人にする。それまでは、あたしが面倒みるから……でないと、姉さんに……」

 そういうと、純は乱れた着衣を直し始めた。

「だけど、こんなことはもうこれっきりにするのよ。いいわね?」



 それ以来、純との関係はぎごちないものになっていた。

 会話もほとんどなくなっていた。

 明は再び、元の怪物に戻りかけていた。

 しかし――

「あの事故のあと、家に帰った時、叔母さんに言われたんだ。オレのことをずっと男として意識してた、って。オレが事故にあったって聞いた時、もし生きて戻ってきてくれたら、オレの気持ちに応えてあげようって……そう神様に祈ったって……」

 明はそこまで話すと、急に顔をゆがめ、苦しそうな表情になった。

「それ以来、オレは……その……純さ、いや、叔母さんと――」

「いいことじゃん。何だよノロケかい」

 僕はそう言って、明の胸を軽く突いた。

「え……」

 明は僕の対応に、キョトンとしている。

「叔母さんに手出すなんて……この不良少年」

 鈴は笑いながら、明の頭をはたいた。

「ノロケてんじゃないわよ全くもう」

「お、お前ら……」

 明は僕と鈴の顔を、交互に見る。

「今までやってきたことに比べれば、大したことないじゃん。明は純さんが好きで、純さんも明が好きなんだろ?問題ないじゃん。いいことだよ」

 僕はそう言って、笑ってみせた。

 鈴もニコニコしていた。 世間一般の常識に照らすなら、明と純さんの関係は忌むべきものなのだろう。

 だが、僕はその二人の関係が、むしろ微笑ましかった。

 最凶の友は、僕たち二人の前で照れ始めた。


 鈴の家から帰る途中、僕と明はしばらく並んで歩いた。

「それにしても、お前えらく変わったよな」

 明が不意に言った。

「え?」

「なんかお前、別人みたいにたくましくなったよ。人の体って、短期間でここまで変わるのか……」

 そう言って、明はTシャツ姿の僕の体を、まじまじと見る。

「いや、筋トレは欠かしてないからね。それに明ほどじゃないよ。とりあえず、今はベンチプレスで百キロ、スクワットで百二十キロを挙げるのが目標だよ」

 そう言いながら、僕は腕を曲げ、上腕二頭筋を盛り上げてみせた。

「……お前、筋肉バカにはなるなよ。ところで、鈴は元気そうだったな。良かったよ」

「あれは、僕たちの前だけなんだよ」

 僕が言うと、明は表情を固くし、黙りこんだ。

「……」

「鈴は、外に一歩も出られないらしいんだ……僕たち以外の人間が近づくと、体が拒絶反応を起こすらしいんだ……気分が悪くなったり、情緒不安定になって泣き出したり……ひどい時には、暴れ出したりするんだって……とにかく、僕ら以外の人間が怖いらしい。だから明、暇があったら、週に一度でも一緒に顔を出してあげようよ」

「そう言うお前は、大丈夫なのか?」

 不意に明が尋ねる。

「僕?僕は大丈夫――」

「本当か?はっきり言うがな、鈴のようになるのが、当たり前とは言わないが、まっとうな反応なんだよ。あんな戦場みたいな一夜を、まともな人間が過ごせばな。大丈夫なわけはないんだよ。なあ、強がらないでオレにだけは本当のことを言えよ。お前、本当に大丈夫なんだろうな?」

 明は僕の目を見た。

 あの戦いの時と同じ、すべてを射抜くかのような強烈な視線を感じた。

 僕は視線を外した。

「……少なくとも、今は大丈夫。もし今後、何かあったら、真っ先に相談させてもらうよ」

 明はかなり長い時間、僕から視線を外さなかった。

「……わかった。だがな、もしも何かあったら、遠慮しないで言えよ」

 明は僕を、本気で心配してくれている。

 熱いものが、僕の胸にこみ上げてきた。

 僕がこれまで生きてきた十六年。

 初めてできた友だちは、凶悪な犯罪者で、さらに人間凶器だった。


 その後、十日ほどたったある日。

 僕は一人で鈴の家に行った。

「また来たの?暇だねえ翔は」

 そう言いながらも、鈴は嬉しそうな顔で迎えてくれた。

「今日は明は一緒じゃないんだ?」

「明はアメリカに行ってるんだよ」

「アメリカ?」

「そう。アメリカの刑務所に入ってる親父さんの面会に行くんだって」

「え……親父さんって、あの殺人鬼の……」

 鈴は目を丸くする。

「そうだよ。逮捕されてから、初めての面会なんだって」





 次が最終回です。よろしければ、最後までお付き合いください。


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