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僕に恋する人  作者: 音夢
第1章 始まりの本、そして動き出す時
27/67

1ー12

一口、口の大きさが違うのだから一口の大きさも違うだろうが、一般的に言われている一口の大きさでそれを食べた瞬間、口の中に広がる甘く、しつこく無い肉汁が更にその肉本来の美味しさを引き立たせる、溶ける様に消えて行く肉。和風の香りがスッと口の中に残り、もう一口と誘う。ライ麦とは違い、日本独特の小麦を使ったそれは唾液の多い外国人とは違い、とても柔らかく出来て居る。が、これは柔らかいが何とも言えない確かな食感があり、とても美味しい。またこの野菜の甘みや旨味などを取り出し、ギュッと纏めた様に舌触りから美味しいコレだってそうだ。一流の食材を使い、一流の料理人が作ればもっと美味しいだろうに。

そして、そんな料理フルコースを食べたのとは裏腹に、両腕に感じる柔らかさ。最早この感触にも慣れても良いと思うが、流石に慣れる事は出来ない。ただこの状態でも冷静に居られるのは唯一の進化であり、何だかんだ受け入れてしまって居るのか。


はぁ、溜め息が零れ出るよ。殻を破る様に周りに耳を傾けてみるとこんな声が聞こえた。

「おやおや、恋様は大変おもてになる様で。良いですなぁ、私もあと十数年若ければこの身を使い遊び呆けて居たのでしょうが、今と成っては叶わぬ夢。ですが、目の前にこの様な光景を作り上げて居る同性が居ると、何故か気持ちがワクワクと込み上げる様に興奮して来ますな」とても愉快な、とても楽しそうな話声。でも、セバスチャンさん。凄く嬉しくないなぁそれ。


僕の右腕を抱きしめながら、口元を見る様に上目遣いに成って居る九条先生は「私は恋くんがカッコ良いからとかでは無く、恋くんだからこうして寄り添えるのです」と落ち着いて来た様だが、しっかりと右腕をホールドさせながら大人の魅力を訴えて居る所、流石と思う。

で、逆に左腕を抱きしめて居る副会長さんは「んー、私はただ可愛らしい恋ちゃんを弟にして、一緒に楽しく毎日を暮らしたいんだにゃぁ」と何時も通りにそう言いながら、口移しを試みようと近寄って来るが姉さん達の射殺す様な視線に寄って止まり、喉を詰まらせないかと心配してしまう勢いで飲み込む。

何時も通り、ただそれが何れだけ愛おしくても、怖い。失うのが、壊れるのが、いいや。もっと根本的な事。僕の力が無くなった時に皆が僕の周りから消えるのが、そして皆が傷付くのが。


何時に成れば消えるのか、何時に成れば救われるのが、それさえも分からない。



長い様で短かった昼食を終え、午後は生徒会らしく会議なのだが、会長が姉さんで副会長さんがアレだと、まぁ旅行中と言うのにわざわざ普通に部屋の中で会議をする訳が無い。

姉さんは基本的には常識人だ、そう基本的には。僕が関わって居る事以外は大抵常識的に取り扱う。

そんな姉さんでもやはり副会長さんの自由行動第一の様な性格を止めるのは不可能だし、それに止める様に見せかけて便上して居るのもまた事実。

まぁ今から夕食までの約5時間を全て会議に費やす程、この生徒会は仕事熱心でも仕事が溜まって居る訳でも無い。ならば、どうするか。


簡単な推測過ぎる。ここはホテルと言っても秘蔵や隠された名店の様な物では無い。森の中や田舎に作られたホテルで無ければ、必然的に街などが周りにはあり、今一般生達は自由行動なので外に居る。詰まる所を抜けば、生徒会も知らない街に出て遊び、喫茶店などで簡単な会議をする予定だ。あくまで予定だ、詰まり会議を忘れれば後日有難いレポート50枚を書かされる可能性も無きにしも非ず。

大丈夫だろうが、比定が出来ないままホテルから出た僕達は先ずセバスチャンさん案内の元、この辺りで1番設備が整ったデパートに来た。


因みにセバスチャンが居る理由は、今日明日は生徒会様への専属が決まって居ります。ですので私がボディーガード兼荷物持ちでもしましょう。とホテルのロビーで言われたので着いて来て貰った。

それにしても大きいなこのデパート。地下も合わせて7階建てだし同じ階数の建物と繋いで居るから、何時間でも居れるんだろうな。

しかも芸人とかを呼んでライブでもやらせて居るのか、専用のステージの周りにオープンカフェも充実してるし、これなら問題ないかない。


そうしてデパートの1階、そこにはデパートらしく食品売り場が並んで居るのでスルーして、2階に移動した。2階には国外から輸入したであろう物を多数取り扱う店が並んで居り、面白そうなので見て周る事にした。

相変わらず姉さんは定位置と成った僕の腕に抱き着き、九条先生はもう治ったので今は飛鳥さんが逆の腕に抱き付いて居る。正直言って歩き辛いのも事実だが、この笑顔を見せられて居ると後ろめたい気持ちなどがあり、離れるのが惜しく成る。


すると副会長さんと九条先生が何か見つけたのか立ち止まり、それを後ろから見て居ると急に振り向くと「はい!これ、恋ちゃんに似合うんじゃないかにゃぁ」妙にハイテンションでそう言いながら、何かを頭に装着された。

そして何故に皆、主に女性の皆さんの頬が赤く成ってしかも食い入る様に見て居る訳?あと何でセバスチャンは微笑ましく、楽しそうに見てるの?


丁度横に鏡がある事に気づいたので視線を向け、自分の姿を見た瞬間、何と言うか衝撃が走った。

黒いプラスチックで出来たカチューシャ、それだけならまだ良いがプラスチックで止められた白いヒラヒラとした布、族に言うメイドカチューシャ。滑稽、まさに男としての何かが傷付いた気がするが更にカチューシャのサイドよりも真ん中よりのところには、耳が着いて居た。族に言おうと言わ無くと完璧にメイドカチューシャ 猫耳タイプと分類訳される物が、不服で痛く何かを侵害された様に頭に着いて居た。


流石に腹が立った。と言うか悪意を感じた。コレが副会長さんの素なのか能力のせいなのかなどは知らない。ただ何だろ、とても辱めを受けさせられて居る気がして成らない。実際辱め何だろうが、何故に顔を赤くする!


苛ついた様に気が立つが、此処は抑えカチューシャを取り外そうとした瞬間、副会長さんの手がそれを止め、そして「うん、やっぱり私が弟である恋ちゃんにお姉ちゃんとして色々と尽くして、ご奉仕するのも良いけど、恋ちゃんに『お姉ちゃん大好き』とか言って貰いながらご奉仕されるのも、それはそれで憧れるんだにゃぁ」あぁー、怒っても良いですか?若しくは泣いても良いですか?


とてつも無い程に巨大で鋭い鋭利な刃物で抉り取る様に、切り裂かれた気がするよ。それと此処に居るのは何だかんだで平日だからか、僕が1番年下何だろう。彼氏連れの彼女さんから全ての女性が副会長さんの言った事を妄想したのかな?鼻血を抑え切れずに出して居る人が結構居るよ。

あ、副会長さん。追い討ちを掛ける様に「お嬢様とかご主人様でも良いにゃぁ」とか言わない。あと、彼女連れの人。横で惚けてるからって僕と同じの付けてる副会長さんを見て、ニヤニヤするなよ。


はぁ、そんな溜め息を心の中で吐き、不図セバスチャンさんの方を向いて見ると笑顔だ。とても良い笑顔、過去の懐かしい記憶が蘇る様なそんな笑顔。ただ今は何か、このモヤモヤだと凄く、ねぇ。


ただセバスチャンさんも最早この空気だ。自分の言いたい事を素直に言い放った。

「いやはや、まさか執事を辞めてからこれ程までにもう一執事に戻りたいと思わせて頂くとは。それにお嬢様と重なり、何だか楽しく成って参りますなぁ。こう成れば、不詳セバスチャン!今日明日は絶対に生徒会様と一緒に居り、必ずや楽しい旅行にさせますぞ!」もう忘れられない程の何かを受けたが、とても良い笑顔なので良しとしよう。


とにもかくにも、副会長さんが外させ様としないこのカチューシャだが、軽く「意地悪するんだったら、これからずっと敬語でしかも苗字で『さん』付けで呼びますよ、沢城さん」と脅しもとい、お願いをしたら外させてくれた。良かった良かった、これで苗字で呼ばなくて済んだ。


そしてカチューシャを元の場所に戻した訳だが、どうにも未だに残っている甘いピンクの空気と『えぇー』と不満の視線は好きに成れない。早々と次の階に移動させて貰おうとするとある宝石が目に入った。別段目に留まる程の大きいと言う訳でも無ければそこまで綺麗と言う訳でも無い。ただの六角形の赤と青、緑、それと黄色の水晶型系の宝石。それぞれ同じだが文字が入って居るが、アルファベットだからアジア系では無いが何と書いてあるかは読めない。苦戦して居ると、セバスチャンさんが意味を教えてくれたので買ってしまった。

4つ合わせて僕のカチューシャを見た後だからか、4000円ぐらいなののを2000円にしてくれた。こう見ると特にも思えるが、実際それ以上の辱めを受けたので実質問題かなり安い気もする。

取り敢えず、買う物も買ったし次の階に移動するよ。ほら、そこ何か残念そうな顔しない。



3時間30分程が経ち、少し日が落ちて来た所でカフェに行き会議をする事に成った。

それにしても皆遠慮無しにセバスチャンさんに荷物を持たせて居る事で。しかもセバスチャンさんはそれが何だか本当に嬉しそうだし。

意味不明って訳じゃ無いけど、セバスチャンさんは物好きだと思う。


それはさて起き、会議を始める訳だがちゃっかりしっかりと姉さんと飛鳥さん、それからサクラさんがプリントを持って来てる辺り流石だなと思う。因みに僕は筆記用具は有るけど、これと言って役職がある訳では無いのでプリントなどは持って来て居ない。もちろん、副会長さんに至っては筆記用具すら持って来て居ない。こっちはこっちで流石です。


にしても、近隣の学校の生徒かな?先ほど寄りも男女共に沢山の視線を集めて居る事で。

まぁカフェで紅茶やらコーヒー、ケーキを堪能しながら会議をする生徒会は先ず無いだろうに。

セバスチャンさんには長くなりそうなので休む様に言っておき、さて会議の始まりだ。



すいません、小説を読んで居たら時刻が過ぎて居ました。

それとこの章は残るコレを含み3話と成りました。次は前章と同じで番外編を書く予定です。

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