表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に恋する人  作者: 音夢
第2章 疲れが募り募らる、僕の日常
46/67

2ー13

100人は軽く入るであろう自宅にある宴会場の中、使用人さん。古来から使えて居る普通の家には居無い使用人さんを入れても、精々20人程と随分贅沢な使い方をして居るが、それ以上に何故に家にわざわざ宴会場を持って居るのか、と聞いてみたいな。

まぁ聞か無いけど、ある程度なら何かもう舞川だからで理解出来ちゃうし、それに

色々裏の事情とか怖そうだし。


で、そんな中僕の隣に座り、そして取り皿に多分自分が作ったのであろう見た目、匂い、その全てで美味しいと判断させる料理を、色鮮やかに栄養バランスを考えながら乗せて行く母さん、『慣れた手付きで』や『何時もの様に』と付け加えると更に僕の恋愛対象、コンプレックス何かの感じられ方が可笑しく成りそうだが、これもまた僕が意とはしなくとも成ってしまう、そんな世界と現実なのが残念過ぎる。


見た目と年齢が一致しない、どんな例え同性でも見惚れさせる程の美貌を持った母さんが、高校生の息子に対してまるでと言うか、文字通り『初恋』の『大好き』な『弟』の様に『甘やかして』居た近所の『男の子』に接する様にするのは、常識人からすれば異様でしか無く、勿論こんな環境で育った僕だが一応は一般常識程度、親何かとの距離感ぐらいは分かっているつもりだ。

それは使用人さんにも言える話だが、先ず血縁者しかも実の息子と言う時点で、こっちの方が異様で成らない。


しかもこの状況に追い討ちを掛ける様に、父さんはセバスティアンさんや他の人と離れた場所で晩酌をして居り、こんな状況を何か視線は感じるが、まだ平然と見て居る妹や姉、同い年の親戚や学校の先輩方にはもう異様を通り越して、逆に理解してしまう自分が居る。自分の立場や立ち位置を。

淡白に言うと愛玩動物、分かりやすく言うのであれば愛でるべきペット、それが恋愛的な感情が含まれて居るかの違いだけか、或いは手元に置いておきたくなる息子の様な男かな。


周りの状況や自分の状況などをある程度分析したつもりなのだが、また事細やかに分析すればする程に常識とは懸け離れ過ぎて居る事に、疲れと言うか常識では味わえ無い心臓に突き刺さり、心臓を押し潰す何かを感じさせられる辺り、慣れては居るが受け入れては居無いと分からさせられる。


今日だけでも、と考え逃げ様とする気持ちは抑え、母さんの対応と言うべきかは悩むが、食事をする事にしよう。簡単なテスト勉強でも脳を使えばお腹は空いて居るしね。

良い笑顔、モデルや俳優何か顔負けの本当に幸せに満ちた笑顔をする母さんだが、手に握られて居る箸は綺麗な形で取り皿に取られた料理を摘み、そして「はい、恋ちゃん。あーん」と僕の口へとその美味しそうな料理を運んで来た。

すると『あっ』と声が聞こえて来そうな程に、物欲しそうな視線が僕と母さんの周りに注がれ、流石に年齢的に羞恥心は耐え難く、またキツイ物がある。それでも母さんの手が止まる事は無く、素直と言うか慣れてしまった僕は口を明け、母さんの息が少し上がったと感じた瞬間、料理が口の中に入り、ふんわりとした食感と高級料亭で食べる様な旨味が広がって来る。


手料理で出せる味を超えて居る、確かに母さんの料理は美味しいから無くは無いが、何だろう羞恥心からか素直に美味しいとは言いたくない。何か負けた気分に成りそうだし。


それにしても何時もならこの辺りで秋葉姉さんか天音姉さんが来そうな物だが、テスト勉強で話はしなかったがずっと居たから、自重して居るのかな?視線は飛ばして居るが来ない。

普通ならそれはそれで寂しいとでも思うのだろうが、生憎普段やられて居るせいで来ない方が結構嬉しい。


そう以外にも淋しい感情が無自覚にも出て居るのが分かった所で、母さんの方に顔を向け、どうせ拒んでも何か罪悪感で開く事に成るし自分から、と思い見た瞬間、僕の思考が完全に止まった。


目の前に居る母さん、そして母さんの手に握られた箸、別段不思議な事は無い。母さんが居る事も、母さんが母さんの箸を握って居る事も。

何も起こっては居ない、それは何よりも心から望んで居る事なのだが、そうであればこんな風にはならない。

母さんの箸が母さんの口に入って居る、うん。恥ずかしいけどまだ耐え得るレベルだ。恥ずかしいけど、でも自然と流せる筈だ。恥ずかしいけどね。

そして母さんのふっくらとした柔らかそうな唇がゆっくりと、まるで味わう様に動き、口が開き少し唾液の糸を引いた唇と舌がいやらしく、そして舌を絡ませる様にして何も無い箸を上品に、だがいやらしく舐め回した。


頭に血が登る、熱い、多分赤く成って居る、そんな断片的な言葉が浮かぶ中、母さんと視線が合い、次に母さんから出た言葉は「ふふ、可愛い!じゃあ次は口移しでもしましょうか?」完全におちょくって居る、しかもまたしても、今度は母さんの言葉で更に熱く成る。

心臓がドキドキからバクバクとした音に変わり、止まって居た思考をゆっくりとした思考に変える。


「あ」気の抜けた声が出た、そう感じた時には一斉に音楽を奏で出した様に「「「「「「あああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」」」」」そんな叫び声の様な声が女性陣から響き渡り、食事をする場所とは全く違う雰囲気が流れ、だが誰も母さんを責める程、全員がこの家での位は高くは無く、僕が母さんの上目遣いに耐えながら自分で食べる事に寄って収まった。



夕食を食べ終え、健康の為、満腹状態では無く動けるからか、時間も時間なので生徒会メンバーを送る事に成った。

多少驚いたのは母さんが「女の子を夜1人にしちゃダメだよ」と意外にも、ちゃんと考えて居た辺りだが、取り敢えず副会長さんとサクラさん、飛鳥さんを送るのだが、全員の道が同じだと先ずあり得無い。

その為、またか。とジャンケン大会を予想して居たのも他所に、全員同じ道の通りにある家らしく、3人を連れて25分程掛けて送れるらしい。だが、太陽は沈み、暗く静寂な静けさが電灯の明かりさへ奪ってしまう、そんな闇の中を歩く事に成ってしまったのは誤算では無いが、この時期ではまだ外が暗いと言うのはあまり好ましくは無い。

正直、色々な意味で生きて帰れるか、若しくは何かを無くして帰りそうで怖い。


僕の不安が募る中、秋葉姉さんと母さんの見送りで外に出ると庭の池に映る月光が優艶と揺れ、己が理を溶かし、心を沈ませてくれる。

年甲斐も無く耽って居ると、「じゃあ、車や危ない人には気を付けてね」や「やっぱりお姉ちゃんが」と母さんや秋葉姉さんの心配と言うか、何と言うべきか悩む様な声が聞こえてくる。嬉しい反面、慎ましくお断りしたい物もあるのが如何せん悩ましい所かな。


因みに夏海は宿題があるらしく、天音姉さんはその宿題が合っているかの採点役で居ない。

まぁあと2人も居たら、凄く疲れるし何か嫌に成って来るだろうから良かったんだけどね。


そして母さんと秋葉姉さんの見送りの元、家を出た僕は先導してもらう形で向かうのだが、やっぱりか。

門の外、つまり母さん達から僕達が見えなく成った瞬間、副会長さんは流れる様な動きで腕を掴み、体に押し付ける様に抱きつき、何時もなら此処で次はサクラさんが来るのだろうが、飛鳥さんが直ぐに反応したからか飛鳥さんが普段では見せない程、嬉しそうにだが恥ずかしい感情や火照った様な身体を押し付け、また頬を赤く染める。


満足気な2人とは別であまり良い気分では無いサクラさんが可愛いらしく、また子供の様に頬を膨らませた。

色々とこの3人の中心には立ちたく無いが、ゆっくりと歩き出すと飛鳥さんは「えっと、その私と真弓ちゃんとで抱き付いちゃってゴメンね」と言い、副会長さんが「ふふふっ!どうだにゃぁ、こんな美人なお姉ちゃん達に抱きつかれて、内心ドキドキじゃ無いかにゃぁ」ニマニマと言うのか、美人が残念な笑顔を零した筈なのに綺麗で、でもサクラさんは剥れて居てと、何か居るだけで体力が削り取られて行くな。



夜、不思議な幻想空間であり、人の本性すらも感じ取らせる。

話しながら、抱きつかれながら、普通の男ならば興奮しっぱなしの様な状況の中を、妙な感情の中歩く。

風が吹く度に髪を凛とした凶器の様に、だが同時に優しくふんわりとした感じで揺らす。そして見え隠れする様に抱きつく、悪戯な笑みを浮かべた女性と幸せに身を溶かしている女性、それは彼女達には一瞬であり、僕には普通にしか感じられない時間で過ぎて行った。


何と言うか、飛鳥さんと副会長さんが以外でも無いけど、幼馴染らしく隣の家同士だった。

だから副会長さんの扱いが上手かったのかと納得も付き、最後5分程度の距離だがサクラさん1人をエスコート、いや。夜散歩を一緒に為ると言った表現の方が正しいね。


そんな中、飛鳥さんと副会長さんが僕に抱き付いて居るのを見せ付けられて居たからか、サクラさんは激しく、絡みつく様に体に抱きつき、ふんわりとした柔らかい感触と共に優しい匂いが僕を包み込む。

と、同時に歩き辛いとさえ感じる程に抱き付いて来て居るが、まぁ今日ぐらいはサービスしますか。

だから、僕は甘いんだけどね。


何も、何も話さずにただ噛み締める様に、この時間が永遠に続けと、まるで夢。世界の中、1人幸せだけが溢れた様にただゆっくりと歩いた。

足取りを合わせ、彼女から伝わって来る服越しからでも分かる柔らかさ、匂い、熱、鼓動、気持ち、その全てを感じながら、歩き何分歩いたか。正確な時間や曖昧な時間さへも分からなく成る程に、心が落ち着きながら歩いて居た。

そして着いた瞬間、サクラさんの悲しそうな表情が痛く頭に残り、胸を締め付ける。

それでもやはり割り切りは出来るみたいだ。サクラさんは一瞬、強く愛おしい様に抱き締め、身体を解く様にして離れた。


「それじゃあ、また今度ですね。サクラさん」出来るだけ笑顔でそう言えた筈。

自分の笑顔には生憎と自身何て物は無い。だけどサクラさんの顔が明るく成り、何時もの優しい笑顔のサクラさんに戻ると「はい、ではまた今度です。ありがとうございました」その言葉が耳に通り、締め付けた胸を解き放つ。


お互いに言いたい事を言い、笑顔のまま見送りが終わり、僕は帰るが、途中今の気分的に公園に何故か寄ってしまった。


何の変哲もない公園、ブランコや滑り台、鉄棒、他にも色々あるが名前が分からない物も多い。

子供の頃は公園で遊ぶのが楽しかった、今見ると身体を鍛える為の道具を遊べる様にしただけだが、昔は違ったな。


風が通り抜ける様に吹き、遊具を揺らし軋ませる。子供ならば恐怖するのだろうが、僕には無かった。

それ寄りも空に光る星を眺め、また黄昏ながら今日一日を思い出した。


殆ど今日は生徒会活動と言っても過言ではない、がやっぱり自分の居場所を少しでも感じられるのは嬉しい。

弱いから、僕は決して強くは無い。少なくとも誰かに肯定されて無ければ生きてはいけない。そうされなきゃ、自分が生きて居るのかさへも分からなく成るだろう。

自分の存在は自分でも理解出来無い。


だからかな、たまに襲い掛かって来る男を殴り、相手に痛みを与えた瞬間、何と無く理を見れる。

今も、そう。


暗闇の中から5人程度の男が現れる。全員手には何も持っては居無いが、一律に全員の顔が絶望や狂気に満ち溢れて居た。

子供なら泣いて逃げるし、大人でも泣いて逃げるな。でも、僕には何も無さ過ぎる。常に殺気を浴び続け、常に人をヤレる様には体制を構えて居る。

だから、さぁあんた達みたいにただの能無しには無理何だよね。

襲って来る、が全て素人がただ本気で殴った様な形も無ければ基礎も無い、そんな殴りだ。止まって居るのと大差無い。全ての拳に手の平を当て、力を流しながらいなし、鳩尾と首に手刀を入れる。一瞬だろう、一瞬で視界が消え、意識が飛ぶ。人に寄っては死ぬ瞬間と変わり無いと言う。

だが、僕の中にはそんな理性的な物などは無く、「ああ」と狂気狂った感情が感じられる。


ふふ、本当に何がしたいんだろうね、僕は。優しく為るくせに苦手で、嬉しい癖に嫌だ。

天邪鬼ならまだ良いが、と言っても僕には分から無いか。なんせ、僕は何時もこうなんだし。


何かに終わりを付けた僕は、転がって居る人達をそのままにしたまま、家に帰った。

そろそろ心配され始めただろうしね。


そうして僕は夜の闇の中へと歩き、そして消えた。


えー、これで第2章は終わりました。

今回は番外編を書かない事にしました。理由としてはあまり番外編向けのネタが無いからです。

そして3週間は文や文字などの直しを入れ、9月16日から第3章を投稿して行きます。


あとまだ考えの段階ですが、そろそろと言うかもう結構受験勉強が始まって居り、次章を投稿して番外編を投稿し、そのあとは最終章を投稿とさせて頂くかもしれません。

まだ考えの段階なので分かりませんが、多分そう成ると思いますので予めご了承下さい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ