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僕に恋する人  作者: 音夢
第4章 文化祭、それは終わりへの道
60/67

4ー1

突き抜ける様に、押し出す様に、そんな強い風が吹き荒れる中、世界の色が少しずつ変わって行く。

それが滅びへの道なのか、始まりへの道なのか、その問いに答えを出す人は居ない。


なら、自分で決めよう。世界の意思、自分の意思、その全てを……。




……………………………………………………




夢の中には皆が居た。暖かくて、眩しくて、すぐ近くに居る筈なのに、触れようとすると擦り抜ける様に手から零れ落ちてしまう。

幾度と無く感じた感情、幾度と無く味わった感覚、幾度と無く……世界に絶望した。


皆は優しい、でもそれが怖い。

自分に向けられた感情が偽りと、皆が望んでは居ない行為だと、知った時から、僕の世界は枯れた。



物思いに耽る、黄昏る、そう言った言葉が似合うであろう夢、悲しみと優しさが表裏一体、コインの裏表の様に感じる夢。ほぼ毎日の様に見て居る夢、なのに慣れない。深く抉る様に、情など無く暗闇へと突き落とす。


溜め息が出る、こんな現実を見てしまうと。だからか、もういいや。


僕は世界を閉じた。いや、開いたや覚めたが正しいのかな?まぁ、何方にせよ、どうでもいいか。




……………………………………………………




肉体と言う檻に閉じ込められ、不快感しか無い重力げ全身に襲いながらも目を覚ました。

見知った天井が目に映る、視界がぼやけながらも分かる程度の判断力はあるが、だからと言って起きたいとは思えなかった。

そもそも、目覚めたばかりなのに、体に鞭を打ち付けたくは無いのが一般的な意見だ。


それに、幸いにも目覚ましが鳴って居ないし、今日は何時もよりも早く起きたのが分かる。珍しい、習慣グセを付けた筈なのだが。

まぁそう言う日もあるか。簡単に割り切った僕だが、現場甘んじるのも何と無く嫌なので、体を起こす事にした。


重い、表現に違いはあれど、体を縛り付ける様に、重く不快に感じさせるコレは大抵の人が感じるのだろう。


「あ、ああぁぁ」そんな溜め息じみた様な、零れり様に、ただ体から犇めく様に、そんな年を取ったおっさんみたいな声が出た。

乾いた笑みが浮かびそうになるが、それを出してしまうと、自分で自分がおっさんだと認めてしまいそうなので止め、起こした体に鞭を打ち様に立ち上がった。


確か、血圧が低い人が寝起きに急に立ち上がると立ち眩みになるって聞いた事があるが、実際にはどうなのだろうか?

『降らない』や『どうでもいい』、ただその一言で片付いてしまいそうな事を考えながら、付け足す様に「まぁ、僕には味わえない事か」と自分の健康体を感じながら、 服を着替え道場に向かう為、廊下へと出た。



窓から木漏れ日が零れ落ちる様に床を照らし、不思議な暖かさを生む。ほっとする、そう思いながらゆっくりと歩いた。

何時も寄り少し遅いかな?道場にある時計を見てそう感じるが、この暖かい小春日和がいけないんだよね、何時もとは確実に違うと分かる様な思考回路だけど、まぁいいよね、何でも。


そして何時もの様に身体を方に合わせ、息をする様に突きを空中に放つ。

繰り返す、ただひたすらに、何百回、そう思考が告げたのに反応しながら、今度は蹴りの練習を始める。

身体を曲げながら、無理な姿勢や正常な姿勢、後ろや前、左右、全ての方向に。


単調な作業、見て居る側は最初の数分で飽きてしまう様な動きだが、やって居る僕からすれば半々の意見しかだせない。集中していれば時間なんてあっという間だろう、でも集中していなければ、こんな面白味の無い動きでは飽きてしまう。

まぁ、今現状としては後者の意見なのだが、辞めることだけはしない。


突きと同等の回数蹴りを放った、多少の小さな動きだがやはり塵も積もればなんとやら、汗を掻いている。

それに気付きながらも、止めはせずに次のシャドーへと入った。



それから1時間半程で鍛錬は終わり、途中から一緒に鍛錬をした父さんと共に居間に向かった。

何時も通りの居間、1番正しい反応であり、1番状況説明が出来て居無い感想。

ただ、そんなオカズの無い食事では詰まらないので、色彩という感じで染め上げよう。


優しい笑みを浮かべながら、ゆったりとした雰囲気を纏い、美味しそうな料理が運ばれたテーブルにある椅子に座り、まるで小さな子供を甘やかす様に、此方を見ながら『おいで おいで』としている母さん。

テーブルに着きながら母さんの優しく包み込んでくれる様な雰囲気とは違い、僕を理解しながら、優しさと甘さ、そんな恋人が恋人に思う様な雰囲気の秋葉姉さん。

今現在、正面から抱き着き、甘えて来る様に体を擦り付けながら、ただ甘える猫を連想させる様な可愛いらしい妹の夏海。

それからテーブルの脇に立った紳士と言うか、服が似合い過ぎている執事のセバスチャンさんに、さっきまでやって居た鍛錬に付き合ってくれていた父さんと、誰もが望む綺麗な家族、誰もが望む家庭、そんな場所が広がっている。


居辛い、そう思った事は無いが、場違い。と、悲しくも当たり前の様に頭の中に浮かんでしまう。

虚無感、そんな物を感じてしまう自分を見て居る自分、体と心にある差、不釣り合いだな。言い切る様にそう思い、もう考えるのを辞めて椅子に座った。


すると優しくて暖かい、ポカポカとした木漏れ日、安心する、言葉を選べば選ぶ程に不思議な感じが心に染み渡る。横から全身を抱き締めてくれた母さん、包み込んでくれる感触と共に「おはよう」と柔らかい挨拶が聞こえた。

子供扱い?その域で収まるかは別だが、急にやって来たのに嫌な感じがしない。


母さんと反対、僕の横に座った夏海は対抗意識なのか、はたまたやりたかったのかは分からないが、首に腕を回し、ぶら下がる様に体を密着させて来る。

可愛い、こんなに甘えてくるのに、本心は何時も見え隠れしている。だから、守って上げたい。


目の前に座っている秋葉姉さん、目が合い優しい微笑みのような笑顔を向けてくれる。

母さんとは違った優しさ、なんだろうか。母親と姉は似ているけど全然違う、でも秋葉姉さんは僕を守ろうとしているのが伝わってくる。


父さんやセバスチャンさんはまぁ基本的に、傍観者です。ただ、2人とも僕を見てくれる、ただそれだけでも嬉しい。

そんな暖かい中、食事を食べて、少ししてから学校に向かった。


セバスチャンさんに秋葉姉さんと夏海との登校だが、やはり人目が気になってしまう。

それでも何時もと大佐無い視線では、もう何も感じない。無感情と言うか、他人何てどうでも良くなった。


『自分と他人』いつの間にか読み終わって居たけど、あれのおかげなんだろう。

少しはましになったと思う。


色々と考えて居たが学校に着いてしまった。

怖い程の静寂を生み出す並べられた小さな建物、校門に建てられた看板、大事な部分が無いと分からないが、対に明日開かれる文化祭に向けて、絶賛準備が進んでいる。

朝で屋台には人が居ないせいか、無人過ぎて怖いな。

馬鹿馬鹿しいと自分でも思ってしまうが、僕に取ってコレは何時も通りなんだろう。


違和感だけが残るが自己完結をさせ、夏海は自分のクラスに、僕と秋葉姉さんは生徒会に向かった。

今日は授業が無く、準備期間に成ってしまうので、生徒会は明日に向けてステージなどの確認がある。

ただし、それ以外の雑用はもう終わらせて居るので、残念な事に暇だ。

だったら自分のクラスの手伝いでも、と思うが、此方もまぁ海斗に寄るしっかりとしたリーダーシップの元、作業が進められた為、仕事など残っては居ない。


褒めるべき物なのだが、素直に褒められない辺り、やっぱり僕の心は狭いのだろうか?


そんな事を考えながらも、生徒会室への歩みは止まる事無く進み、生徒会室に着き、会議を行ったは良いが、ステージの確認程度の会議では、何時もと比べると一瞬で終わってしまい、暇に成ってしまった。

はぁ、明日の文化祭は………………まぁいっか。






久しぶりです。結構な日付を明けてからの投稿になってしまい、誠に申し訳ございません。そして無事に高校合格が決まったのですが、同時に今回の章でこの作品を終わらせる事にしました。

誠に勝手ですが、許して下さい。

そして、今から真面に投稿して行くと高校入学とぶつかってしまい、また投稿が困難な状況になるので、次からは出来た順に投稿して行きたいと思います。

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