2ー5
生徒会室、他校に比べたら一学校の機間が与えられるのには大き目の部屋だが、流石に5人の生徒会メンバー、それと1人の女生徒。計6人もの人が入り、尚且つ密集すれば多少狭くも感じる。
そんな部屋の中、その1人の女生徒と僕を除いた4人の目が驚きを隠せない様に見開き、そして睨む女生徒、何か思い込められた様に僕にも来た。
ただ今の彼女達に取って、今事の重大差的にはもう一方の彼女の方が大事らしい。
それにしても花を愛でるのに花言葉は要らないと言うが、此処まで綺麗だと花言葉を幾つ飾っても表せ無い、言葉で表すのならば綺麗。ただそれだけで良いな。無理に語れば、その方が彼女達を愚弄してしまう。だが、語ってしまう、コレが魔性と言う奴か。
まぁ、これだと花を愛でると言うよりは、花言葉すら要らない程に魅了されて居るだけかな。虚しい様な嬉しい様な、いや。寧ろ泣くべきか。こんな波瀾万丈な彼女達に少しでも魅了された事に。
何か心の中がモヤモヤとしているが、幾ら考えてもコレの正体は分かりそうに無い。というか、分かったら分かったらでまた悲しく成りそうだから、このままで放置しましょう。
ゆっくりと決断を決めた所で、周りを見てみると一触即発。今にも爆発しそうな雰囲気だけが漂って居た。そんな中、やっぱり1番最初に話し出したのはサクラさんだった。
不思議な様だが、以外とサクラさんはやる時はやるって言うのが此処最近、今朝の会議で分かった。と言うか、これもあまり知りたくは無かった。色々と考える所はあるが、先ずはサクラさんの話でも聞くか。
何時ものほんわかとした優しくおっとりとした雰囲気は無くなり、ただ海斗に一点だけ視線を集め見下す様に、蔑む様に、そして恨む様に見つめた。生半可な人では気絶してしまいそうな程に強いそれだが、僕との鍛錬で慣れたのか睨み返す様に海斗とサクラさんの視線が重なり合い、サクラさんの口が重く開いた。
「何で、生徒会でのテスト勉強なのに、一生徒である彼方が恋くんと同じクラスで、親戚だからって言う理由だけで入るのかな?」重い、ただただ重く伸し掛かる様に出て来た言葉。風が起きる筈も無いのに、サクラさんの金色の髪は切れる様に高く舞い上がり、また美しさを演出した。
ゆらゆらと空気が揺れ、本当の殺し合いや殺気何かを浴び続けた様な感情に表し切れ無い感情が、直感的に体が揺らぐ様に呑まれる。
更に追い討ちを掛ける様に秋葉姉さんの疲れが溜まって居ると言うか、溜まった物が出た様な溜め息が妙に男心を擽り、そしてこの空間を支配した。
僕の腕から手を絡める様に密着させて行き、秋葉姉さんの制服越しからでも伝わって来る柔らかさが生々しく、また僕の複雑な気持ちを察して居るかの様にもう一つの手が僕の頭を優しく、でも愛おしみ離さ無い様に撫でた。
素直に受け入れた僕に秋葉姉さんは満足なのか、全てを包み込む様な微笑む。難しく言えばギリシア神話のアフロディーテの様な美と愛、守るための戦いを司る最高の女神だ。日本語らしく言えば母親の様なずっと味方で居てくれて、誰よりも自分の事を理解してくれる人。
ならば、何方とも同じ様であって全く違う。でも何方の表現でも伝わる、日本語は不思議だ。それが良い所で悪い所でもある。そんな感じでも、女と母は怒ったら何方も怖いか。
僕の腕を強く抱き締めながら、周り全体を見て口を開いた。「私は別に彼方が一緒にテストに取り組むのは良いわ。元々生徒の模範として行う物だもの。何処の誰とも知らない人が入って来るのと比べたら、まだ恋ちゃんの『ただの』クラスメイトの方が、恋ちゃんの為にも良いもの。あ、でも。もしも恋ちゃんの迷惑に成る様だったら、私が全力で潰すから気を付けてね」思いっきり『ただの』を強調して発された言葉だが、流石は海斗。勝ち負けにはとことん拘るね。
「僕が恋に迷惑を掛ける?はっ、被害妄想の様な根の葉も無い様な事を言わないで下さいよ。冗談やアメリカンジョークなら質も質も最悪ですから。それに僕が恋に迷惑を掛ける筈が無い、いや。それどころか僕の世界は恋を中心として動いて居る。つまり、僕は自ら神を汚す気は無い。恋に汚されるのなら多いに構わないが。で、分かりましたか?恋とは結婚出来無い生徒会長さん」声が突き刺さる刃物の様に、鋭く空気中を切り裂く。
そして話の流れ的に海斗がテスト勉強に加わる事は確定した訳だが、他のメンバーの顔色は悪い。全体的に空気が悪く成り、少し居ずらい感情にだが、多分出て行っても僕の居場所などは無いのだろう。
まるで哲学者が理論や過程などを飛ばして結果だけを求めた結果論の様だが、もうこの状況から悪く成る事は無いだろう。口論が起きるかどうかは別としても、最悪の自体には成ら無い。成る筈がと言うべきか、成り得る要素があまり無い。極論とも違うが、まぁ価値観の世界で人が人に合わせて居るんだ。だったら、常識は常に自分の考えと成る。そう考えたら、自分と周りを何方を大切にするか出て来るのだが、どう考えても僕は他人、僕が助けたい人だけを助けるな。例え、その先が奈落の底や生きる事すら辞めなければいけなくとも。
いまだに秋葉姉さんが抱き締めて居る腕に自由は戻りそうはない。
そう判断した僕は正にサバイバルの考え方だな。美味しい不味いの問題では無く、腹を満たし、栄養素の有る物を食べる。
その考えの元、もう一方の手で箸を握り、先ほど寄りも数段美味しいとは言えなく成った弁当を食べた。
色々と体以外の主に精神的な面にダメージを負ったが、まぁ大丈夫……な筈だし、午後の授業に向かう為に海斗と一緒に生徒会室を後にした。
予鈴が鳴り響く廊下の中、何時もとは違い生徒会室から教室に1番違いルートを通り歩く。周りには急ぐ様に駆け足の生徒が居るが、そんな生徒が居ても関係無く海斗の体が僕の体に密着して居る。理由は、と聞かれれば言うまでも無い。と言う感じなまでにこの行動が日常化されて来たが、普通は可笑しい。いやまぁ、普通と言うか、世間一般的な常識には適用されない。
だが、誰かがそんな無粋な事を海斗に言える筈も無く、ただ廊下を歩いた。
するともう直ぐで教室と言う所で海斗の足が止まり、釣られる様に必然的に僕の足も止まった。僕は海斗の方を見るが、海斗の目線はやや下を向いて居る。一体何があった?その問いは僕がしたいぐらいだが、何かがあったのは事実だろう。
ただし、それが出て来るとは限らない。寧ろ出ない方が多い。生徒会室での事が大きいが、だからと言って彼処まで言って置いてこうは成ら無い。
幾ら考えても答えは蜜らから無い。が、そんな中、ゆっくりと海斗の口が開き、一言だけ語った。
「恋、ありがとう。僕をテスト勉強に誘ってくれて」呟く様な一言、それで周りから聞こえる生徒の雑音すら打ち消す綺麗な声。
たったそれだけ、とも思うが多分秋葉姉さんの言葉が効いたんだろう。
ああ、やっぱり嫌な立ち回りが多い。守りたいけど護りたく無い。正反対過ぎる。だから、自分を捨ててしまう。
「当たり前でしょ、だって海斗何だから」深い意味なんて無い。ただそれだけを言って、また教室に向かって歩き出した。
………………………海斗………………………
生徒会室を出た僕は横に居る恋の腕を抱き締め、全てを任せて居た。
それには何か意味が有るのだろうか?分からない、自分の感情が分からない。恋が好きで愛して居る。なのに、あの生徒会長の言葉を聞いた瞬間、私は負けてしまった。戦う前から負けた。
私らしくも無い。だが、こんな私が恋の近くに居る事寄りも女らしく、優しい生徒会長の様な人の方が恋の為にも成るんじゃ無いか。
分からない、自分で言っている事が正しいと思っている。その筈なのに、心が、海斗と言う私自身が拒絶して居る。
何故だ、私は恋の為に生きて、恋の為に立ち塞がる物を排除する。全ては私の自己満足であって、そのせいで恋が傷付く事は許さない。
そう私は目標を掲げて居る、その筈なのに私は恋の迷惑に成るかも知れたい。それでも恋と永遠に一緒に居たい。何なんだ、この気持ちは。
気が付くと私の足は止まり、恋の足も止まって居た。
今のこの気持ちで何を喋って良いかなんて分からない。だったら、恋の反応を待てば良い。適当に、だが全力の言葉を恋に言えば、大丈夫だ。
頭から煙が立ちそうだ、でも思いは伝えなければ届か無い。そう私は知っている。
ゆっくりと私は「恋、ありがとう。僕をテスト勉強に誘ってくれて」と言った。恥ずかしい、柄にも無い程に緊張した声、震え小さく不安定な声。全く、こんなだから私はあの生徒会長にも負けるのだな。
疑心暗鬼、何時の間にか私は恋への愛すらも疑って居た。本当、こんな私では恋とは釣り合わない。
そう思い、再び足を動かそうとした瞬間、「当たり前でしょ、だって海斗何だから」そんな恋の声が聞こえた。
ああ、コレだから恋には敵わないな。
私が1番欲しい時に欲しい言葉をぶつけてくれる。認めてくれた、ただそれだけが私に取っては嬉しい。
だから、恋。もう一度誓わせてもらおう。私は恋の為にこの身を捧げる。そして恋の為にも私はあの生徒会長に絶対に勝つ。
そして又、私達は歩き出した。未来、そして教室に向かって。
………………………恋………………………
午後の授業は近づいて来たテストの為のこんな的なテスト勉強方、そして苦手科目を重点的にやる為の図書室での自習と成り、大まかなポイントだけはやって置いた。
そして午後の授業は睡魔が激しく襲って来たが、そんな魔物を打ち破り、午後の授業を終えた僕は生徒会室に向かおうと思ったが、窓の外に居るある背広、あー執事服を着たダンディズム溢れるセバスチャンさん、それと明らかに他校の生徒を見た瞬間、そこに向かって足は動き出してしまった。
はぁ、あれは何て言うカオス、混沌ですか?誰か教えてください。はぁぁ




