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僕に恋する人  作者: 音夢
第1章 始まりの本、そして動き出す時
25/67

1ー10

スベスベとして居て、尚且つ柔らかい何かが身体中に纏わり付き、蒸し暑さと良い匂い、そして寝苦しいのに眠り易いと言う摩訶不思議な状態だ。それにしても昨日は何時もよりも早目に眠りに着いたが、その露天風呂の光景のせいで妙な夢を見てしまった。

姉さん達が襲って来る何てあり得ないとは言い切れないが、それでもそんなに愚かな事は……しないと思いたい。


自分の姉に対してしっかりと信用が出来ないのはどうかと思うが、取り敢えずこの纏わり付いている物を調べる為に目ヤニが付き、かなり開け辛いがゆっくりと目を開け、周りを眺めてみるとそこには世界中の男が一度は想像するだろう光景が広がって居た。

顔を横に向けてみるとまるで押し付け、愛おしむ様に柔らかいそれで挟む様に僕の腕を抱き締め、数cm顔を動かせばキスさえも出来てしまうだろう距離に居る副会長さん。ぷっくりと薄いピンク色の可愛いらしい唇、綺麗に整った目や顔立ち、黙ってこう見てると凄くそう思うのに、何故起きればあんなに変態になってしまうのか。いや、その話は辞めよう。死にたくなるから。


そして逆腕には指先から絡める様に手を握り、腕を抱きしめ僕の腕に副会長さん程では無いが、しっかりとした感触を伝えて来るサクラさん。可愛く夏海の様に、つい妹の様に接してしまう可愛さの中にまだ初々しさが残る顔。副会長さんの様にあと数cmで とはいかないが、それでも普通に考えたら恋人、愛している人や少なくとも幼い妹や弟ぐらいにしか許さない距離。そこから見える子猫の様に撫でてしまいたく成る寝顔、ただ両腕ともしっかりとホールドされて居るので無理なのが残念だ。


で、最後に仰向けで寝て居るこの身体に対して、春先とは言えまだ夜は寒いので羽織って寝て居たタオルケット越しに、真っ正面から抱き着く形で居る姉さん。夜中になにがあったのかは知らないが着ている筈の着物はかなりはだけて居り、妙にエロく、また下着やその豊満な胸が露わになって居た。昨日の露天風呂から、何故かこう言った物に過敏に反応してしまう。一般的な思春期の男子高校生ならばもっと敏感なのだろうが、生憎僕は僕自身を普通だと思った事は無い。それに今までにも何度もこう言った場面はあったし、襲われた事もあった。


だから、変に意識するのは可笑しい。いや、可笑しくは無いが可笑しい。あと僕何かが幸せには慣れないだろうから。

雑な締めくくり方だが、こんな物だ。それにしても、あとどれくらいで目を覚ますのかな。姉さんの向こうに見える飛鳥さんは綺麗に寝てると言うのに。この人達は我慢も出来ないのか。



10分程が経ち、早く起きないかなぁと思って居ると、漸くサクラさんと姉さんが起きてくれた。

口を閉じたまま「ん、んんー」と無声音を発しながらサクラさんは軽く肩を上げると、寝ぼけて居るのか「んぅー」と言葉にも成って居ない声を出しながら腕を抱き締める力を強くし、ゆっくりと目を開けて行く。

一方、姉さんはその柔らかい胸を更に押し付ける様に優しく、だがしっかりと身体を抱き締めると、起きて居るんじゃ無いかと思うぐらいに激しく僕の首元に頬擦りをしながら、気持ち良さそうに吐息が零れ出る様な声をし出した。

「ぅんー」と言う息がかなり混じった声が耳元当たりで発され、当然それは耳にまで届き身体に何とも言えない衝撃を齎し、身体をブルッと揺らさせる。


何をするんだ、と思ってしまったが寝ぼけて居る。と割り切り、もう一度サクラさんの方を向いた。

サクラさんは今のゴタゴタの間に、完全に目を覚まして居たのだろう。抱き締めて居る僕の腕に埋れる様に顔をくっ付け、息をスーハースーハーと一定のリズムを刻みながら、だが身体で感じる様に息を荒くさせながらも、更にはゆっくりと自分の着ているそれの胸元に手を掛け様とした瞬間、僕とサクラさんは目が合った。赤裸々、多少だが露わに成ってしまったその綺麗な純白の肌が僕には移り込み、同時にサクラさんの顔は完熟し熟れてしまったトマトの様に赤く、呆然と黄昏て居る様な顔に成り、可愛い顔が更に男心を擽る様に可愛く成った所で「え、あ、そにょ」噛んだ。追い討ちを掛ける様に言葉を噛み、とても和んだ。やって居た事の審議を抜いては。


にしても、何時ものサクラさんでは想像が出来ない程に大胆な行動だったが、サクラさんショートしてるし。まぁ慌てて腕を離してくれたから放置と行きますか。

とてつもなく軽いノリでそう言うと、モゾモゾと動いて居るので姉さんの方に顔を向けると落ち着いた様に優しく、柔らかく僕の身体を抱き締めながらも何時もの姉さんならば絶対にやらない様な、頬を膨らませながら「お姉ちゃんも構ってくれないと、色々エッチな事しちゃうよ」どう言う脅し文句だよ。寝起きで理性が飛んで、それを抑えた結果自分の良い様に言ってしかも少し性格が幼くなってるし。


可愛く、構ってしまう自分が馬鹿馬鹿しくも思うがまた構ってしまう。そんな人に成るのは夏海に構う時ぐらいで言いと思って居たが、変な事をされ様として居るのに止めない程僕は愚かでは無い。が、片腕を封じられ更にはもう1つの腕さえも抱き締め様として居る人が乗って居る時点で、乗られて居る人に出来る行動はあまり無く、突拍子もないが「えっと、構いたくても何も出来ないから、横にでも移動してくれないかな?」そう言うと、姉さんは顔を胸に顔を埋めながらコクンと首を振り、ゆっくりとショートしているサクラさんの横に立ち、はだけた着物から見えてはいけない物までもが目に映り込み、顔に多大な熱を感じさせる。僕に見られて居るとは気づいて居ない姉さんはサクラさんを一気に飛ばし、コロコロと横にやるとサクラさんが寝て居た所に寝た。

それに合わせて熱く成って来る身体を制御しながら、手を姉さんの上に持って行くと、指先から優しく、壊れ無い様にそっと手を下ろし姉さんの頭を撫で始めた。しっかり手入れがされたサラサラなのにふわふわとした姉さんの髪が指先に少し絡まり、だが綺麗な髪だからだろう。髪はすっと指から零れ落ち撫でる手を止めはしない。掻き立てられた事に寄って良い匂いが鼻先を擽り、その中で姉さんが気持ち良さそうに目を細めて居た。


それから20分もしない内に飛鳥さんが目を覚まし、ズルいと言わんばかりの表情をしながらもサクラさんを起こし、姉さんも目を覚ました様でサクラさんに続く様に、洗面所がある所まで歩いて行った。

で、最後は副会長さんか。さっきとは違う意味で嫌な溜め息が出そうだが抑え、副会長さんの肩を揺らしながら「副会長さん、起きて下さい」と言うが起きない。飛鳥さんも僕の反対側から「真弓ちゃん、朝よ。起きなさい」と言うが起きないので、飛鳥さんはそれを10回程繰り返したがやはり起きない。


しょうがないので、最後の手段として副会長さんの耳元に近づき、感情がどうかなってしまったのだろう。息が荒れて来るが気にせず「真弓姉さん、朝だよ。だから起きて」と言った瞬間、完全に起きて居た。「真弓お姉ちゃん、起きたら色々エッチな事してあげるよ。って言わなきゃ嫌」と、我儘な子供が親にねだる様にそう言った。


流石にそんな事を言えば姉さんが副会長さんを殺りかね無いし、かと言って起きる様子すら感じられ無い。どうするべきか、神のみぞ知るとはよく言った物だが、こんな人間離れした神出鬼没の様な行動を取る奴の未来を見るのは不可能、未来を端から全てへし折って我が道を行く人だ。

ある種では関心だが、確実にあり得ないとバカにした考えをした所で、助けを求めようと飛鳥さんを見た瞬間。全てが凍り付いた。



風、窓も扉も開けて居ないのに冷たく、凍て付く様な風が床を歩く様に流れ、副会長さんまで辿り着いた。恐怖、いや。それには絶対に勝てないと言うのがその雰囲気だけで分かった。

血の気が引く様に生きた心地が無くなり、反射的に構え様としたが副会長さんが腕を奪取しているので動けず、その行動に驚く様な表情もせずに飛鳥さんは冷気を纏いながら歩き、副会長さんに近づく為に僕に近づいて来た。

そして僕と挟む様な形で副会長さんの横に立つと、ニッコリと笑って居ないのに満面の笑みに見える笑顔を浮かべ、副会長さんの顔まで近づき、覗き込む様にして目の奥の何かを感じさせながら発した。

「真弓ちゃん」重く、暗く、だが軽い言葉。区切った訳では無いだろうが区切られた様に突き刺さり、次の言葉が続く。「いい加減にしないと」またそこで言葉が止まり、今度は耳元。副会長さんの耳元まで近づき言った。

「殺っちゃうよ」ギリギリ聞こえた微かな声、ただそれだけですら身震いを覚え、聞こえない様にと配慮されたせいで逆に怖い。


声が僕に聞こえ、副会長さんにも聞こえたであろう瞬間、副会長さんの目が見開き、抱き締められて居る腕にすら感じる程の冷や汗が流れ、僕の腕を離すとその場に立ち上がり「んー」と背伸びをすると、はだけた着物の隙間から色々と見ちゃいけない物が見えるが、それすら気にせず「恋ちゃんと飛鳥おはよ!それじゃぁ!」と言うと姉さん達と入れ替わる形で洗面所に入り、2人が首を傾げようやく一段落を迎えられた。



何とか姉さん達の引き加減を調節する様な論争をし、風呂場で次の場所、職業体験の為のジャージへ着替える事が出来た。と言うか、服を自分の前で着替えろとか、何所の殿様何だろうか。それで着替え終わった僕達は、朝食を食べる為に朝食の会場へと向かった。

朝食会場は昨日の夕食場の様な和室とは違い、テーブルや椅子が並べられた洋室だ。途中で九条先生も拾い来た訳だが、大きな部屋の中、両端には美味しそうな料理が並べられ、綺麗に装飾されたテーブルと椅子には数人が座って居た。

どうやらバイキング形式らしい。しかも時間も個人個人で決められた時間までに入り、食べれば良いのでまだ殆どの人が寝て居るか。


昨日同様、生徒会メンバーは色々とやる事があるので出発何かも早い。ので、着いてそうそうだが食事が始める事に成った。

とは言っても、僕自身は朝はそれ程食べれる訳では無いので軽く済ませる事にした。姉さん達も女性だからか、それとも僕と同じ理由かは知らないが軽食だ。

因みに僕はこんがりと焼けた食パン一枚とベーコンエッグ、水で洗いシャキッとした緑野菜にマヨネーズを掛け、可愛らしくミニトマトがトッピングされたサラダ、最後に種に朝コーヒーと分類される味寄りも豊かな香りが目を覚まさしてくれる、酸味が強く日本だけの名称だがアメリカン・コーヒーにした。

とても高校生が好き好みそうなメニューでは無いが、僕はこう言ったシンプルな方が性に合う。

姉さん達も同じ様な感じだが、九条先生以外はコーヒーでは無く紅茶にして居た。


メニューが決まった所で適当な所に座り、食事が始まった。パンの上にベーコンエッグを乗せ一口食べると、口の中にはシンプルながらにベーコンや卵、パンなどの素材の美味しさが広がり、旅館で考えれば結構美味しい料理だ。

僕が食べたのを見て姉さん達も食べ始め、料理が完璧に無くなりまだ混み合っている訳でも無く、10〜20分の間でもゆっくりとコーヒーで寛ごうと思って居たが、その夢は儚く散ってしまった。


近づいて来る足音、旅館なのだから耳を澄ませば何所かしらで聞こえる物。それでも今回はしっかりと僕達に向かって歩いて来る音、そして足音の方に顔を向けるとそこには女将さんが満面の、大人の女性と言う生徒会メンバーとは少し違った魅力で笑顔を向け、妙に肌がピカピカさせて居た。

姉さん達は昨日の事で多少警戒心があるのか睨んで居るが、僕は取ってはそれ所では無い。


身体中の血管を血が何千と言う速度で循環し、込み上げる様に身体が熱く成り、同時に息苦しさと居心地の悪さが襲って来る。

辛い、何時もの視線での辛さとは違い、今は肉体的にも精神的にも辛い。

ガタガタと揺れて行く手を抑え付け、そっとコーヒーを飲み落ち着こうとするが味も風味も、温度までもが感じられない。それはまさに以上だが、そんな事を気にして居る余裕さえも無く女将さんが喋り始めた。


「おはようございます、昨晩は深く眠れましたでしょうか?」挨拶と礼を交えながらそう言い、九条先生が「はい、とても良い寝心地でした」と答えた。

そこで一度話は終わり、一拍程開けると女将さんは僕に近づき、そして僕の手に自分の手を重ね、まるで愛くるしい人形を抱き締める様に体を覆うと「昨夜の事は不意の事故ですが、私に取ってはたかだか『事故』と言う、しょうがない出来事と言う形で終わらせたくはありません。ですが恋さんとは年も離れて居り、私の一方的な片思いに成ってしまいます。それでも、私は恋さんの事を愛して居ますから」僕にだけ聞こえる様に喋った声、それは女将と言う肩書きでは無く、純粋に1人の女性として発された声。

ただ僕にはそれに応える事すら出来無い、弱い生き物だ。



そう言い終わると女将さんはすっと離れ、何時もの笑顔で「それでは、ご出発の際にはお送り致しますので」と言い、戻って居った。

姉さん達も急な出来事に何も言いはせず、出発の時間と成りバスが止められて居る駐車場に着いた。

そこには4台のバスがあり、内1台は昨日乗って居たバス。そのバスの入り口近くに女将さんが居り、乗り込みバスが出発しようと言う時に話が始まった。


「私は………恋さんの事を愛して居ます!!」恥ずかし気もなく叫ぶ声。

そして全員がその声に釣られる様に女将さんを見ると、続け様に「露天風呂で裸を見られて、恥かしいのに嬉しかったです。ですので、今度はしっかりと隅々まで見て下さいね」バスが逃げる様に走り出し、大きく腕を降って居る女将さんが見えた。

と言うか、さっかは我慢するみたいに言ってたのに未練タラタラだよね。


それに、今の爆弾発言は今日の体力に多いに関わって来るよ。種に精神面と自分の不甲斐無さで。


誤字脱字、感想などがありましたら、気兼ね無く書いて下さい。

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