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僕に恋する人  作者: 音夢
第2章 疲れが募り募らる、僕の日常
36/67

2ー3

机の上に置いた新聞が妙に色褪せて見えて来る今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか? 因みに僕の今の感情、それは最低、最悪を突っ切ってもう無関心。どうでも良く成りました。

好きの反対は無関心、よく言った言葉ですよ。ですが無関心で居られ無いのが世間、言わば周りでしょうか。


溜め息が出そうな気持ちを吹き飛ばす様に生徒会長様である秋葉姉さん、その持って居る新聞ごとプルプルと腕を揺らし、気持ちがどの様な方向に、とは言わないが高まり、そして火山が噴火するかの如く溢れ出した。

「な、何で私以外のみんなが恋ちゃんについての記事を書いてるの!!」怒りの篭った魂の叫びが、生徒会室に木霊した。当然、みんなもその叫びには気付く訳で。更にゴチャゴチャに…………マジで辞め……………あれ?今、私以外の『みんな』って言った。え、何あのクールな飛鳥さんも、温和で優しいサクラさんまでもがやってたの?ちょっと、頭が痛いです。


「ん、そんにゃの皆当たり前の様にやるに決まってるにゃぁ。その為の新聞を作る時の事前アンケート報告を定めて居るんだにゃぁ」何時も以上に秋葉姉さんを騙せたからか、ご機嫌な副生徒会長さんだが、最後のは初耳何だけど。てか、この学校要所要所で内部に固め過ぎてるから、1つ分からないと色々と蚊帳の外に成っちゃうんだけど。

愚痴が零れ、更に頭痛がして来た所で、続く様に「じゃあ、何で九条先生まで書いてるんですか!!貴方は先生ですよ!先生が個に絞られた生徒を、個人的なまでに依怙贔屓の様な発言をしたりするのは差別ですよ!!」秋葉姉さんに寄る正論なまでの正論。もう朝の姉さんと夏海のケンカが子供のケンカに見えて来た。


疲れと言うか、感情を無くした方が早いと思ってしまう程に呆れてしまうが、それでもまだ話は続いて居るらしい。

「え、そんなの恋くんへの愛を素直に書いて貰えるのよ。やった方が私とそれと、恋くんとの将来にも「「「それは無いです!!!」」」うっ、シクシク。こ、こう成ったら恋くん!私の傷付いた心をその広く優しい胸で癒して!」そう言いながら、飛んで来る九条先生を取り敢えず倒れない程度には抑え、何とも言えない香水でも無ければ、女性独特のいい匂いが舞う。そんな一般男子の祝福の瞬間に一言「はぁ、子供みたいでちょっと哀れだよ」ともう本音が零れてしまった。


その瞬間、この少し喧嘩が始まりそうだった雰囲気にピキッとヒビが入ったガラスの様に、ドンドンとヒビが広がって行き、最後には崩れ落ちた。

雰囲気が構成されるのはとても早いが、壊れるのはもっと早いか。本当、怖いぐらいに周りが壊れて行く。


と言っても、少し顔を赤くして居る人が居るって言う方がとても怖いのは僕だけでしょうか?

色々考えさせられてしまう、生徒会だな。



そうして長かった様な短かった様な会議が終わり、九条先生は職員会議があるので職員室に向かい、僕達生徒は読書や自習の時間なので各教室に戻る事に成って居る。

特別校舎から高等部校舎まで移動し、そして綺麗にみんなと別れ、久しぶりなまでに安らぎを噛み締めながらゆっくりゆったりと廊下を歩き出した。


木漏れ日が窓から刺さり、廊下を優しく暖かく照らし出す。誰1人と居ない廊下、今朝とは違い生徒会の様に朝の会議がある様な生徒しか出てはいけない事に成って居る時間、しかも時間は1時間もある。

安らぎ、安息の地を今僕は深く深く堪能し、身体を癒して居る。

何時も誰かが近くに居て何らかの視線を集めては、それに耐えて居た。だけど今は完全に周りからの視線も無ければ気配も無い。ああ、素晴らしい。


右を歩け、そう習った廊下の中心を気の向くままに、散歩して居るかの様に楽しく窓の外にある、毎日移り変わる四季折々の風景に目を奪われながら歩く。

小躍りしたく成る嬉しさ、それが一体どれだけの物なのか、想像も出来無いが、今なら何と無く分かる。気分が舞い上がり、足を軽くさせ、感情を表現させる。ミュージカル、ブロードウェイのプロが感情をダンスで表現する様に、ただ気分で踊る。ああ、本当に楽しい。

こう言うのを楽しんだ者勝ちとでも言うのかな?だったら、今は久しぶりの勝利者に成って居るのか。


色々と考え事をしながらも、歩みは止まる事無く進み、そして教室の前まで着いてしまった。

絶望、永遠に続いて欲しいと願って居た楽園が崩れ落ち、感情はドン底まで落ちた先で見た世界、それが絶望。落ちる所まで落ちた物は何も恐怖と言う言葉すら感じ無いのだろう。ならば、今の僕は正にそれに当てはまる者。

最低な世界で生きて来た。自慢話にも成らなければ、と思うと付いてしまうような答え。だが、因果応報。それを嫌と言う所まで理解した僕に取ってみれば、どうでも良かった。


扉の取っ手を掴み、何の躊躇も無く開ける。そこには廊下と違い30人の男女が居り、全ての視線が僕へと向けられる。

それは優しい様な視線だったり、歓喜極まった視線だったりとした僕を欲する物から又、何故来たや来るなと言わんばかりの弾く様な視線、全てが入り混じった物だった。


吐き気がする、気持ち悪い。不愉快なまでに僕の心を捻じ曲げて来る。苛立ちが、鳥肌が、拒絶反応が、全てが、僕と相性が合わない。

そんな言葉が頭の中に羅列され、意味を深く体感させながら理解させる。


頭が可笑しく成りそうな中、僕の前にはある女性が現れた。

凛々しい顔立ち、男と言っても納得出来てしまう程の中性的な顔。だが、その中からも溢れる様に発せられて居る綺麗や可愛いと言ったオーラ、多分美しいと言う芸術的と言った表現の方が似合って居る。

純粋な日本人の筈なのに、欧米食に染まり過ぎた。いや、言い方が悪いか。欧米食に成って来て居るからだろう、日本人離れしたプロモーション、男であれば運動部の憧れの先輩的なポジション、女であれば意識して居ないのに意識してしまう女子校でね演劇部の男優、と言った本人が聞いたら怒りそうなイメージが強いな。


で、そんな僕の親戚である海斗が何時も通り、僕の考え事を察した様で「恋、君が何か考えて居るのは分かる。だが、僕と居る時は僕だけを見てくれ。でないと、今の僕は恋と触れ合う機会が少な過ぎて、色々と暴走してしまいそうだ。そう成った時は勿論、恋の熱いキスで僕を沈めてくれ」壁とでもしてろ。

素でそう思ってしまった、と言うか今日の海斗は本人も分かっている様だが、本当に可笑しいな。


はぁ、本日何度目の溜め息だよ。全く、世話の焼ける奴だ。一様こんなんでも親戚な訳で、壊れ掛けたら直したりしなきゃいけないのか。

海斗の頭に手を置き、何時も寄りも優しく夏海にして居る様に守る様に頭を撫でる。こんなんで精神が落ち着くとは思えないがまぁ、あとは簡単だから。「おはよ、海斗。それと海斗は壊れないから。その為に僕が居るんだし」とフォローの様な、兄が妹に掛ける様な言葉を言った。

クサイと言うのも何と無くは理解出来る。でも、さっきまでと違って落ち着いて来たぽっいから大丈夫かな。


海斗とのそんなやり取りをしながら、海斗を連れ自分の席に座らせて僕も自分の席に座った所で、正気に戻った海斗が色々と話をし始めた。

「そういえば、今朝は早く出たみたいだったけど、どうして?」ハスキーと言うか、何か楚々られる様な声が響き渡る。

出来る奴は声から違う、それは最早絶対的な何かから違うだろう。


で、海斗の質問だが「ん、ああセバスチャンさんとの始めての登校だから、道を覚えてもらうのと世間話。あとはさっきまで出てた会議が朝早くから有った為。他意も無ければ何も無い理由だよ」とかなり噛み砕いては居るが、要点だけを纏めて言えばそんな感じで有って居る。

海斗も納得した様で「そうか。では妻として疲れを溜め込んだ夫の物を、全て開放させ無ければ」それが疲れを溜め込んでしまう原因なのだが、一様好意としてやってくれようとして居るのに、そうは言えない。

取り敢えず「別に大丈夫だよ、海斗だって知ってるでしょ。一様僕、武術やってるんだから」とソフトに、あくまで優しくやんわりと断った。


まぁ、此処で引き下がる海斗では無いのだが。

「いや、恋。人と言う物は自分でも知らず内に疲れを勝手に溜めてしまうんだ。だから、やはり妻としては将来、その色々とする仲なんだから、夫のそう!健康を気遣い支えるのか当たり前なんだ。だから」くどい上に話があらぬ方向に真っしぐらなのは全て僕のせいでしょうか?あ、はい。分かりました、全て僕のせいですよね。はい、分かってました。


自我崩壊してしまいそうだが抑えろ。面倒事に巻き込まれるのは慣れてるだろ。

だから、冷静に何時も通りに最適な答えを頭の中に浮かび上がらせ、海斗に向かって発する。


「なぁ、海斗。生徒会でテスト勉強をするって言うのが出てんだけど、一緒にやらない?勿論生徒会メンバー以外でも大丈夫な様には話通しとくから」と今朝の議題で上がった事を、今活用出来得る限り使う。わざと、わざと海斗が喋る前に此方が喋る。

そうすれば基本は話が止まり、此方の方にながれて来るから。


ほら、海斗も「おお!やっと恋も嫁である私と一緒に居たいと、素直に言える様に成ったか!よし、大丈夫だ!どんな用事があろうが、誰が拒もうが絶対恋から離れないぞ」あー、この娘少し勘違いしてるね。

そして墓穴を掘っちゃったみたいだ。はぁ、今日も空は果てしない程に青いです。


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