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僕に恋する人  作者: 音夢
第2章 疲れが募り募らる、僕の日常
43/67

2ー10

「「いいよ(いいわよ)」」と目の前に映る美と付く分類にされるだろう男女の重なった声。

その声に多少驚きを感じながらも、2人の協力的な回答に嬉しさを感じながら、確認の為にもう一度聞く事にした。


「えっと、そんな即決で決めたけど、本当にいいの?」

僕の問いは至って普通の事なのだが、この2人からすればそれはとても可笑しな事らしい。


2人の顔が優しくも、何かを秘めた様な微笑みに成り、「親は子供に迷惑を掛けられたいんだよ、特に恋達みたいにとても良い子だと、特にね」まるで何処かの本にでも載っている模範回答の様な答え、だが父さんは実際そう思って居るのだろう。良い人で、良い親だから。

母さんもまた「私も、私から恋ちゃんにお願いする事が多いから、恋ちゃんに頼まれて嬉しいのよ」と言う。

良い人程早く死ぬって言うが、この人達は何か死にそうにないな。まぁ、護れるなら僕が絶対に護れるけど。


一瞬でこの話の起承転結が終わり、夕食を食べ終わった僕は部屋に戻った。

いつも通り孤独に塗れた殺風景で、静寂が支配している部屋。灯りは消して居たがカーテンは開けたままだった様で、外から月明かりが儚げに部屋を照らした。

幻想的な空間、ポツンとその一言だけが頭に浮かぶ。


海の様に深く、なのに足が地を着き、そして溺れる。

正に幻想、何か深い衝動と衝撃に呑まれた様だ。痛く狂わしく、この世界に泥酔させられる。


そんな中、僕はゆっくりと足をある本まで運ばせ、辿り着き掴んだ本を月明かりで読む事にした。

長く、こんな世界が続いて欲しかったから。


手に取ったハードカバーの本、厚さも重さも何れを見ても何処にでもある様な本、タイトルや内容でさえもただ精神論と感情論を書き綴った、理解しても何ら役には立た無いであろう物。だが、そんな本に僕は恋い焦がれる様に引かれて居た。


何故だろうか?書いてる内容など僕には全く持ってガッチしない筈なのに、いや。ただこの方を見て、誰か。名も知らない誰かに成り済ます事に寄って、自分と言う不確かな誰かを肯定したかったのかもしれない。

自分の事なのに、自分が1番よく分からない。それは何ら不思議でも無ければ、異常な事でも無い。人間とは大抵が自分が正しいと考えるか、周りに居る誰かが正しいと考える。その為、自分の不手際などは理解したく無いし、理解する事も無い。

だから、所詮人間は1人では絶対強者にも成れず、また孤独なのに強がってしまう。


考え付く言葉は発しなければ意味が無い。考えるだけなら、子供にすらも出来る。

そう考えるかだけなら、だから人間は『所詮』と表されてしまう。


綺麗なまでに本とは正反対な考え方だが、こう言った思考も決して間違いでは無い。

なら、先ずは取り敢えず読んで、思考でも張り巡らせるとしますか。


詩織が挟まれたページを指でなぞる様に開き、そして身を落とす様に本の世界に入る。

最初の数行の文、それを幾度か読むに連れてゆっくりとだが、着実に真っ白な世界の中、文字だけが浮かんで来る。



『自分と他人』

第2章序説/理由


理由、人間とは『何か』してしまった時、善悪大小関係無しに絶対的なまでに自分が正しい、正当化、肯定をする。

もしもそれが絶対服従の殺人ゲームやサバイバルゲーム、あり得ないとされて居た事が起こった場合、この正当化や肯定しか出来無い人は二つの人種に別れる。

1つは己が生きる為に他者の犠牲を厭わ無い、言わば適応したが犯罪を犯罪と知りながら犯す、俗に言う初めに死ぬ雑魚に成り得る。

逆に他者を助け、又、幾ら人が死んでも悪と決め付けた者が全ての元凶として行動する、適応性が皆無で尚且つ生き延びる確率寄りも、他者に殺される頻度が高い者。


最後、この序説でも言って居る理由と言う言葉、それは自分でも他人でも誰でも良い。ただ、生きる為に邪魔な者を始末する、理由などは後付けするぐらいなまでに適応する、そう言った者が世界を生き、理由が前者とは違う意味での『生き残る為』に成る。


殺戮を楽しむ、それを一種の快楽へと認識をズラす。

例えば、殆どの人は勉強が嫌いと認識されて居る。が、稀に勉強が好き。と言う世間一般的に考え、子供らしからぬ子供が居る。

その両者に有る認識、そして理解や理由は大きく違うだろう。


勉強を苦と考えた場合、『どうせ』と言う諦めが生まれ、将来やりたい事を夢としか考え無くなる。

が、逆に勉強が好きな者は大抵、無自覚ながらも将来の想像、また勉強やその他必要な事を覚えれば未来的に自分に役立つ。と、現代社会に適応されて居る。

理由は親が、家庭が、などの個に家の問題によるが、それは言い訳にしか過ぎ無い。


自分が、自分自身で、周りを凌駕する為、明確な意思を持てば誰にでも出来る可能性が少なからず、作られる。


勉強だけでは無く、全てのそう言った事に言われるが、理由や認識をしっかりとすれば、人間は自ずと進化していく。



復唱、頭の中で、口に出して繰り返す事に寄り、深く頭に残る。

読み終わってから10分ぐらいが経ったのだろうか?ただ読み、ただ復唱を繰り返していたからか頭の中が、ぼんやりと歪む様に揺れる。

霞む、と言うか何かに満たされて居ると言うのかな?足りない物が入った感じ。


身体中の筋肉が緩む様に脱力感に襲われ、体が自然と眠たく、とても素の自分である現実感に溢れ、他人を嫌い、消極的で、周りに興味が無く、自分すら見透かした様に他人目線でしか見れ無い自分に。

ただ、スイッチを一気に入れてしまった。

もう今日は戻れ無いだろうな。



殺風景で何も無い部屋、再認識する意味も無い様な部屋だが、改めて認識し直すと『年頃』の、しかも『高校2年生』の部屋では無いな。まぁ、それが生きて行く事に対して害などは無いのだから、どうでもいいか。


何も無く暗い部屋だが、月明かりの幻想的な空間が美しい。

だから、そろそろ寝るとしよう。


本をいつもの定位置にしまい、ぼんやりとした視界だがしっかりと歩き、部屋を出た。

廊下にはリラックス効果のある薄いピンクのライトが灯され、また場所に寄っては暗がりを作り、月光を桜の様な模様にして居る。何時の間にか変わって居たなど、よくある事だ。特にこの家では。


割り切った答えを思考した所で、階段を降り、洗面所に着いたので普通に歯を磨き始めた。

影を落として居たからか、何時もなら母さん辺りが来そうだが来ず、何も無しな平和な一瞬だった。


そうして洗面所を出て部屋に帰ろうとした時、この家の中でまだ比較的、常識人であろう父さんが此方を見て居る。

しかも近付いて来てる所を見るに、何か話があるのだろう。


寝たいので逃げると言う選択しが無いわけでは無い。が、わざわざそんな事をしてまで、眠りたい訳では無い。

覚悟を決めた訳で、近付いて来る父さんとも目が会い、そして「なぁ恋、少し僕と外で話さ無いかい?」と話し掛けて来る姿すらイケメン、立ち振る舞いから何から何まで違い過ぎる、ここまで来ると最早清々しい程だ。


そして「いいよ」と返事をし、父さんと一緒に庭に出る事にした。



大きく優美な日本庭園の中、吹き抜けるそよ風が心地良く、色彩を表す花が月の光に寄って美しく、また華やかさを生み出す。

和、日本人がマメで尚且つ周りからの目を気にし、風情を求める人種だからこそ作り出された和、これは外国人にも受けが良かったのだろう。


まぁ、そもそも日本と言う国自体、戦国時代の時は海外からすれば隣国と言う寄りも、多少技術は劣るが絡繰りなどの面白い発想を持った島国、と言う印象で記憶され、また各分野で見れば技術や知識などで開国するには十分な国とされていたらしい。

詳しい話は知ら無いけど。


そんな日本の良き歴史が受け継がれた現代の中、父さんはあまり他人には見せ無い笑顔を作りながら、優しく話し掛けて来た。

「恋、ここ最近の学校生活はどうだい?何かトラブルなどに巻き込まれて居たりすれば、話してくれ」と冷め切った今の状態じゃ無ければ、男ですら魅了してくれそうな言葉、でも優し過ぎる。


だから、だからこそ優しい人には優しく接する。「何も無いよ、父さん。でも、ありがとう。心配してくれて」そう冷えた心でも当たり前の様に、答えて居た。嘘偽りの無い言葉を。


それは父さんの心を満たし、同時に多少悲しくさせた様だ。「そう、それは良かった。だが、何か有ったら僕に言うんだよ。僕が絶対に、絶対にどんな敵からも、どんな理不尽からも、例えそれが僕に取って不な事でも、恋だけは守り抜くから」この人は良い人過ぎるよ。

だから、我が儘などは出さ無い。それがせめてもの恩返しに繋がるからね。



5分程度の話しだったが、多少立って居るのが辛く成って来た。そして本格的に眠い、と言うか倒れそうだ。

ゆっくりと身体全体を引き摺る様にしながら、二階に上がり自室の部屋に一直線に入ろうとしま瞬間、目に入って来た光景、それは最早見慣れたと言うべきか、飽きれたと言うべきか、将又『てんどん』と言うお笑い用語で片付けるべきか、一瞬悩まされたが、もう答えは決まってしまった。


溜め息を零したいが、抑え「一緒に寝よっか、秋葉姉さん」と早く寝たいからか、直球でそう言い、嬉しそうな大人なパジャマ姿の秋葉姉さんを有無を聞かずにベッドの上に倒し、かなりドキドキして居るのを裏切る様で悪いが、一緒にベッドの布団に入り、女性独特の柔らかさと良い匂いを味わいながら、抱き枕に成って貰い眠りに着いた。


勿論、朝起きると秋葉姉さんは頬を赤くしたまま起きて居り、記憶が飛んだ僕は暫く呆然として居たのは言うまでも無く、また秋葉姉さんから「今度はちゃんとやってね」と言われ、理解するの寄りも諦めが早かったのは通達する意味すら無い。




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