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僕に恋する人  作者: 音夢
第3章 夏の訪れ、それと夏休みの様な生徒会
54/67

3ー8

夏の日の夕暮れにも良く残似した夜、父さんと神主さん、セバスチャンさんは大人の話、まぁ所用で居ないなか、月影と淡い赤に輝いた太陽が照らし出す、(ひと)に見とれていた。

風が舞う度に自然と靡いてしまう程に長い髪を纏わせながら、黒に黄色の花をあしらった浴衣を妖艶に着こなし、此方に向かって手を振って来る秋葉姉さん。

そしてその横には秋葉姉さんを小さくし、また洋風から和風と言った感じにジャンルが違うが、美しさとは違う可愛さの象徴の様に明るいピンクの浴衣を着た夏海が太陽の様な笑顔で、僕と目が合った瞬間、笑顔が更に花のように満開へと咲いた。


そんな2人とは違い、大人っぽさと言うか色っぽいと感じる雰囲気を出しながら、スッと風が通る様に此方を見て居る天音姉さん。綺麗なイケメンと言う言葉が似合い、なのに可愛らしい浴衣すらも当然の様に着こなせて居る海斗、最後にまるでその四人の姉妹の中の長女と言っても通じる様な可愛らしい容姿、包み込む様な優しさが溢れて居る母さんと、我が家の面々が一同に揃って居る。

存在が目立つと言うのかな、擦れ違う人が五人の事を見ながらも、まるで高嶺の花だと言わんばかりに近付きはしない。まぁ、こんな所で舞川の性の者に手を出せば、それだけで生きる事を後悔しなきゃいけなく成るから、懸命と言えば懸命だね。


頭の中でそう考えながら、足を向かわせて居たのだが、僕が歩くの寄りも早く移動と言うか、瞬間移動と言う言葉が似合う程の速度で移動した夏海が腹、鳩尾を捉えた正確な打撃を入れ、くの字に成りながら後ろに倒れ掛けた僕の事を、何時の間にか居た天音姉さんと秋葉姉さんが支えてくれた。


えっ、何が起こったのと。そんな状況を理解するのに時間を取られながら、視界に映るあたふたと可愛らしい行動をしている母さんと海斗が、妙に嬉しかった。


色々な物を『さて置き』の一言で片付けるのは些か、強引かもしれないが、そんな事はさて置きまだ腹に残る痛みで、手で腹を摩り、2人の支えから自立しながら「取り敢えず、夏海。危ないから人に向かって走って抱きつか無い様にしてね」と腰当たりに抱きつきながら、顔を擦り付けて来る夏海に言うと、少し顔を赤く染めながら「えへへ、ごめんね。お兄ちゃん」可愛らしい笑顔で言われてしまっては、これ以上何も言えない。

腹を摩って居た手を放し、夏海の頭を優しくなぞる様に撫でる。すると夏海は気持ち良いのか、目を細めた。


と同時に母さんと海斗が此方に向かって来るが、それよりも早く「へぇー、れんくんは意外にもロリコンだったのかぁ。道理で私の色仕掛けに靡かない訳だぁ」そんな事をまるで遊ぶ様に笑顔で言いながら、背中に押し当てる様に抱きつ居て来る天音姉さん。

「それでも恋ちゃんはお姉ちゃんのことが好きだよねぇ」対抗意識があるのかは知らないが、秋葉姉さんが余って居る手から腕へと絡める様にして抱きつき、吐息で濡らし唾液を混ぜる様に「今日は浴衣だから付けて無いよ」と耳元で囁く。


一体どう反応するべきか、悩ませるが無視でいっか。それに「恋、大丈夫だったかい?早急思いっ切り腹に重い一打を喰らった様だったが」近づいて来た海斗と「私も恋ちゃんを抱き締めるぅ!」何時も以上にハイテンションな母さんの声に寄って遮られたし。

はぁ、にしても多い。「母さん、抱き着くのは辞めて。暑いから」早い者勝ちでは無いが、あとから抱きついて来た母さんには我慢してもらいましょう。


そしてこんなにも濃い人達を相手するのは、色々と気が参りそうです。


そう思いながら、「取り敢えず、抱きつくならちゃんとして。絶対歩き辛いから」もう抱きつかれるのは諦めました。はい、人間諦めが感じんです。若いはずなのに色々と悟りました。

敬語が妙に沁みる。

だけど、ある程度皆も分かってくれたのか、僕から離れ何か会議をして居る。


数十秒と掛からずに終わった会議だが、ある程度やる事は決めたらしい。

近付いて来た夏海が僕の腕を抱き締めながら「コレから私達が交代で行きたい場所を決めるから、お願いね。お兄ちゃん」あ、うん?何と無く分かったけど、もう少し説明口調の方が嬉しいかな。


まぁ、要するに行く所を決めた人が色々と僕にやるって事でしょ。「うん、そうだよ」……夏海はアレだな。もうナチュラルに読心術が出来るのな。


あと、無垢な笑顔で僕を見ないでくれ。自分の穢れが悲しくなる。

久しぶりに夏海の笑顔に恐怖を感じた所で、抱き付いて来たと言う事は先ずは夏海からなのだろう。


「何処に行く?」当たり前の様なそんな問いに、夏海は軽くだが優しく嬉しそうな笑みを零すと「何だか、お兄ちゃんと恋人に成ったみたい」その言葉に他の皆の何とも言え無い視線が突き刺さり、苦笑いを浮かべる中「えっと、じゃあ綿飴が良いかな」夏海の願いのまま、僕達は綿飴売り場に向かった。



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