0ー4
色々と長い様な、短い様なそんな感じが頭の中に何と無く浮かぶが、取り敢えずやっと4時間目まで終わった。はぁ、そんな溜め息を心の中で吐きながらも、まだ授業がある上に次は普通の学生ならばある種待ちに待った昼食、もといこの学校では休み時間兼なので1時間ある。
そしてその時間を知らせるのは全校生徒が授業関係無く自分達の教室に入り、座った時に鳴り響く鐘が合図。因みに言うと僕達のクラスは音楽室からもう教室に戻っているで、あとは鐘が鳴るのを待つだけ。
実際、この時間は何時もならうっとおしい程に僕の周りに居る女の子は居なく、男子も学食や食堂で売っている人気のパンや飲み物などを買いたいと言う人が多いからだろうか?そちらに気が向いているおかげで、男子からはあまり殺気が飛んで来ない。何方かと言うと、クズ=見たくもない。だから男子にすれば僕よりも下に物がなく、昼食は僕よりも上の扱い何だろう。もちろん女の子からはかなり色恋だと思わせる様な視線と言うか、気が飛んで来るがまぁ無視出来るのでいい。
すると、いや。結構まともな理由で男子の目が見開き、以下にどれだけ早く立つか?そんな事を考えているであろう、座った状態で体を少し前のめりにさせて、腰をギリギリまで浮かしたそんな体制を取り始めて行く。旗から見ればただの面白い姿だが、本人達は至って真剣なのがまた妙に面白い。
まぁ、そんな体制をした所で前に出るのは早く成るだろうけど、立ち上がるのには全く持って使えないだろうに。だが本人達が良いのなるば何も言うまい。と言うか言った所で誰も僕の話し何て『聞く耳を持たない』となるだけだし。
因みに言えば、男子達がこの姿になって準備したと言う事は、チャイムが鳴るまで残り30秒ぐらいの合図なのだが、何故に30秒ぐらいなのが正確に分かるのか、聞いてみたいものだ。
そしてよくよく考えると、この学校は結構頭の良い方の学校なのに何でこんなバカみたいな感じになっているんだ、とも思うが何か先生達曰く『いや、幾ら学力が良くても少しぐらいバカやってないと気が持たないでしょ。だから、男子生徒達に取って学食や人気メニューを勝ち取る為の、何かしらの欲望があり、それに向かって全力疾走するのは教育上は良くなくても、人間的にはよろしいのよ。それを分かった上で辞めさせないらしいわ』との事だそうだが、全力疾走をしたら危ないのには変わり無いだろうに。
しかも、わざわざ廊下を走らない様に注意書きまでしているのにねぇ。
でも、男子が走っている時間を考えると、学食に近づくのは男子だけだから安心しろとも言われたが、まぁこれは僕が何時も巻き込まれていたら、それ相応なりの対象をするだろうがまだそう言った事はな『キーン コーン カーン コーン』すると、そんなと言うかレトロと言うか何と言うか、懐かしい感じのチャイムが教室から全校舎へと響き渡り、ある種のスタートが切られた。
それにしても、よく話の途中で入って来るのは僕への当て付けか?
頭で理解する寄りも目で見た景色だけが僕には理解しやすかった。
一斉にあの体制から無理やりと言う感じに立ち上がる男子、そして一目散に廊下に飛び出すと最速ルート?各教室と学食がある場所との距離から導き出されるルートの事らしい。確か食堂は食堂で確か体育館の横にあるんだっけ?あまりと言うべきなのかは分からないけど、まだ1回しか言った事が無いから覚えてないんだよね。
で、まぁこのクラスは僕を除く男子全員が学食に向かって行った訳だが、それじゃあ僕もお昼食べなきゃ、か。何かしらやっぱり憂鬱に。
そう心の中で吐き溜める様に思うと、カバンを取り出しまるで今から帰るかの様に、机の中にある筆記用具と教科書をカバンに入れて、そのカバンを持って廊下に歩き出そうとした瞬間、ある人が話し掛けて来た。
「おや?恋は今日もカバンを持って昼食を食べるのかい?」何時も見ていて、何時も一緒に昼食を食して居る様な、そんな言葉で僕に話し掛けて来たのは美男子系美少女君の海斗だった。
海斗と話すのは今朝方振り?と言うのかな?朝話してから今までは話しては居ない。コレが朝言った話し掛けて来る時間と来ない時間なんだが、正直どう言う感じで配列されているのかは全く予測不能。まぁ覚え様として覚えられるんだったら、何でも記憶していられるだろうに。
「どうしたんだい、恋?今朝同様に上の空と言った感じだが?」海斗はそう心配しながら僕に近づいて来ると、ワザワザ自然な感じで手を握ろうとして来るのが分かったけど、分かったからと言って何をする訳ではない。いや、ただその何かをして皆が傷付くのなら、僕は何もしない。ネガティブ思考ともリアリストとも思える様な感じだけど、取り敢えずは事流れ主義なんだろう。
手には見た目通りと言うか、柔らかいそんな感触が伝わって来て、ふんわりとだが少し良い匂いが僕を包み込む。と言うか、何か健全な男子なら少しは反応するのだろうか?僕からすれば色々なのが有り過ぎて意識するだけ馬鹿と思う様になった?した?そんな感じが正しいか。
すると握って来た海斗は、あまりにも僕が素直に手を握られた事が嬉しかったのか?それとも逆に自分の行動が上手く行った事への喜びなのか?何方かは分からない。でも、確実に透き通る様なその目で僕を見ながら、ゆっくりと愛しむ様に手を握る力が強くなっていき、そして「それじゃあ、そろそろ行くとしようか」和えて何処にとは言わず、その言葉だけで理解出来る。
それは彼氏彼女の様な関係にも似ていると思うが、何方かがもう一方の事をしっかりとしている。そんな関係でも事足りる事なのかもしれない。
そうして海斗は僕の手を引きながら歩き出すと、僕も無意識に合わせる様に歩き出して居た。
体は多少なりとも重いが、まだ壊れてはいないと思う、いや思いたいが正しいか。実際精神はもうあらかた壊れているんだろうが、まだ何とか生きて居る。でも、何の克ても無く生きて居る僕。それは生きて居るの?死んで居るの?
正しい答えなどは求めないが、ただ唯一理解出来る事。
僕は生きて居たい、でも皆が苦しむのなら死んでもいい、壊れてもいい、でも普通で有りたい。そんな言葉が浮かび、僕の事を鬱病とも思わせる。
歩いていた時間は5分程だが、その間 海斗は手を強く握りしめたり、逆に弱く握りしめたりと僕の手で遊ぶだけで何か話して来る事は無く、僕から話し掛けて雰囲気を取り繕う様な感じも無いので黙っていた。
そのせいか、体に何か特別な感覚は何時もあるがコレと言って何かある訳では無く、今僕は凄く見慣れた教室の扉の前に立っている。皮肉としてもっと言うならば、週に5回のペースでほぼ毎日見ている、そんな教室。別に何時もみたいに溜め息が出る訳でも、憂鬱になるのはまぁ自分次第。ただやっぱり居たくないみたいな感じ、反射的な物と感情があるのはデフォルトと言う事で。
普通なら、普通だったらそんな感情も抱かなければ、そんな反応もしないのだろうか?ただ僕はこの教室で、この外から鍵を掛ける為のマスターキーが無い部屋の中で鍵を掛けられて、みんなと昼食を食べるだけ。ただ昼食を食べるだけの筈。
そう何度も形だけを固めた様な答えを復唱をして、心を落ち着かせて居たいが、現実問題そうも言って居られないのが事実。
手を握って居る海斗の指が一瞬にして僕の指と絡まり、より密着されたまるで引き合わせる様に綺麗な恋人繋ぎが完成すると、海斗の頬が恥ずかしい気持ちで真っ赤に染まるのとは違う、そう薄紅色に染め上げながら溶けて居る?何かにやられて居る?そんな笑顔を浮かべて「では、入るとしようか恋♡」無駄なまでの吐息を込めた言葉、そして最後はイヤラシイ感じで僕の名前を呼び、僕を誘う。
ここで男なら誰でも落ちてしまいそう、全ての男子の理想女子。それが1番似合い、僕には全く当てはまらなければ僕なんかに向けられる筈の無い、そんな矛盾感だけを感じさせる。
だが、進んで行く時の中に待つや止まるなどの言葉は例外無く存在しない。
海斗の僕と手を握って居る逆の手で扉の取っ手に手を伸ばし、取っ手を掴むと扉を開いて行く。それだけの動作を見ているだけなのに、永遠に進み止まらない時間がとても長く感じた。
……………………夏海……………………
教室の中、大きさは机1つに対して周りを何か感じる事の無く進める距離、それを約30個ほどのスペースがある言わばただの普通な教室の中、名前を覚えてもいない同級生達が授業中なのにも関わらず、まるで休み時間かの様に、いや実際『自分が以下に楽しいか』それしか考えていないのだろう。
だが、そんな騒がしく五月蝿い声と行動、存在が私を妙に苛立たせ『自分で見つけて学ぶ為の自習に』と言って、完全に職場放棄をした先生が気持ち悪い程に嫌に感じさせてしまい、逆ギレだがこの騒がしい奴らには自習と言う言葉を辞書で調べ、復習して欲しい。
と言うか、自習など読んで字の如く、自分で学ぶ、自分で学習する時間だ。ならせめて話しながらでも漢字の書き取り、ううん。正しく言うなら話何かしないでしっかりと自習をしろ。
因みに私は恋お兄ちゃんの妹の舞川 夏海です。
まぁお兄ちゃんに褒めてもらう為に、お兄ちゃんに教えて貰った勉強と今やって居る勉強をしっかりと復習、予習しながら心の中で何処の誰とも分からない人に自己紹介をしたけれども、何かする意味があったのかな?まぁ、何もする意味が無ければやらない筈だけど、生憎今の私はこの特に男子が騒がしく教室のせいで苛立っている上に、早くお昼になって恋お兄ちゃんに会いたいと言うのに対して、こんな恋お兄ちゃんの何億分の1の価値にも満たない男子と同じ教室に居ないといけないのか?と考えると、吐き気から現実逃避まで何でも感じるくらいよ。
それに知り合いと言うかよく話をする女の子も他の子と一緒に恋お兄ちゃんの、何と言うか変な似非トークで盛り上がっているし、本当恋お兄ちゃんが此処に居ればそれだけで幸せに成れるのに。
それに来年に成っても恋お兄ちゃんとはまた入れ違いで別の校舎だし、少し寂しいな。別に同じ校舎じゃなくても会いに行こうと思えば準備時間にも行けるけど、あんまりしつこいとお兄ちゃんの迷惑に成っちゃうし。
昔はただ好きだったから何でも甘えられた。でも今は違う、私は恋お兄ちゃんが望む私で居たくて、でも私は恋お兄ちゃんにもっと甘えたいしもっとくっ付きたい。だから、お兄ちゃんが私を見てくれる様な、私だけを見てくれるそんなお兄ちゃんに見合った素敵な私に成ればいい。
私の中に居る恋お兄ちゃん、それはそこに居るのが当たり前で何時でも甘えられて、優しく包み込んでくれる、言わば憧れの王子様や写真とかでしか見れない、世界が違う人。それ以外にも色んな言葉でお兄ちゃんに近い事は言えるだろう。
それでも、恋お兄ちゃん自信を表すのには言葉何かは必要ないら、ただお兄ちゃんだから、舞川 恋と言う存在であの人だから私は、恋お兄ちゃんの周りに居る女の人はお兄ちゃんに恋をする。
海斗さんと秋葉お姉ちゃん、あとお母さんが羨ましい。人前で恥ずかしもせず惜しげもなく恋お兄ちゃんに抱きついたり、お兄ちゃんと同じクラスだし、大人の魅力でお兄ちゃんを誘惑出来るし、早く私も大人になってお兄ちゃんに近づきたいな。
頭の中を全てお兄ちゃんだらけに、それは女の子なら誰でも憧れやる行動であり、私みたいにお兄ちゃんのプライベートに関してはやる人は大体が妄想、私はお兄ちゃんの部屋から匂い、全てを知っている。その為、頭で考えただけの妄想でも強烈な威力があって、私の理性に『ほしい』と語り掛けてくる。
お兄ちゃんを考えているだけで込み上げて来る気持ちを、早く本物のお兄ちゃんに会いたいと言う気持ちを、私はただ待った。
そして教室の前にあるスピーカーから休み時間だと知らせるチャイムが鳴った瞬間、今までウザいぐらいに騒がしかった教室内は更に騒がしくなり、それにはウザいみたいな罵倒を超えて体が受け付けない。鳥肌が立ち、体を一瞬硬直させる。
そんな中でも、私は直ぐに立ち上がると誰に構う事無くカバンを持って、私は廊下に出て走り出した。
ただお兄ちゃんが来る場所に、早くお兄ちゃんに会いたいから。
………………………恋………………………
確か秋葉姉さんが風紀委員の権限で借りて居る部屋、大きさは少し大きな小部屋程度と言うのかな?大人8人が入れるぐらいの部屋で、畳にすると5畳程。
小さくフリー教室だらか僕達以外に誰かが入る事は無く、秋葉姉さんが掃除+管理もとい借りて居るらしいが、深いところはあまり知らない。
そんな部屋で僕は真ん中から少しズレた場所に胡座で座り、その上にはまるでベットで寝ているかの様な、落ち着いて安心していると思わせる笑顔を浮かべながら夏海が僕に寄りかかって居る。僕が座ると少し小さくも感じるが、それを更に加速させ、何かしら僕の憂鬱も加速させて行く。
両脇には海斗と秋葉姉さんが居て、ゆったりとした感じで僕に体を預けて居て、何と言うか女の子独特の良い匂いが全身を包み込んでいるのが分かる。そして目の前には周りの美少女と合わさる事に寄って更に美味しく、言わずとも美味しいであろう料理が詰まった弁当箱が3つある。男ならば誰しもが憧れる、美少女ハーレムとその美少女が作った美味しい弁当。そんな普通なら嬉しい出来事ですら、僕からすればもうこの状態だけで、この空間だけで疲れるよ。
本当、僕はどうしたんだろうか?まだまだこの時間は長いと言うのに。
誤字脱字などがありましたら、ご報告をお願いします。それと何か思った事、何かしらこう言うストーリーにして欲しい、みたいな意見も気兼ね無く書いてください。
では、次回も来週の月曜日に投稿です。