3ー7
本殿、そんな堅そうな肩書きをまるで吐き捨てるかの様に、見て分かる程の俗物と言うかラフさに溢れた部屋の中、何故か中心に置かれた少し大きめの卓袱台がしっくりしながら、全員がその周りに座った。
意図せずとは言わ無いが、何かしら日本人はテーブルなどの周りに座る癖でもあるのだろうか。
逆に椅子が1つだけ空いて居たら座り辛いと思うのは何故、日本人らしいと言うか教育が行き届いたからなのはか、まぁ教育寄りも生活習慣が無意識の内にそうさせるのかな。
だとしたら、以外と凄いかもね。無意識を操れれば、人を騙す事何て造作も無いだろうし。
下らない事を思いながら、視線を前にしっかりと向けると全員の視線が交差し合い、そして当たり前の様に僕と神主さんはお茶を入れ出した。
それを黙って見て居る父さんは多分予想して居たから大丈夫なのだろうが、セバスチャンさんは執事だし一応こんな僕でも主な訳だから、少し悩む様な表情をした。
またそれが妙に似合って居ると感じるのが本日何回目なのかは分から無いが、まぁ胸の内にしまうとして、何かしらの答えを見つけたのかセバスチャンさんは「恋様、出来れば私にもお茶の入れ方を教えて下さいませんか?」と聞いて来た事に、僕は多少驚きを感じたが直ぐに納得が出来た。
「生憎、私は基本的に洋食などを担当して居る物ですから、和食などはレパートリーが少なく、本格的なお茶の入れ方は紅茶しか分から無いのですが」その言葉に、確かに理解が出来た。執事とは基本的に海外の者だし、バトラーと言うのは本来はその家の長男が成るべき者。それを曲げて居るのだ、需要程度の都合で和食などに力を入れる訳にも行か無い。それに旅行中にセバスチャンさんと行った店も和菓子系じゃ無く、スイーツ系だったし。
納得出来た所で、お茶は神主さんの方が上手く入れられると思うが、あまりそこに触れずに教えて行った。
と言っても、正直特技でも無ければしっかりと神主さんから教えて貰って居る訳では無いので、ゆっくりと丁寧に教える事でその部分を補い、自分への復習も兼ねる事にした。
先ずは湯を沸かし、湯呑みに湯を注ぎ冷えを無くしながら、茶葉を空気に触れされる様にしながら燻り、そして香を強くさせながら茶葉を湯に入れ、芽が開いて来た辺りで湯を捨てた湯呑みに注ぐ。
本来なら水指や柄杓、風炉先屏風などの雰囲気を作る物何かを使うのだが、まぁそこまで細かく教えてもあまり使い道はあるかもしれ無いけど、使い場所が少な過ぎる。生憎、お茶は出来るだけサッと作れる方が好まれる。
もちろん、抹茶何かを点茶するのも心が現れて良い物だが、作る時が精神集中にと考える事が多い。
だから、やっぱりコッチの方が実用的だろう。神主さんも同じ入れ方だし、多分セバスチャンさんにも伝わったかな。
そう思いながら父さんは神主さんのを飲み、それ以外は自分で作ったお茶で心を和ませながら、沈黙と言う名の話が始まった。
話と言うのにはあまりにも言葉を発して居無いが、逆に互いが相手の言いたい事が何と無く理解出来る、そんな感じだった。これでビールやつまみでもあれば、おっさん達の集まりとも取れなくは無いが、生憎今からアルコールが来る事は無い。
話す事が有った筈なのに、いざ話そうとすると急に言葉が出なく成る。人間、誰かしら経験するだろう事、だが同時にお互いの事を知り合った仲に成ると、何かしら考えて居る事が理解出来る。それに本来、こう言う感じの方が僕的には凄く落ち着く。
変に気負う事も無ければ気を使う事も無い、唯一とも言える程に落ち着きがある。
たまに大人っぽいと言われるが、大人からすれば充分まだ子供と言う事なのかな?
まったりとした時間をただ過ごしながらも、何かもの思いとは違う黄昏る様に空気を感じつつ、時刻が頃合いを迎えた頃、僕たちは「それじゃあ、祭りに行きますか」と言う言葉と共に、立ち上がり本殿を後にした。
僕には一歩一歩が重く感じるが、これがあれか。勇気を決められ無い人間の定めと言う奴か。
はぁ、さっきまでの安らぎは消えて無くなるかもね。これから見回りを兼ねて秋葉姉さん達と祭りを周るのが、定番というかもう抗え無い未来だし。
まぁ、多分今夜は母さんも一緒に周るだろうから、少し楽しみかな。
何時もとは違う、可愛らしい母さんが見れるだろしね。
何か客観的に触れない様にしながらも、僕は祭り会場に向かって居る足を止められはしなかった。
それは僕の弱さ故の罪だから。
ここ最近、目に見える程スランプ気味ですが、一応この章の番外編が終わり次第、3章の文を全体的に直そうと思っています。
ですので、読み辛いと思いますがもう少しだけ我慢して下さい。




