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僕に恋する人  作者: 音夢
第2章 疲れが募り募らる、僕の日常
35/67

2ー2

何時もの様な清々しい程に綺麗な空、そしてそれを彩る朝。そんな以下にもな言葉を口に出せる程、今の状態はあまり良い物では無い。

2対3の息も出来ない、鼓動一つ一つの動きさえも繊細なまでに感じる程に、空気と言う長く硬いピアノ線の様な緊張感が張り巡らせた空間。全ての中心に居るのは僕なのだが、今はとても不名誉にしか思え無い。コレが清く清純なまでのクラス内や『世界の』と付く様な物ならば、嬉しい。とでも思えたのかも知れない。でも、こんな一触即発な空間においての中心人物に成るのはきつ過ぎる。


ストレス系の何かで胃に穴が空いたり、血管が破裂したりと聞くが、これは堪え難い仕打ちだな。体が体内から疼く様に激しい痛みと悲鳴を上げては、また疼く。吐き気が体を蝕む。

はぁ、全く。生徒会メンバーが全員揃っただけでココまで成るんだ。これに母さんや海斗達まで加わったら正に地獄絵図。命がいくつ有っても足り無いな。


周りに居る全ての視線を集めながら、正気を保つ。神の曲芸か神が作り出した生き地獄か。そんな事は知った事じゃ無いが、今話したりする事など無理。周りの声を聞くので精一杯だ。

冷静に気を保ちながら、周りに耳を傾け、場の空気を伺う。が、絶句しそうに成る。


「む、どんな理由があっても、真弓ちゃん達が恋くんと色々して良い理由には成ら無いでしょ」飛鳥さんは何時もの落ち着きのある大人な雰囲気では無く、ヒステリックとまでは行かないが少し冷静では無い飛鳥さんがそこに居た。それは半ギレと呼ぶに相応しい程にメガネの奥にある黒い瞳が、凍て付く様に鋭くまるで標的を切り裂く様な烈火の如く3人の事を見て居た。又、サクラさんも何時ものおっとりとした雰囲気などは無く成り、ただ無表情なまでに2人の事を凝視しながら、何とも言い難い歪なオーラ纏って居る。


恐怖、その言葉がよく似合う雰囲気に生徒会室の世界が構築され、それに返す様にと副会長さんが口を開けた。

「ふふーん、早い者勝ち。この世は所詮弱者が強者に喰われるんだにゃぁ。だから、恋ちゃんを奪いたかったら、この私を出し抜けば良いんだにゃぁ」と何時に無く、飛鳥さんに強気に返す副会長さんだが、それは同時に敵を多く作っただけだろう。

深く溜め息を吐く様に秋葉姉さんは「はぁ」と息を漏らし、この雰囲気すらも凌駕する程に苛立ちの雰囲気を纏いながら「恋ちゃんが話の中心にされて困ってるから。あと全員揃った訳だし会議始めるわよ」と、有無を言わさずに全員の発言を止めさせ会議へと持って行った。

流石と言うか、生徒会長の力量なのだろうか。


そして折角秋葉姉さんが会議の方向に話を持って行ってくれたんだし、ここは僕も話を押さなきゃね。「秋葉姉さんもこう言ってるし、会議始めるよ」と言い、釣られる様に「秋葉さん以外が恋くんに抱き付いたりするのはまだ納得行かないけど、

恋くんがそう言うなら、私は別に大丈夫です」とサクラさんも話に乗っかてくれたので、場の空気が一気に会議の空気に成り、会議が始まった。

書記である飛鳥さんが生徒会室にある棚から記録用の容姿を取り出し、秋葉姉さんがホワイトボードの前に立ち、会長をサポートする為に副会長さんも前に立って、残りの九条先生とサクラさんが僕の横に座り、さっきまでの会話が痛くまだ残って居る気もするが、会議を始めると言った手前止める事も出来ず、秋葉姉さんは進行しはじめた。


「えー、では先ず始めに高等部1学年の旅行的行事への参加、また旅行中の細かいスケジュール調整や夜間の見回り、その他諸々お疲れ様でした」と感謝の礼を言いながら、飛鳥さんがホワイトボードに今日の会議のテーマ的な物とやる内容について書き込んだのを見計らって、本題へと話を進めた。

「そしてまだ疲れが残って居ると思うが、休んで居る時間は無い。来週からはテスト週間となり高等部、中等部、初等部とほぼ全ての学年が忙しく成る」一旦区切ると、テスト期間中の生徒会運営などが記載されたプリントを渡され、「このプリントにも書かれて居る通り今週から生徒会活動、風紀委員会などの学校運営に関わる部活動以外全てが休止に成る。それに当たり、我が生徒会は生徒の手本で居なければいけない。その為、テスト勉強を1日だけする事にする」さっきのは別として、何時もの秋葉姉さんとは違いしっかりとした発言だ。


でも、去年の生徒会はそんなテスト勉強などして居ただろうか。そもそも生徒会メンバーは学力優秀で運動能力も優秀、そんな基本的には時間と余裕のある人が入って居る筈だ。

僕も決して真ん中や平均よりも下では無い。寧ろ上の方の分類だし。


頭の中で考えを交錯させるが、一向にピンと来る何かが無い。そう思って居ると、秋葉姉さんが付け足す形で理由を話してくれた。

「と言っても、生徒会は学力の高い人や支持率のある人が入るからテスト勉強何かしなくても良いんだけど、生徒の手本に成ると言う目標がある手前、生徒会だからと理由で努力をし無いのはあまり去年の反応上宜しく無いので、やる事に成ったわけ」と説明されやっと分かった訳だが、確かに僕が居る事に寄って去年が酷かったんだ。今年は更に酷く成るだろうし、当たり前かな。

妙に納得が出来た所で、この議題についての話は終わり、今朝の会議の最後の議題と成る新聞部に寄る行事ごとに発行された新聞のチェックと成る。


「これは私の方から説明するにゃぁ」副会長さんが妙に真面だが、まぁ仕事モードにでも入ったんだろう。

で、「行事ごとに新聞部が作成し校内に展示、販売している新聞ですが、一部の人への中傷的な表現や文が記載されて居る場合があるので、生徒会の方で確認したいと思います。因みに一部の人を過剰なまでにスポットした記事も、本校部活動以外や生徒会などの大きな組織関係者で無い場合は本人了承が無ければ掲示は認められ無いので、教えて下さい」本当に仕事モードに入ったらしい。

的確なまでの支持を出して、必要な新聞もしっかりと用意されて居た。


そう関心を抱きながらも、作業に入ろうとした瞬間、付け足す様に副会長さんが「それと校内販売だけを目的としたゴシップに近い新聞もありますが、そちらは全て本人の了解を得た上での発行なので、大丈夫です」と、裏新聞部についての情報だった。

僕はあまり知らないが、確か普通の新聞部とは違い、ゴシップ記事。言わば学校の階段や芸能人のスクープ写真の様な犯罪に成ら無い程度の、学校生活に刺激を与える感じの新聞らしい。そして裏と付くのは新聞部の様にしっかりとした部では無く、個人の意思とプライドで書いて居る物なので、主材料などの支払いが有ったりとで撲滅とまでは行かないが、行き過ぎ無い程度には見張らなければいけない部活動であり、その為自ら裏と付けて居るとの噂だな。


生徒会でも誰が所属して居るのかすら分からないので、実態が知れ無い。

まぁ、自由を意として居るこの学校だから、社会勉強と言う項目で見ればある種正しい部活と思う。実際、裏/新聞部所属だった人が大手商品メーカーの広告を担当してたりとで、改めてエリート性を感じさせられる。


色々な情報が分かった所で、新聞部の新聞を確認するか。

普通の新聞用の紙に印刷された紙を開き、先ず目に入って来たのは『高等部1学年の勉強旅行』と正式名称とは違うが、伝わり易い見出しだ。続く様に横には旅行中の写真などが貼られて居り、新聞らしいと言うか本物同然の文が書かれている。

えっと、『昨年同様に高等部1学年で行われた旅行、選択科目以外の短所を無くす為に行われた。又、生徒会メンバーも夜間等の見回りなどの職務の為例年通り参加した。

今年は違反者などは無く、楽しく学べたと言う声が多数我が新聞部にも届き、それらを総称した物を裏面に記載しました。』と今の所、校則を犯す様な物は無し。


『旅行中の主な活動は修行僧の様に、清く真っ当な道を歩く様にと座禅体験があり、此方には「足が痺れた」などの意見が届いた。そして強化授業では普段は分からない事までも先生方が紐解き、指導をしたと言う事で約半数以上の生徒が苦手意識はあるが、得意に成ったと言う。』

普通の新聞部を見て居る様な感じだが、やはり裏新聞とは違い見出しにはあまり生徒の声を反映させず、硬く作ってあるか。


取り敢えず表にはあまり不振に思える点が無かったので、裏を捲り表面に書かれて居た物を見る事にした。

ぱっと見だが、裏は表とは違い生徒の声を反映させて作った感が凄くある。さて、見て行くかな。記事の右上に目を向け、声に出す様に頭の中で読んで行く。


『旅行中、1番印象に残った事!』学生と言うか、先ほどとは打って変わり学校だから出来るコナー記事の様な題名。だが、内容的に男の『ハッチャケ』などでは絶対に無さそうな所を見ると、多分女性が作ったのだろう。

『「一日目の座禅の最中、お手洗いに行きたく成り席を立って様を済ませ戻ろうとしたのですが、道が分からず間違って生徒会メンバーさんが座禅をして居る部屋に入ってしまいました。皆さん、集中して居て私には気付かなかった様ですが、その時見えた生徒会唯一の男性であり、イケメンや日本男児などの全ての言葉は彼の為だけにあるのだろうと思わせる恋様の後ろ姿、それは蜜には有り余る程に甘く、溶ける様な熱で、なのに苦くて私を包み込む様な感覚に誘いました。

それが今回の旅行中に1番印象に残って居る思い出です。」と、匿名希望の女生徒さんから頂いた印象に残った事、でした。では次は』うーんと、見なかった事にしよう。そうだ、ツッコんだら負けだ。何かに負けてしまう。


何か、大きな壁に押しつぶされた気がバリバリするが、まぁこの際気にする余地は無い。いや、気にしたら何か大変な事に成る。確信を持ってそう言える。それに幾らなんでも全部が全部、僕の事を書いてある筈なんて無いんだ。

ゆっくりと整理して行き、今度は別のコーナーにある真ん中辺りの記事を読む事にした。

『きゃ、ココだけの恋バナ!』とさっきのよりも更に俗物性を増した題名だが、確かに学生の約半数が恋愛感情と言う物に何らかの思考を抱いて居る。そう言った点で考えると、手に取り易い題材である。


そして肝心の内容は『「旅行中、色々な事がありました。でもやっぱり私が大好きなのは1人だけです。旅行中の活動姿勢、溢れ出る格好良さ、全てが私を魅力します。その名前は恋ちゃんです!」以上、副生徒会長の沢城 真弓さんでした。』………………………生徒会が1つの部に過度に介入するのはいけないと思います。それとはぁ、何かもう疲れた。僕は新聞を机の上に置いた。



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