2ー12
何気ない日常が、どれほど大切な物なのか。人は失った時、始めてその意義を知る。
そんな死ぬ間際、もしくは何かを失った時に浮かぶ様な言葉が何故、今こんなテスト勉強をして居る中で浮かぶのか。普通ならば、あり得ない。なら普通では無いのか?だが、僕はそれが何故で、何でなのかは理解出来るが、分かりたくはなかった。
そんな嘆きの様な言葉を幾ら募らせ様とも、僕を助けてくれる様なヒーローが現れる事何て、それこそ漫画の様な出来事でしか無い。
子供の頃は自分がヒーローで、世界は全て自分を中心に回って居る、そう思って居たのかもしれない。ただ、この年に成ると最早それは恥ずかしいだけだ。いや、確かにヒーローは存在しないが、ある種と言うべきかは定かでは無いが『選ばれた』と言う皮肉的な言葉には、僕は当てはまるだろう。
自分が自分では居られなく成る、己が意を曲げて生きる呪い、呪縛の様な力。ああ狂おしいぐらいに憎いな。
だがまぁしかも、子供の頃に夢描いて居たヒーローは大体悪役を倒すのが目的地だった。理由としては未来の地球や人間を滅ぼすから、そんなベタなヒーローがこんな状況に成らないな。そもそも、子供のヒーローだし、この生々しさと言うか、どんな英才教育か、と疑う様な内容は無かった。
で、今はその守って居る人間が地球を汚して居る訳で、世の中って循環して居るな。嫌な意味でだけど。
じゃあ、とヒーロー以外に変えたいけど、多分どんな人が来てもこのギスギスした雰囲気及び、ねっとりと360度全方向から感じるこの視線も、割れたガラスの破片が喉に突き刺さり、身を、肉を切って居るのとは違う、人体を解体する様な鋭利な空気、何れも変えられ無いな。
はぁ、以外とヒーローって言うか便利な人は居ないな。元々、ヒーローを言うのであれば、女運の悪いヒーローや逆に女運の良いヒーロー何て、子供には見せれ無いか。
基本的にはメインヒロインのピン、最近では青や黄色なんかがレッドといい雰囲気、若しくはモブと呼ばれる者と良い雰囲気に成る。
決して、こんなドロドロでは無い。
1人で考えて居ても疲れるが溜まる。
話は変わるけど、それにしても、生徒会メンバーは誰1人としてテスト勉強をする意味が無いのが今、何と無くハッキリと理解出来きる。目に見えるぐらいにね。
理由としては、泣きたく成るけど皆前期の、しかも全体のランクを見るテスト何かで躓く程は学力的な面『だけ』では馬鹿では無い。勿論それは僕も例外は無く、普段の授業に対して予習復習をやって居るので、正直詰まらない。
だけの部分を強調するが、本当才色兼備、容姿端麗、成績優秀、まるで何処かのお姫さまの様なスペックなのに、何故に彼処まで残念な愛情表現なのか。バカと天才は紙一重と言うが、実感出来るな。
それは置いて置くとして、夏海は天音姉さんの指導が良いからか、手は止まって無いみたいだ。流石人に教えるのは以外と大変だが、それを卒無くこなす辺り、凄いと素直に思える。で、問題なのは海斗ぽっいかな、何か結構な割合で手が止まって居るみたいだし。致し方無いのかもしれないが、海斗はやっぱり織田と言うか、純日本人なのだろう。と言うかそこだけは織田信長の様には行か無いみたいだ。
英語が少しでも入って居ると理解に苦しんで居るようだし、以外と言えば以外なのだが、やっぱりと言えばやっぱりか。
織田信長は南蛮何かから色々輸入する程、大の南蛮好きで、同時にうつけ者や第六天魔王、天才などでも知られて居る。
常人には理解できない、今からすれば戦票を理解した上でオランダから鉄砲を大量に買い、軍にした理由が分かる。でも、あの当時でそれを見極められたのは数少ない人間でしか無い。
海斗も直感は良いがイマイチ、他人を気にし無い過ぎる。だから、ニュースを見ても全体の事は分かって居ても、英語の意味は理解して居無いか。
困った親戚だ、と思いつつも、海斗が何故生徒会に入らなかったのかが、何と無く分かった。生徒会メンバーは学力が高く、また文武両道もしくは勉学が多少遅れても大丈夫であり、部活をしたい場合は両方成立出来るのが最低条件と成る。
その理論から行くに、多分海斗は九条先生が推薦する基準レベルにすら居なかったのだろう。基本授業での英語が破滅的と成ると、荒療治でアメリカにでも放り投げたく成る。だけど、多分周りが折れて日本語で話す様に成るだろうけど。若しくは必要に応じて理解するかもしれ無いけどね。
その後者の結論がでは理由は、海斗が本番に強いのは何回か見て来て居る。事、それは勉学にも言える事である。凄く本気を出して居ると何か、近づき難い雰囲気を出して、苦手な英語の文法でも1週間は覚えて居た。一週間、テスト週間が終わった瞬間に忘れてたけど。
あと、英語が苦手な割に何故アップルパイは理解出来てアップルと単語で描かれたら、片仮名でも分からないのか。不思議で成ら無い。
しかも旗から見れば一夜漬けタイプなのだが、本人曰く「僕はただ恋、君が優しく教えてくれたと妄想しただけさ」と、何かに関連付けをして覚えて居たらしく、正直自重して欲しいランクで怖いから。
では、何で止まって居るのだろうか、と聞きたいが何故か大方の検討が付く辺り、僕も順応して来たか、悲しい事にね。
どうせ、スイッチを入れると妄想がと言うか、顔とか声がヤバイのだろうな。母さんや姉さん達と僕の周りの女性は大抵、その傾向にある。
自分に素直と言うか、理性無き欲求不満と呼ぶべきかは悩むが、僕の羞恥心的な物では被害被るので辞めて貰いたいのが本音であり、同時にわざわざ夜に色々とやるのも辞めて貰いたい。
嘆きと言えば嘆きだが、他の男から見れば是非変わって欲しい世界なのだろう。コレを一般的に天国と表現為るのであれば、僕は確実に色々可笑しい人間でも良いので、地獄と表現為る。
確かにこの人達が血縁者では無く、しかも周りの人から無差別なまでに殺気を向けられないので有れば、僕だって素直に嬉しいし天国だ。ですが、現実は違い過ぎる。と言うか真逆過ぎて泣けて来るよ。
何が嬉しくて血縁者から、困るぐらいの肉感的なアプローチや精神的な攻撃をされて、周りからは巫山戯るなみたいな物を向けられ、常に気を張ってなきゃいけないんだ。
少なくとも、僕にはそんな変態的な感情や憧れは存在しない。存在したとしても、それは絶対に隠して居る。
わざわざ、自分からゲスとまでは言わ無いけど、一般的なくらいから堕ちる程愚行な行為は流石にしない。
そんな風に色々と考えをしながらも、手はどんどんと手元にあるプリントを消化して行く訳で、正直こんなにも普通に無くなって行くと、やっぱり詰まらないな。日々の努力の賜物と言うか、それを暇だったからと言うのとで感じ方も違うけど。
あとはテストで出る範囲何て高々して居る訳であって、普段からある程度真面目にやって居る人がテスト勉強何かしても、何か点数が大きく変わりそうな気がしない。あ、でも秋葉姉さんが100点満点のテストで100点以上取っても納得出来る。
そういう訳で、やっぱり海斗が色々と自主規制をしているからか止まって居るし、教えるか。
そう思い、悩んでいる時間も勿体無いので直ぐに行動を起こした。
海斗の美少年の様な中性的な凛々しい顔に目線を向け、その何だろう。今にも集中力が途切れて絵でも描きそうなプリントが目に入り、出来るかなと軽い絶望感を感じながら「海斗、勉強教えてあげるよ」と言った。
すると正に一瞬、目に感じると言うか頭で理解出来る一瞬、世界が止まった様に海斗の時間が止まり、そして動き出す。再生ボタンが押された様に「お願いするよ」と止まって居た間に、何かを処理したらしく、凄く良い笑顔でそう答えられた。
まぁ、嫌がられる寄りは嬉しいけど、あの間で何が導き出されたのか少し気に成るな。でも、聞きたくは無い。絶対悪魔に魂売る的な取り引きがありそうだしね。
取り敢えず、何時もは逆だが今日は僕から海斗に近づく事にしよう。
別に対も無ければ、異性としての好意と呼べる様な物も無い。ただ海斗の現段階での状況を素早く知る為に、海斗の横に移動した。ただそれだけ。なのだが、その瞬間、海斗の居る空間だけが取り残された様な、そんな空気の亀裂が入った。
近づけ無い?物理的には近付ける筈だが、何故だか近付きたくない。と言うか、あの空気の間に入りたく無い。堕ちる、色々な意味で『オチル』な。
何だろう、皆は教えるには反応しなかった割には、近付くのに反応するって。大事な娘が居る父親か、とでも言えば多少のシャレにでも成るのだろうが、流石にねぇ。この重厚的な空気にそんなつまらない事を言えば、空気で軽く逝く。
ごめんね、少し軽いかもしれないが、そう思いながら取り敢えず、ギリギリまで近付いてから海斗のプリントに目を向けた。
海斗のプリント、確かに海斗の名前が書いて居る。うん、何だろう。英語が入っていない所は凄く完璧何だ。なのにさ、何で英語が入って居る所は空欄なのさ。
勉強為る気ある?って聞きたくなるが、多分考えた結果分から無いから飛ばしたのだろう。しかも秋葉姉さんが言って居た事はガン無視でしたか。
呆れ、とまでは行か無いが流石にここまで出来て居無いと、流石に教えるのに苦労が、骨に染みて粉々に成りそう。最早、折れるどころから残らないから。
そう思ったが、和えてそれを口にし出す程、僕は馬鹿でもなければ愚かでも無い。心の中に留め、そして普通に勉強を教え始める事にした。
とは言っても、僕は教員免許を持って居たり為る訳では無いので、教えるのは並大抵。なので教えて行くのは良いが、やはり効率が悪い。
単語+意味=英語とは行か無い。文法が分かっても書いたら正しい文法過ぎて、答えとは違う。そんなのは英語ではよくあることだが、それをまた一から二へと教えるのはねぇ。
元々、相手が苦手な物に対して、それ相応の力が無い者が教えた所で、多少なりとしか反映されないのは分かり切って居た。もう諦めたいです。負けは負けです、逃げるのは一種の勇気です。
そんな中、視線を前の方にズラすと夏海の方は一段落したのか、僕達の机の方に体を向けると何気無い動作で僕の手を握り、更に顔を少し動かせば、その柔らかそうな唇に僕のがくっ付いてしまう。ギリギリの距離、そこまで流れ様に近付いて来た天音姉さんが居た。
言葉通りの意味で、そこに居た。しかも近付いたまま、何故か僕に唇をアピールさせる様に、唾液を走らせながら男性を刺激するみたいに「ふふ、大変そうだし手伝ってあげるわよ」と言った。
理解した、理解派していた。ただ処理が出来て居なかった。
そして何か見返りに凄い色々な事を要求されそうで怖い。それに大分処理が出来て来たし、背に腹はかえられない。実際、僕だけでは完全に力不足な訳だし。
そう言う訳で、お願いを為る事にした。のだが、流石教員免許持ちは違うと言うか、僕は要らない様だ。
何か小言を言いたそうな海斗だが、明らかなまでに天音姉さんの教え方は上手く、参考に成る程なので文句は言わなかった。
と言う訳で、あとは普通にテスト勉強をさせて貰う事にした。勿論、何か険悪ムードが漂って居るのは無視しながらも、海斗が英語のに対して凄く勉強が進んで居るのに関心を覚えながら、途中夏海に何回か勉強を教えたりしながら。
それから数時間掛けてテスト勉強が終わり、鳴り響いて居たシャーペンの音が消えるのと共に皆の緊張が解れ又秋葉姉さんも会長モードを切った瞬間、どうやらけっこうな時間に成って居た様で、ノックする音と共に扉が開いた。
それと同時に海斗は完全グロッキーな様で、入って来たセバスチャンさんよりも其方に目を取られた。
で、セバスチャンさんが来た事には、幾つか考えが浮かんだが、どうやらその中の1つが正解らしい。「皆様方、もうよき時間です。ですので、夕食をお食べに成って行かないかと春香様が申して居りますが、どうなさいますか?」と要件を伝えてくれたのは有難いが、母さんからって言うのが気に成るよ。
てか、あまり歓迎ムードは出していなかった筈だけど、一体何があったのか、もしくは何を為るつもりなのか。楽しみだが怖い。
だがまぁ、僕の考えとは裏腹に、皆は了承して居り、僕達はそのまま宴会場に移動した。
海斗は疲れて居るか、フラフラだが何とか歩き、10分程で100人程入れる程大きな宴会場に着いた。
ここは何度か見た事があったので、驚きは無かったが、でも、並べられて居る数々の料理、そして満面の笑みで『こっちよ』と言わんばかりの母さん、つくづく斜め上に驚かせ、なのに以外とまともな自分が恥ずかしいよ。




