2ー11
色々とあった、うん。色々とあった。
何か此処まで来るのに色々な苦労と、苦痛の様な物を沢山背負った気がするが、まぁ今はそんな事どうでも良いだろう。いや、良くは無いけど置いておこう。
何時決まったのかは知らないが、何故か今日生徒会メンバー+他の知人と共に、この我が家と言うか、普通の家と言うには明らかなまでに大き過ぎる舞川亭にて、テスト勉強会をする事に成った。
秋葉姉さんは家を知ら無い人達の為に学校集合で迎えに行ったが、1人居れば良い仕事に2人も余分な人材を付ける程、会長モードの秋葉姉さんは甘く無く、只今絶賛と言うか大分、暇中です。
しかも、何か大きな会議が有った際に使う、多数の資料がある大きな部屋の中で1人ポツンと居るので、暇と同時に何をしていいのか、と悩みたく成り凄くウロウロと首を動かしてしまう。
20分ぐらい経ったのかな?もう暇過ぎるから、本でも読みたい気分だ。だが、秋葉姉さんが働いて居る中、1人本を読むのはあまりにも偲び無い。
そんな感じでズルズルと無駄な時間を過ごし、正直ねぇ、色々と何時もとは違う意味で少し疲れた。
すると部屋の扉が多少音を立てながら開き、目線を向けるとそこには父さんとセバスチャンさんが居た。
多分だが、2人が此処に来る用事など1つしか無く、大方何か要件でも伝えに来たのだろう。
で、予想通り「恋、そろそろ生徒会の面々が来るそうだ。玄関に行くと良い」との要件だそうだ。そして同時に少し疑問抱いてしまった。教えてくれたのは嬉しいのだが、一体何故そんな情報を知っているのか?と。
こう言っては悪いが、父さんは余りこの家庭、つまり舞川の女性には好かれては居無い。ならば何故?
必然的に秋葉姉さんが父さんに、と成るのだが、たったそれだけの理由で、父さんと携帯でやり取りするとは、到底思え無い。と、成ると……………うん。考えるのは辞めにしよう。
誰かを疑うのは良く無い事だ、勿論あまり良い事が浮かばなかったからでは無い。決して、誰かに尾行をさせてるや、何とは言わないが個人的な人権及び特定の人物についての何かを売り買いして居る仲間入りだからなんて、考えて居無い………………多分、大丈夫だよね。
………えっと、割り切ろう。無いんだ、絶対にそんな事。で、それは分かったけど、セバスチャンさんの用事は?
「私の用事は茶菓子などの準備、また勉強に必要な資料を出す事ですよ」セバスチャンさんの用事は素直に嬉しい。ですが、貴方、読心術を使いました?「いえいえ、その様な事は」ソウデスカ。「片言の言葉は思考するだけでも疲れますよ」…………はい。
もう、何か嫌。この家の鬼畜仕様のコレ。
何をどうしたら、こんな化け物みたいな事が出来るのか?もう聞く事すら恐ろしいよ。
身に染みる様に疲れが体に伸し掛かるが、何とか耐え「父さんもセバスチャンさんも有難うね。じゃあ」そう2人に礼を言うと、逃げる様で悪いが部屋を後にした。
部屋の外に出た瞬間、気休めながらも体が軽く成った辺り、本当に疲れてるんだろう。
そう思いながら、廊下に居る数人の人全員が何かしら舞川に関係して居る人なので、「こんにちは」と軽く挨拶をしてながら玄関に向かった。
一枚一枚丁寧に作られたフローリング式の床、しかもしっかりと掃除されて居るからか、少し走れば摩擦があまり生まれず、確実に滑り転ぶ事に成るだろう。
そんな廊下を歩く事10分程で、母さんが出迎えの準備をして居る玄関に辿り着いた。家の、しかも単純な廊下を真っ直ぐ移動時間に10分も要するとは、恐るべしだな。
多分、もっと僕にも知ら無い部屋とかが絶対に、と言うか物凄い数のがあるんだろうな。
そう思いつつ、笑顔で此方を向いた母さんに「一緒に出迎えするよ」と言うと、母さんの顔が笑顔から嬉しそうな微笑みに変わり「ふふ、ええ。一緒にやりましょうね」と言った。
それから暫くもし無い内に、世界が動き出した様に破天荒と言うか、嵐の様な出来事が始まった。
2人で軽く雑談をしようとした瞬間、多分だが姉さんが先頭なのだろう。ノックやインターホンの知らせが無く、建て付けもしっかりとされて居るからか音も無く、いきなりの事に驚きを感じさせながら、扉が開いた。
そして先ずは予想通りに凛々しくも美しい秋葉姉さんが見え、多少残念な気持ちが生まれる心を抑え、「おかえり」とただそれだけを言った。たったそれだけなのに、何故か倒れる様に近づいて来たと思ったら抱き締められた。
良い匂い、優しく包んでくれる様な女性独特の?かは分から無いが、そんな匂いと柔らかい感触が身体中に押し寄せて来た。
慣れた筈だったのだが、不意打ちには流石にかなわない。体、主に足元から顔に掛けて血が逆流したかの様に、顔が暑く成って行き、更に此処ぞとばかりに耳元で、わざとかは分からないが、『ハァハァ』と荒い吐息を掛けながら「ただいま、恋ちゃん」そう何か欲がある様な声で言い、抱き締める力も自然となのか、愛しい者を離すまいと結構な力に変わって居る。
だがしかし、それら1つ1つに構って的確に対処して居られる程、今の状況はゆっくりとした物では無い。
母さんが何時もの数倍のいきよいで、秋葉姉さんに文句を言いたそうだが此処は何とか抑え、一気に入り過ぎでしょ!としか思え無い生徒会メンバーの皆さん方を処理し始めた。
ああ、何時もは何故と思って居たが、今日ばかりはこの家全体が他の一般的な物寄りも大きくて良かった、そう思えたよ。
にしても、色々と驚かされるが、母さんは至って落ち着きながら「いらっしゃいませ、私は恋ちゃんの母親で舞川 春香と言います」と挨拶をした。
あれ?っと一瞬驚いてしまった僕は多分、悪く無い筈だ。だって、あの母さんがこんなまともとは違うけど、それでも幼い子供を紹介するレベルで自己紹介をしる何て、何だろう?明日は槍でも降ってくるのかな?
そう嬉しい誤算だ、と思って居た僕も確かに居ました。はい、で、本題は後半の様でした。
「今後とも『私の』恋ちゃんとは良き『友人関係』を保って下さい」と何かイントネーションと、強調されて居る部分に違和感を感じてしまうが、最早何も言うまい。
そうだ、コレは突っ込んだら負けなんだ。だから、今の僕の反応は正しいんだ。
そう自分に言い聞かせて居る矢先、やっぱり貴方は悪い意味で期待を裏切りませんよね。副会長さん。
何時も寄りも真剣そうな表情を作る副会長さん、それはまるで内に隠した思いを告白する、そんな表情をしながら母さんを見ると「今日は宜しくお願いします」そう、普段の『あの人』とは思え無い程に、普通の普通過ぎる挨拶をした!?
コレには母さんの反応寄りも驚かされてしまう。可笑しい、いや!可笑しくは無いんだけど可笑しい。人の大事な部分が無くなったみたいに可笑しい!
でも、何だろう。挨拶の前半が終わり、後半に行った瞬間に、と思ってしまう。
まぁそう考えられる内が1番良い時間なんですけどね。
最後、付け足す様に母さんの目をニッコリとした何て言うのかな、まるで幼馴染でしかも昔から知って居る、言わば近所に住む少し年上のお姉さんの様な、そんな自慢の彼女。自分以外では彼と合う人は居無い。そんな様な笑顔を作り「それから、恋ちゃんの彼女としても、これから宜しくお願いします。お母様」そう、重過ぎる爆弾を投下した。
ああ、何だろう。そろそろ反応をするのもバカバカしいよ。
それでも目に入って来る情報を、勝手なまでに処理するのが人間ですか。
副会長さんの言葉にか、もしくは秋葉姉さんの何かも含まれて居たのかな?真相は分から無いが、母さんの反応は一瞬だった、言葉ではそうとしか表せない程に一瞬だった。
「そう、舞川家は昔の仕来りで長男は母親と結婚するって言うのがあるの。だから、不本意に恋ちゃんに近づくとヤっちゃうから気を付けて下さいね」そんな母さんの冷血な声が響いた。アニメ何かだと、理解し直す為にもう一度見てしまう様な凍てついた言葉。
母さんと副会長さんの間に「「ふふふ」」そんな不敵な笑い声だけが痛く、そして静寂に響く。
しかも、本当にありそうで怖いんだけど、その仕来りって。
何かもうあり過ぎて、倒れそうです。それから好い加減放して靴を脱いで欲しいだけど、秋葉姉さんには。
まぁ、ただ後は飛鳥さんとサクラさんが「「今日は宜しくお願いします」」と、2人の清掃な感じにあった綺麗な挨拶をして、そろそろと言った感じの頃に、海斗が慣れた様に玄関に入り、取り敢えず皆には靴を脱いで貰い、母さんとは分かれて、あの部屋に向かった。
案内をする為、皆のと言っても模範行動として制服なのだが、その美術品の様な歩く姿を見れたいのが少し残念なのと、腕を抱き締めてくる秋葉姉さん、それから何か頑張った様な表情をして居る副会長さんに抱き締められ、その2人を見て遣る瀬無い感じの表情をして居るサクラさんや飛鳥さん、海斗の事をとても残念と思ってしまった。以外は何も無く、部屋へ迎えた。
勿論、言葉や表情の意義や意味、理由や内容については触れ無いのがポリシー?です。
部屋の前に着いた僕は、扉の取っ手に手を掛けて開け様とした瞬間、そう言えばと考えを張り巡らせた時には、もう時既に遅し、か。
脳から伝達された信号は止まる事無く、肉体の行動へと繋がり、動き出した手は止まる事無く扉を開けた。
そして無情なまでに、僕の思い描いて居た、秋葉姉さんの会長モードの元、テスト勉強をやれると思った幻想は、儚くも又世界の|もしも(IF)と言う、不確定な塵へと屠られた。
現実を教える様に、開いた扉から先ず最初に出迎えてくれたのは沢山の資料や机では無く、見事な執事の礼をした笑顔のセバスチャンさんでした。
はぁ、もう何か色々といや。
セバスチャンさんの存在は生徒会メンバーは知っては居たが、旅行ぶりなので特に副会長さんのテンションが上がり、また海斗は何処かで見た事のある様な程度なので、ほぼ初対面で多少驚いて居た。
もう大丈夫、だってあの色々あってからだから、5分程度、全然。
痩せ我慢の様にも捉えられる事を思いながら、部屋に入った僕達は長机が3つ程並び、各机に飛鳥さん、副会長さん、秋葉姉さんと言った形で学年に別れて座った。
手元には生徒会が用意したテストでの範囲表とテスト勉強様の範囲プリント、そして教科書に筆箱、あとはセバスチャンが用意してくれた英単語集や文法の読み方などの、基礎で役に立つ資料だ。
準備万全、もう始められる。その準備が出来たのを見計らい、立ち上がった秋葉姉さんが、全員が見やすい様に前に出て「では、これよりテスト勉強を行う。各自分からない事があれば、その都度人に聞く事。また、45分ごとに10分間の休憩を取り、最後には30分間の仮テストを行う。では各自、かか」れ?と、そう言い掛けた瞬間、閉まって居た筈の扉が行き良い良く開き、漫画の様な『ガッ!!』と言う音が響き渡る。が、それだけでは終わらない。いっその事、ポルターガイストの方が嬉しかったよ。
開いた扉から響いたのは「ふははははっ!そのテスト勉強、この主席で卒業した私が手伝おう!」聞き覚えがある声、そして見覚えのある姿、最後に「私もお願いね、お兄ちゃん」これまた見た事ある人ですか。好い加減、始めさせてよ。
僕の嘆きはまだまだ続きそうです。
溜め息混じりのそんな思考が僕を激しく苦しめる中、2人と言うか、天音姉さんと夏海が現れた事に寄り、内1人に対してかなり顔を歪めて居る秋葉姉さんが会長モードのまま、2人と言うか天音姉さんに話し出した。
「確かに、天音さんは我が学園でも有数な程の学力を持ち、そして卒業をしました。私もそんな人が手を貸してくれるのは誠に嬉しいです」秋葉姉さんらしからぬ毒を吐く様で、だが相手を認める語り。それはかなり異様な物に見えてしまうあたり、秋葉姉さんの中での会長モードが以下に偉大かどうかが、目に見える程に理解出来る。
まぁ、こんな中途半端で終わる程、秋葉姉さんが素直な訳が無いね。
理解仕切った考え方、一体何様かと自分でも思ってしまうが、実際秋葉姉さんは僕の思って居る通りに動き出した。
凛々しく歪み、また凛々しく勇ましく、正に百面相。でも次の顔は無だった。正確な表現をするのならば、相手の事がどうでも良い。そんな顔、それはまるで機械、人形の様な物かもしれない。
「ですが、幾ら実績がありOBとは言え、現段階では天音さんはただの一般人、我が学園には全く関わりの無い方です。ですので、その様な方にわざわざ学問の教えを、しかも生徒会として活動をして居る中、その様な事は出来ません。勿論、夏海は我が学園の生徒なので、テスト勉強をするのは一向に構いません。すいません、そしてわざわざ有難うございました」正論、理由は以外としっかりとした私情などは無い、立派な物。いや、私情は挟んでは居るか。ただ理由自体はまともだ。
一種の意見や考えた方、そう言った物としては、あっても良いと思う。
落ちた、そう判断したのか秋葉姉さんは何も言わずに席に座ろうとするが、天音姉さんから見えたのは悔しがる顔や悲しむ様な顔でも、困った様な顔では無い。
笑って居た。恐怖を感じる程に美しく、綺麗で、引き込まれ、り程に魅力される笑顔を。
そして、気が付いた。そう実感した時にはもう天音姉さんは喋り出して居た。
「そう、でも残念でした。私、これでもあの学園の理事長をやって居るの。あと、教員免許もあるし、それから卒業生として、血の繋がった子や後輩には良い点を取って貰いたいもの。ああ、それと一般協力は出来るだけ受けるのが生徒会の仕事でもあるのよ」全てを、いや。重力ごと変えられた様に、秋葉姉さんの理論全てを論破する様な、力と力を合わせた正論言われ、苦痛に歪み頭を抑える秋葉姉さん、そして対局的なまでに快楽じみた顔の天音姉さん。
芸術、そんなカテゴリーやジャンルに当て嵌まりそうな画、理解せずとも何か分かる、そんな目を引かれる様な光景が広がって居た。
最後、いや。天音姉さんの顔が極上なまでに歪み、微笑んだ瞬間、「だから、私が手伝ってあげるわ」そう終息を与える言葉がこの空間全体に響き渡り、そして天音姉さんと夏海がサクラさんの横に座り、秋葉姉さんが意は有るが疲れた様な成りながら、漸くテスト勉強が始まった。




