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僕に恋する人  作者: 音夢
第1章 始まりの本、そして動き出す時
28/67

1ー13

何時もとは違う場所、普通に考えれば学校が許す筈が無いが特別出来るカフェでの会議。目の前にあるテーブルの上に飾る様に乗せられた、ロイヤルショコラとか言うケーキの数々、チョコにプレーンにイチゴ、果てにはタルトと色々な種類があるが何れも光り輝いて居る。一言で言えば綺麗や美しいなのだが、美化しても仕切れないぐらいに魅力する宝石の様なケーキだ。

それに合わせる様に置かれたティーカップに入ったコーヒーや紅茶だが、湯気から伝わる匂いが暖かい気持ちにさせてくれる。

妙だ。ただのカフェでしかもかなり安い値段でコレが提供出来るとは思えない。


客らしからぬ考え方をして居ると、セバスチャンさんが説明と言うか独り言?では無いが、話す様な感じで気になって居た事を教えてくれた。

「此方のお店は去年からオープンしたのですが、実は私と少々知り合いでして。その経緯(けいい)で安くてとても良いブランドの物をお教え致しまして、今日はその事もありかなり良い物を作って貰いました」和やかに、だが同時に嫌味や恩着せがましさなどは無く、ただ純粋に今日を楽しむ為にしてくれた様な感じ。


そして一口、僕は紅茶だが同やら昨日僕がコーヒーを飲んで居たからか皆はコーヒーを頼み、飲んだ。

正直ストレートで紅茶を飲むと如何しても苦味があるが、コレには匂い同様の味、風味が口いっぱいに広がった。

ダージリン、極寒の地方で育ったそれはとても香りが強く、一般的には強い香りを生かす為ストレートで飲む事が多い。また特徴としては水色が明るく、この深い渋みと甘い匂いがダージリンティーの値段、全てを良し悪しさせる。名前はダージリンが取れるインドのダージリンと言う所から取れるのでその名前だ。


にしても美味しい。セバスチャンさんも皆が飲んだのを見て一度カップを回し、空気と混ぜ匂いを楽しんでから飲んだ。心が荒れて居る時はアールグレイやハーブティーなどとも言うが、十分過ぎるぐらいにダージリンでも落ち着く。

意識せずとも笑顔に成るのがその証拠になる。


で、コーヒーを飲んだ姉さん達はまぁ苦い顔をする訳が無いか。ミルクと砂糖を居れて居たし、結構柔らかい香りの奴だったから飲み口は良いのだろう。

一瞬、全員に落ち着き。癒しと言う空間が流れ、全員の気が緩み再度引き締まった所で会議が始まる。


何のきっかけも無ければ誰かが合図を出す訳でも無く、ただ唐突に始まる会議。全員がそれに異議がある訳では無いので考えた事が無いが、良く考えれば異様な光景である事には間違い無い。

意思疎通が出来て居る、相思相愛と言えば良く聞こえて来そうだが、コレが仕草から何から何まで覚えたストーカー的行為から来てると考えてみると、めちゃくちゃ怖いな。


それで会議が始まった訳で、先ずは会長である姉さんが仕切ってくれた。「今日の議題だけど」とカフェだろうと何処にでも響き渡る綺麗な声が通り、そう切り出したが議題と言う議題が無いのは明白だ。もしかしたら僕が気付いて居ないだけかもしれないけど、普通に考えると丸々生徒会全員が平日の学校に居ないと言うのも有るし、先ず生徒である僕達に学校からの連絡やプリントが届く訳は無い。詰まり議題とはこの旅行に関する事なのだが、提示報告ならまだしも議題として挙げれる物は数がかなり限られて来る。

と成ると、多分「えーと、旅行中の生徒会。主に昨日の活動の報告、また各班各委員会からの報告、そして昨日思った事と反省。それから今日に活かせる事、です。じゃあ飛鳥。報告をお願い」何時も思うが、如何して此処まで裏表をハッキリと言うか、猫脱いだと言うか、キッチリしてる時とフニャフニャに成って居る時の差が激しいのかな?


多少なら誰にでも有るんだろうけど、今は皆の憧れ生徒会長様でさっきが甘え甘えお姉ちゃん。如何割り切れば此処まで行くのか。

で、完全に昨日の活動報告を流して居たけど、まぁこう言うのは聞き流して居ても不思議と分かってしまうから大丈夫だし。問題は無い、と言うか有ったら困るし。


次が幾つかのプリントを統計させて作った各班と各委員会からの報告書か。

飛鳥さんから生徒会全員に渡された報告書を読んで見ると、えーと迷子、身勝手な行動で各施設に迷惑を掛けた人が5人、しかも全て1つの班のせい。もう1つは消灯時間を守らなかった生徒が男子15人、女子7人。まぁこんな物か、だが消灯時間は生徒会で見つけたのが20人ばかしだから、半数以上か。

まぁ多少遊びたい気持ちも分かるし、この学校は生徒の自由は尊重するから取り敢えず有難いレポート5枚で済む。それを優しいと決めるか優しくないと決めるのは人それぞれだけど、『やりたきゃやれ』の精神がOB教師に染み付いて居るのか、危ない事以外はあまり罰則が無く自由なのが校風。

教師として如何とも思うが、それで問題活動が無いから良いのか。


説明何かもあって20分ぐらいが経ち、本日のメイン議題。「では、最後に昨日の反省と今日活かせる行動を考えて貰います。時間は10分間なので、気を付けて下さい。それでは始め」最後に『!』を付けたく成る様なアクセントだが、冷製な物言いがまた妙な感じだ。

じゃあ書くとしますか。そう思い姉さんから回されたプリントに記入を始め様とすると、やらかした副会長さんがケーキを食べて居たフォークを口に居れながら、此方を向き拝む様なポーズを取って居た。可愛い、綺麗、そんな言葉が空耳の如く聞こえて来るが、そのポーズに隠された内側を見るとエグい。


かなり自分のせいで忘れた筆記用具を貸してと言って居る、何か男心を擽る様なポーズを取りながら。

それで貸してしまう僕は如何なのだろう。いけなくは無いだろうが、甘いか?うん、甘いだろうな。多分昔から女性には皆甘かったし。


取り敢えず比較的使い易そうな筆ペンでも渡そうと考えたが、渡したら渡したで僕が滑る形でかなり綺麗な字でプリントに書かれてしまいそうなので却下だし、逆にポールペンや鉛筆、シャーペンを渡すのは詰まらない。ならば……………………シャーペンでいっか。


針が4本程入り消しゴム付きのシャーペンを渡し、僕に向かって真剣モードの姉さんや飛鳥さん、後輩であるサクラさんから小言の様に説教を言われるのは辛いのか、安堵の表情を浮かべて居た。妙に和む笑顔だが、何だろ。何かやろうとして居た僕が酷く荒んで見えて来る。まぁ3時間程前に色々と純情から何から何まで抉ったのは副会長さん何だけどさ。

本当、何故に此処まで凄いと言うかエグいと言うか、的確なまでに僕の急所を射すのかなぁ。


それでは改めて書き始めるとするか。もう一度プリントに目を向け、先ずは項目を目視で読んで行く。

えーと昨日の反省、今夜活かせる事。随分とザックリした分け方がこう言う場合は返って此処までザックリしてた方が、色々と考えも広まってやりやすい。


まぁ考えてみると昨日はかなり同様してたから記憶の大半が飛んでるけど、一様記憶にある範囲で反省欄から『もう少し教員と協力し、散らばる形で巡回をすればもう少し早く行動が出来た。』と一言だが、大体そんなもんで大丈夫なので、次の今夜活かせるの方の欄に書いて行く。と思ったが、良く考えれば何方も基本的には同じ意味に近い。と言うか、反省を書けば必然的に次は如何すればと成り、結果的に書く事が消えてしまった。

空欄はあまりやりたくは無いが、止むを得ない。書く事が無ければ書く事が出来ないし、無駄に余計な事を書くよりかは此方の方が数倍良い。


あ、そうそう紅茶が冷め無い内に。もう一口ダージリンを飲み和んで居ると10分が経ち、姉さんが回収した所でサクラさんが「えっと、会計からの報告何ですけど、昨日の旅館で破損物などは無く大丈夫と言うのが報告です」喋り慣れて居ないからか、少し可笑しな感じだが可愛いらしくそう言い、会議が終わり全員が飲み物とケーキを食べ終わった所で帰る事に成った。


3時間以上も居て全て周りきれなかった事が少しばかし驚きだが、それを抜いても本当に広かった。このデパートと言うか、街1つ分くらい入ってそうだし。

要らぬ詮索の様な喋りはそこまでにして、さて帰るとしますか。



沈む夕日が地面を赤く、オレンジ掛かった色に染め上げて行く。同様に空も美しい太陽がやっと直視出来る程に落ちて来て居た。少し儚い気持ちが胸の中から襲って来るが、コレはコレはでまた風流であり、生きて居ると実感させてくれる。

まぁ深く考えると別に朝眠って夜に活動する夜行性と呼ばれる人間が居ても、別に可笑しい訳ではない。朝を朝と決めたのは結局人間が勝手に決めたのであって、それが悪いとも良いとも決まって居ない。

人を殺しちゃいけないと、誰が決めた。何故?そう、それはこの人間社会で生きて行く為。この人間社会を壊せる程の何かを持って居るのであれば、別段しちゃ行けないともしろとも言わない。決めるのは全て自分自身だ。


ただ、総じてだからと言ってそれすら受け入れられ無いのに何か犯罪、人に迷惑を書ける行為をしてはいけない。


姉さん達を撫で回す様に見て居る明らかに不良です。逆らったらヤりますよ、風な雰囲気を出して居るそれが僕達の周りを囲む。

当然相手は男、人数は15人ぐらいだ。で、狙いは勿論「ねぇ、そこの綺麗な人達、そんなキモメガネとジジイ何かほっといてさぁ、俺達と朝まで楽しく遊ばない?」以下にも不良が言いそうなナンパ台詞だが、周りの奴らは単純にそれを囃し立てるだけだ。

「ヒュー、紳士ー!こんなメガネとジジイにきー使って、キモメガネとジジイってあんたらさぁよかっね。俺達がすごく優しくてさぁ」何だろ、理屈も屁理屈すらも通って居ない言葉。喧嘩する気も失せて来るけど、僕以外の生徒会メンバーはかなり切れ掛かってるかな。あの可愛いらしくて、小さな小動物の様なサクラさんでさえもかなりヤバそうだし。これは、僕が止めに入らなきゃいけないパターンかな?何か骨が折れそう。


はぁ、不幸を呼ぶ溜め息が零れ出た所で更に囃し立てる様に誰かが姉さんに近づき、下心見え見えだが「うっわ、近付くだけで凄く良い身体だってわかるじゃん。ねぇねぇ、本当俺達と遊ばない?」そう言いながら、その男が姉さんに触れようとした瞬間、僕もギリギリにはやろうと思って居たがそれよりも早く、その男は吹き飛んだ。


気を抜いて居たので目測では追えなかったが、かなり早い一撃なのは確かだ。吹き飛んだ、文字通り男は紙が風に飛ばされる様に真っ直ぐ空中を吹き飛んだ。力の篭った早さ。そして身体の構図を知る事で体得出来る技。

この中だと姉さんや僕ぐらいなら出来るだろうが、姉さんでは確実に無い。だとすると、目を疑う様に横を向いて見るとそこには拳を作り、目の前に突き刺す様に身体を横にさせ軸を作って居るセバスチャンさんが居た。


正直、かなり強い。僕達に見せて居る雰囲気は変わらず優しい物だが、周りの不良に見せて居るのは殺気だ。しかも、ただ殺すなどの生温い殺気では無い。確実なまでに実力差を持って潰すと言う完全な警告。


重々しい空気が流れ、一秒も経って居無いはずの時間がとても長く成り、流れた沈黙を破る様にセバスチャンさんが喋り出した。

「せっかく良い気分で生徒会様と一緒に居れたのに、まさかその際中に貴方達の様な下衆な輩に会ってしまうとは。これが神が導き出したと言う物ならば、私は今一度神を呪いますよ。全く、私の運の無さは筋金入り、いいえ。生徒会様と言う人達に会えてその嬉しさからですから、運の上下が激しいですがまぁ悪い方なのでしょう。まぁ、先ずは貴方達のその喋れば地球が、生徒会様が居る空気を汚すゴミは消え無ければ成りません」何時ものセバスチャンさんとは思えない口調、冷静なセバスチャンさんには考えられ無いがこれだけ大事だと思って貰ってる事、同時に凄く嬉しい。


そして案の定不良達は殺気に圧倒されながらも、あれだけ馬鹿にされた。あー、本当の事を言われたからか切れて居るな。

「では、お掃除と居たしましょうか」お願いします。

それから数分後、黙祷を捧げて置いたのは言うまでも無い。


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