表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に恋する人  作者: 音夢
第1章 番外編
32/67

番外編 夏海との約束

昨日は夕方ぐらいには天音姉さんの車で家に帰る事が出来、夕食を食べると疲れからか直ぐに寝てしまった。


ゆらゆらと安定しない思考や目の前に広がる理解出来る筈なのに理解出来ない世界、それが夢だと気付くのに時間などはそう要らない。

ただ疲れて居る体で夢などはあまり見たくは無かった。レム睡眠、脳がほぼ起きて居る状態であり、夢はただ意思の聞かない妄想の様な物と成る。そして起きた所でしっかりと疲れは取れては無く、如何しても体が重く成ってしまう。


実際、今の僕の体は外部からの何かの干渉に寄り何時も寄り重いが、それとはまた別で体が重たい。

ゆっくりと目の辺りに力を入れて行き、開くが映り込んで来るのは何時もの天井だ。だが少し下を見ると良い匂い、そして胸板辺りに当たる柔らかく、弾ける様にとクッションの様に成ったそれ、少なくとも目覚めはあまり良いとは言えない様子だ。


僕の体を正面から抱き締める様な形で寝て居る秋葉姉さん、如何やら色々と昨日の事が有ったからか来てしまったのだろう。また寝姿が寝巻き無しの下着姿だと言うのも、それを更に肯定させる。


最早、下着姿ぐらいなら慌てる様な事は無く成った。と言うか無くした。下着姿ぐらいで慌てて居ては、この家では生きて行けない。腕を絡ませ、脚を絡ませ、その可愛らしい寝顔を惜しげも無く晒し、フワフワと柔らかいのに重量感のある豊満な胸さへも使い、さぁと言わんばかりの事を平気で今も尚して来るのだ。本当にあまり感情的には成らず、欲などは捨ててしまった。

だから綺麗や美しいとは感じるが、それ以上には何も思わ無い。思いたくも無い、家族に欲情などはしない。それが一般常識であり、当たり前の事なのだから。


さて、こんなダラシない秋葉姉さんは置いておき、結構日も昇って居る様なので体を起こして行く。

幸い秋葉姉さんは寝て居る内の甘えぐせがあまり無く、放そうとさせるとスッと離れてくれる。逆に放さ無い時は絶対に放さ無いのだが、今日はラッキーな事にスッと離れてくれた。

幾ら軽い秋葉姉さんとは言え、乗って居たのだから多少は重かったのだが、やはり40は絶対に有るのだから重たい訳だ。まぁ、対して重くも無いのだが。


鍛錬だと軽く100kgは持てたり、背負ったりして動けないと汗や緊張のせいで、それ以上の不可な体に掛かる。だから100kgは以外と本番を想定すると大差が無くなり、普通に女の子の体くらいなら楽々と持ち上げられる。


そして秋葉姉さんを僕の横にズラした所で立ち上がり、今日は服を着替え無くても良いのでこのまま居間に向う事にした。廊下には窓から暖かく柔らかな木漏れ日が廊下を優しく照らし、ぽかぽかともう一度布団へと戻りたく成るが、戻る事無く進んで行く。

廊下を進み、階段を降りるとそこには父さんとセバスチャンさんが居た。何だろ、何か話をして居る。と言うか、近づいて聞き耳を立てれば聞こえるな。


取り敢えず、こんな面白そうな事聞かない訳が無い。こんな事に使う為に、と思ってしまうが僕は鍛錬や実践的なトレーニングで鍛えた空気に馴染み、存在を消す様に空気に溶け込み聞き耳を立てた。

すると段々と声が聞こえて来る、「遅く成ったが、よく帰って来たな。セバスチャン」と何時もの父さん寄りも多少高圧的な物の言いだが、聞こえて来た。それに返す様にセバスチャンさんが「わざわざ有難う御座います、省吾様」そう父さんの高圧的な雰囲気とは真逆で、かなり柔らかい雰囲気だ。


2人の声にそう感じた瞬間、一拍。一瞬にも満たない一拍の間に空気が劇的なまでに、生きた生き物の様に動き、変わり、建前の様な物が全て無く成った様にまた会話が始まった。

「いやはや、それにしましてもまさか旅行中にお会いした気の合う子と思って居た恋様が、本当に私が様を付けるべき相手に成るとは。あの時は喜びのあまり涙が出そうに成りました」嬉しい事を言ってくれる、本当に嬉しい。あまり他人に認められる事が無かった、だからこそ嬉しい。

だけど、その言葉は父さんにしては目障りな他成らん。「ふ、如何でも良いが恋に何か可笑しな真似でもすれば、私が直々にセバスチャン、貴様を殺してやる。私に取って恋は掛け替えの無い息子であり、私のしっかりとした1番弟子だ。貴様如き物に見す見すくれやるのは愚か、触れる事さえ、いや!見る事さへ禁じたい程だ!」あれ!何か大きく話が脱線してるよ「それはもちろん、私に取っても恋様は大事な存在です。恋様が傷付く事などする筈がありません。私は恋様に害を成す物は絶対に排除したいのです、例えそれが省吾様だとしても」言葉の途中で入られたし、何かもう……聞かなかった事にしよう。

その5分間程の事は忘れた。うん、何も無かった。



そして寄り道は有ったが居間への扉を開けた瞬間、美味しそうな朝の匂いと共に普通の家では味わえない男の祝福が映り込んで来た。

僕寄りも小さく、多少大人びた雰囲気を纏った2人の女の子。この2人を見れば少し年の離れた姉妹、学校の先輩後輩と思ってしまう。だが無意識か豊満な胸を強調する様に体の形を出して居る、白黒のツートンカラーのエプロンと可愛らしいフリルの付いた優しいイメージのエプロン、着る人が着なければ引き立つ事の無いシンプルなエプロンを完全に着こなし、金持ちやよっぽどなイケメンでしか味わえ無い光景だ。

ただそれが身内、しかも家族と言うとても近い血液の人と成るとあまり意味が無いかもしれないが、綺麗。そんな褒め言葉しか彼女達には似合わない。

夏海と母さん、組み合わせ的にはとても微妙だ。それは2人其の物の性格や相性と言った問題では無い。2人が僕を通した時に1人は甘えさせ、もう1人は甘える。つまりその矛盾が相性とやかくの前に腹が立つらしい。


2人が向けて来る最高の笑顔、そして美味しそうな味噌汁と焼き海苔の香ばしい匂い、最後に2人の間にある不穏な空気感。絵には成る、がその真意的な物を見様とすると怖いな。

あとその、空気をピリつかせながら首を傾げないで。可愛いのに怖くて訳わかんなく成っちゃうから。


何とか2人の空気に飲まれ無い様にしながら、取り敢えず「夏海に母さん、おはよう」と挨拶をした。

すると2人の顔が更に可愛らしく、溶けた様な顔に成り「「おはよ……おはよう!真似しないで!」」うん、仲の良い事だ。


2人がコントの様な事をしてる中、セバスチャンさんは庭の手に向かう最中だったらしく居ないが椅子に座り、釣られて2人が座った所で朝食を食べ始めた。

僕を真ん中にして2人の美女が挟む、異様にも程がある。目の前に置かれて居る美味しそうな料理もこの座って居る椅子も、僕自身の存在すらもこの場所には似つかわしく無い。


溜め息が零れそうに成る、夏海の腕が僕の腕に絡まり、その胸を押し付けられるのも、母さんがまるで小さな赤子を甘やかす様に甘やかし、世話を焼く様にご飯を口へと運んで来るのも、全てが吐き気が出るぐらい気持ち悪く、僕にはあり得ない世界だ。


ゆっくりと流れて居る時間が鬱陶しい程に長く、また表情と感情を奪って行く。

そんな朝食が45分程続き、時間は結構良い時間なので夏海のお願いである買い物に行く事に成った。



少し早く玄関で待つ、夏海曰く男が待ち合わせ場所で待って居るのが当たり前、詰まりその方がムードが出るらしい。そう言う所が母さん達に比べて1番乙女だなぁと思う。

それにまだ朝食での事、少しだけ引きずって居るし待てるならそれはそれで気持ちの切り替えに使える。


溜め息を吐く様に深く、長い空気を出し息を空い、もう一度吐く。それを5分程続け頭の中がクリアに成った所でこの鬱な感情を無くし、僕成りに出来る何時もの雰囲気で尚且つ夏海に合わせた物に変え、夏海を待つ事にした。

10分程すると階段の方から軽い足音、それと軽快で優しい鼻歌が聞こえて来た。


雑音をすり抜ける様に美しい歌、何の曲かまでは分からないが綺麗だ。

その歌に耳を傾けながら階段の方を見るとそこには、さっきまでの家着の様な気を許した相手や如何でも良い相手にしか見せない服では無く、小さな身長でも大人に見える様に白と黒の服に、色を付ける為緑のフード付きコートを着ている。夏海の雰囲気に似合わず随分と大人びたイメージが印象に残る。

にしても、服は何故ボディーラインが結構出る様にしてるのかな?幾らコートを羽織ってても、前閉じなきゃ丸見えだよ。


少し気になる事もあるが、これが中1のファッションと考えると平均とは相当しないだろう。夏海自体の容姿やスタイル、着こなすセンスなどが1番だがそれと同じ位に、色々な服を持って居るのも理由に上がる。

まぁ、夏海ほど美しく可愛ければ服などに拘る意味が無いのかもしれないが。


すると階段の段を飛ばして降りて来ると、僕に近づき1回転した。黒と白のヒラヒラが付いたミニスカートが上がり、中の物さへ出そうに成るがギリギリの所で終わり、色々な意味でドキッとさせられた。

そして最後に回転が終わり、此方を向くと『どう?』と聞く様に捨て犬が見て居る様な、そんな縋る様な目をして来た。


文句無しの満点だし、普通こんな目をされれば同性でさへも落ちてしまうだろう。だから、その目をされると心が痛む。

直ぐに「うん、何時もの夏海とは違って大人ぽっくて可愛いのにかっこ良いよ」何を言って居るかは理解出来ないが、本当にそんな感じだ。服の雰囲気的な物は大人っぽくてかっこ良いが、夏海本体から出される雰囲気は何時にも増して可愛いらしい。有る意味、天然の魔性の女かもしれないな。


そして僕の言葉が嬉しかったのか、倒れる様に腰辺りに抱きついて来た。さっきまで目の前に有った胸が布越しとは言え、はっきりとした柔らかさや感触で伝わって来る。普通の兄妹ならば妹が小学校低学年で完全に無くなってしまう様な行為だが、稀に年が離れて居ると起こる事がある。そんな普通あり得無い様な兄妹での行為、が夏海の考えて居る事は違う。そんな兄妹がどうこう言える話しでは無い。

夏海の目を見れば分かる、愛おしむ様に。兄妹としても、1人の異性としても愛おしむ様に、ずっと側に居たいと願う様な目。


僕には到底理解出来ないだろう、いや。理解したく無いだけかもしれないが。

どちらにせよ、今は夏海はお姫様で僕はナイト、言わば白馬に乗った王子様だ。1人の女性として見るのは出来ないが、それでも王子様としてのエスコートぐらいなら出来る。だから、僕の周りに居る大切な人の笑顔だけは絶対に絶やさ無い。



それから夏海と靴を履き、夏海に絡みつく様に腕に抱きつかれ、本当に嬉しそうな顔をしながら買い物が出来る大きなショップへと向かった。

向かったのはペットショップや家具、服屋、飲食店、様々な雑貨が並んだ言わばカップルなどの女性と男性が来る様な場所だ。別段意識した訳では無いが、色々な物が揃って居ると簡単に飽きないと言うのが一番だ。でも、夏海の事を考えなかったと言えば嘘になる。まぁどっちでも、夏海が楽しめるのなら良い。


そう思いながら服を中心やペットを中心で売って居るショップに入ったは良いが、人の視線が痛いな。僕の予想通りちらほらとカップルが見えるのはまだ良い。でもやっぱりこの視線はウザい。

熱く、ウザく、気持ち悪い視線。幾ら気にしない様にしたって拒否反応が出てしまう。夏海は良く平気だなと思う。それとも僕が気にし過ぎなのか?


あまり気分は良く無いが夏海に引かれながら歩いて居ると、1つ僕の目を引く物が有った。見た目としてはあまり派手では無く、かと言ってジャンルが決まって居る訳でも無さそうな服だ。

値段も手頃だし、それに夏海に良く似合いそうだし。

夏海と一緒に服に近づき、買ってしまった。しかも夏海もご満悦の様で良かった。


夏海はその服が痛く気に入ったらしく、また今度着るらしい。残念、折角ミニスカートで雰囲気的に夏海が着ると王女様みたいだったのに。

それからも結構な場所を見て、取り敢えず時間も頃合いなのでオープンレストランに来た。


僕の横に張り付く様に夏海が座り、そして注文を頼もうと店員を呼ぶと物凄くヤバイ目をした女性の店員さんが来てしまった。普通に見ればかなり可愛く、綺麗な人だが今は麻薬に溺れた人間、人の皮を被った化け物の様に怖い。

「はい、お客様ご注文ですね」とはっきりとした声でそう聞き、2人の注文を頼むと「……と……ですね。分かりました、当店では……がオススメですが、如何でしょうか?」一秒でも長くと見え透いた話しの振り方。


流石に夏海も怒って居るが、それ以上に切れて居る人が居たらしい。

以下にも不良の4人組が此方に来ると、僕の方を見ながら「ねえ君達、こんなダサいキモ野郎なんてほっといて俺たちと遊ば無い?別に、お前も気にし無いだろ?キモ男くん」と僕を罵倒しながら、夏海とこの店員さんをナンパし出した。

その言葉に釣られる様に周りに居る3人も笑い出すが、正直趣味が悪いとしか言いようが無い。確かに僕がダサいのも気持ち悪いのも認める。けど不良君達でもとてもじゃ無いけど夏海とは釣り合わないよ。


めんどくさいが、見せしめとして1人ぐらいヤっとくかな。そう思い不良の内の1人を挑発しようと思ったが、その必要は無かった。

僕の事を罵倒した相手以外が地面とご対面しながら、関節が外れて居るのか腕やら足が在らぬ方向へと向いて居る。この中でこんな事が出来るのは僕以外に、夏海ぐらいか。


夏海の方に目を向けるとそこには、正に鬼の形相。いや、それで済めばまだ増しだったろうに。冷血、血の気もしなければ死体を見て居る様な気分にさせ成る顔。ただ冷酷なまでに相手を倒す。それだけを原動力に動いて居る兵器の様に。

異常なまでの夏海の変化に動揺しながらも、残り1人の不良が血迷った様に僕に向かって来た。まぁ、夏海よりは増しかと思ったのだろう。だが、それは大きな間違いだ。


殴り掛かって来る相手の腕を掴み、関節を痛めつける様に相手に激痛を走らせながら地面へと叩き付ける。護衛術などでよく用いられる物のアレンジだが、素人相手には効果覿面だ。


こうして夏海との買い物は終わったのだが、あんな風に成る夏海の未来が色々と心配かな。「うん、だから」え、は?えーとだから「お兄ちゃんが私の事貰ってよね」マジで心配です。

そして午後の2時には疲れながらも家に帰る事が出来ました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ