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僕に恋する人  作者: 音夢
第0章 プロローグと今
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0ー2

突き刺さる視線と言う名のナイフが入り交える中、姉さんには悪いけど。そう思いながら逃げる様な感じでグラウンドを小走りで進む。

幼稚園児〜高校生まで多数の男女から熱い視線と言うか、意味ありげな視線を受けながら特別校舎にある総合玄関を経由して、中等部用の校舎に移動した。

中等部用校舎も他の校舎同様に一様は5階まで作られているが、基本的な事は全て特別校舎内で済む。この学校ならではの社会活動があり、それも全部学園内でやれる話だ。例として上げると小学生への教師活動に学食の店員、清掃やら簡単な書類整理だったりする。しかもエスカレーター式ならではか、受験勉強をする意味が学校側にはない分1ヶ月間行われるのだが、毎日違う仕事となり社会性はかなり付く授業だ。だが同時にかなり疲れる授業でもある。

それにしてもこうして見ると、この校舎は本当に飽き教室が多いよ。本当、イジメが起きても気づかないのが当たり前に思えて来る程に、ね。


あぁ、勿論今はもうある程度は無くなった筈。何がとは言わないけど………………何か暗い話になっちゃったね。基本的には僕からしたらしょうが無いし、別段何方が悪いのかと問えば多分僕何だろろう。だから何か言う事じゃないと割り切っているのでどうでもいい。



因みに分かりやすく校舎の説明をすると、1階が物置が2〜3部屋在って残りの全てが空き教室になっている。で2階が保健室と職員室があるんだけど、後は3年から順に上がって行く感じ。

さて、そうなると1階と2階を上手く行けば、あまり人に合わないルートが自然と出来る訳だ。勿論僕がそのルートを使って行かない訳がない。だが、今居る場所2階の階段前。つまり次の階に上がると生き地獄が作り出される。そう思うと僕の体にはかなりの疲労、そして虫酸や恐れ、苛立ちから恐怖の概念を超えた何かが身に押し寄せ、僕ね思考を狂わし、精神を痛めつける。


わざわざ朝は誰も居ない階段を上手い事使って2階まで来たのに、次の階に行けば中等部3年生の教室全てがある=人が居る=男女揃って僕に突き刺さる視線が存在している場所。そして感覚な麻痺していく。1つの出来事から連鎖するように生まれた不、それで来る苦労が身体を動かし辛くさせ、正直ヤバイ。

極め付けには今日は授業で体育があり、内容はバスケだ。僕は球技、と言うか武術以外のスポットは苦手。その流れから言うに体育の男性教師に文句を言われてしまう…………理不尽なまでに。


反射神経で投げたボールをキャッチするのは、武術で相手の突きを交わすのと同じ感覚だから得意なんだけど。まぁもっと言えば格闘技『は』得意なのにね。その辺りは全部父さんから教えてもらったから得意になれた。

でも現実的に考えて僕は人を殴る趣味もなければ、喧嘩好きでも無い。そこから考えるに、僕にとっては回避だけを知っていれば良い訳で、別に入れ込む道理は無かった。あの時の僕は自分が考えている以上に浅はかな考えをしていて、自分をきらっていて悲劇の主人公ぶった屑だった。

実際、格闘技を習ってからそっち系のトラブルに異常なまでに巻き込まれなくなったし、わざわざイジメ程度に格闘技を使うのも可笑しいし。何と言うか不運は不運を招き、その不運は永遠に続く。


それじゃー招かれついでに地獄にも招かれて、生き地獄でも見るとしますか。

そんな軽いノリにしてみたが、ノリとは裏腹に頭にはジワジワと痛みが走り、僕の体力を奪う。



そして階段一段一段を登るだけで何か体に強い負担が掛かり、ぶっ倒れたい。そう思うがそれを装わせない程に階段には誰も居なく、誰も居ないのに体力を消費させられるとストレスが溜まって居るのが、目に見えて理解出来る。

そんな僕1人だけが居るこの場所には何がある訳でも無く、ただ足音だけが響き渡る。ある種では非日常〜日常への、日常〜非日常への変わり目を感じさせてくれ、何れが正しくて何れが間違いなのか、それすらもとうざけられた。


「ああ、ほんとうに僕は何がしたいんだろうね」思わず僕の口からは本音、不意だったのか何処か故意だったのか?それは分からないが零れ出た言葉は、残り階段があと数段だと言う事を知らせてくれた。

それは定めであり、その先には地獄しかない。そして抗う事も無く、ただ登って行くだけの自分に後悔を募らせた。それ以外は何も無く、ただただ疲労と苦労によって蝕まれていく。

ゆっくりと階段を1つ1つ登って行く足が、それが終わったと理解させ、角がありそこに入りとちょうど周りから見えない、つまり死角となった。だがそんな時間がいつまでも続く訳はなく、真っ直ぐと廊下に出た瞬間、黄色の悲鳴が廊下中に響き渡り窓の硝子は揺れ、まるで合わせたかの様なその悲鳴は僕の耳に入り『また、か』と理解させてくれた。


(幸いな事に男が廊下に少ないのがせめてもの救いかな?いや、逆かもしれないがな)色々と神経が麻痺している様な発言だが、この発言が当たり前何だろう、今の僕にとっては。

向けられて来る唯成らぬ視線に耐えながらも、重くあまり動かない足を進ませながら廊下を少しずつ歩いていく。

そして3年B組と書かれている教室の前に止まり、何に緊張しているのだろうか?自分でも分からない震えを感じながら扉の取っ手に手を置き、横に動かた。扉は当然の如く開き、一連動作で中に入ろうとした瞬間、僕には眩いばかりのポニーテールが似合うイケメン?美少女?の笑顔が飛んで来た。

整った顔立ち、女顔な男性や男装が似合う女性と言う感じのキリッとしているが、何処か柔らかいそんな人。

僕がそんな人に笑顔を向けられる事は普通ならあり得ない。ある筈かない。何年か前だったら。


その美少年もとい美少女は僕とは一様親戚の人で、名前は織田 海斗。

名前から大体は想像が付くだろうけど、異例の若さと美貌で現織田当主に着き、本当にかつて日本全てを支配した天下人、織田信長のほぼ直列の子孫らしい。それを聞けば世間の狭さが浮き彫りになるが、同時に舞川家がどんな家系図に成って居るのかが気になるよね。


「恋、どうしたんだい?まるで目の前に居る僕を素通りした上、果てには何か考え事をしているなんて?君はそれでも僕の許嫁なのかい?」と女性にも男性にも聞こえる口調、そしてこれまた何方に居ても不思議では無い声で海斗はそう僕に言って来た。

でも海斗の言っている事は1つ間違っている、僕は決して許嫁などでは無い。これは事実だし、これから変わる予定も無ければ、誰かと付き合う気も無い。

なので「海斗」そんな名前をただ言っただけで海斗は溶ける?もしくは見る者全てを熱で溶かしてしまう、そんな嬉しそうな笑顔を浮かべ「何だい恋?やっと僕への愛を告げる決意が出来たのかい?それともデートのお誘い?もしかして結婚のプロポーズ?なら、こんな所じゃなくて、その恋の……で言ってくれればいいのに」何か最後の方が聞こえなかったけど、まぁツッコムだけ無駄だから放置しましょう。


すると流石に男子の方も少し引き気味になり、多少ながら誤解を生んで居る事だろう。女子は女子で黄色い悲鳴が今にも聞こえてきそうなので、上手い事言っておこうか。

「海斗、僕は許嫁じゃないからね。と言うか、その話は出てもいないんだから、勝手に言っちゃダメだよ」と冷静に返して、崩れ落ちる海斗と周りの人を無視しながら僕、は自分の席に着いた。

周りの席よりも異様なまでに綺麗な席、中には大量の手紙があり、この席の所有者が風邪をひけばこれまた大量なまでのノートが置かれ、そして人はあまり近付こうとはしない。そんなまるで曰く付きの、と言われる様な席に座りカバンの中から教科書と筆箱を取り出して、机の中にギリギリ入れると、僕は表面上何をするわけではなくただ座った。


幾らあんな発言をする海斗でも、こうも冷静に否されるとは思っていなかったのか「ははは、何と言うかやっぱり恋は凄いな。ほんと体が勝手に『欲しい』何て悲鳴を上げちゃう程に」と思ったが違った。爆弾を落としやがったよ、しかも結構デカイのを。

どう言う糸があるかは知らないが、僕を困らせたいのか?何かしら裏があるのかもしれないがまぁ今はどうでもいい。


ただ………ただ海斗がこんなにも優しくて、僕の事を思って居てくれるのも全て、僕じゃ成せない。あの力のせいで無理やり成っているんだよね。

何故か、僕の心はそう呟いていた。誰にも届かない深い心と言う名の深海、硬く閉ざされた扉の中の言葉で。



それから授業が始まるまでの数分間は、まぁ何と言うべきだろうか?席を女子に囲まれ、男子に殺気を当てられながらのお話タイムだ。

流石は曰く付きの机、女子との距離が少しだけあるよ。まぁこれは女子が基本たどたどしいから何だろうけど。

実際こう言うのはまぁ日によるけど、これはほぼ毎日行われている。言わばもう行事的なくらいに。可笑しいと思うくらいに話す内容が毎日違うのが素直に凄いと感じるべきか、話す以外に女子には特技は無いのかと言うべきか。話事態は初めは有り触れた事で好きな食べ物から趣味、得意な事、苦手な物と僕自体何も感じない内容だったに。今になっては昨日のTV、自分のサイズを言って来る、お昼時間大丈夫?、極め付けには私の事好き?と言った答えに困る内容が多いんだよ。

はぁー、何か溜め息を吐くのと自虐をするのがデフォルト化されつつ、ううん『された』が正解だよね。もうここまで来たらある種、僕は自虐と溜め息の天才とまで思えてくるよ。悪い意味でだけど。と考えて居ながらも周りに居る女の子達の際どいと言うか、答え辛い質問に何とか答えながら、早く家に帰られないかな。と考えてしまう。………………話に詰まった所で何でかは知らないけど、学校では姉さんや海斗、あと妹がいるんだけど、その3人は決まった時間では幾らでも話し掛けて来るけど、それ以外の人はその3人が話し掛けていない時間にしか話に来ない。と言うかここ数年で気づいた事実何だけど、どうしてだろ?まぁ多分何かしらの感覚があるんだろう。それでみんなか家族だから嫌うとか近寄るとかは無いみたいだし。それなら、まだ僕は良いんだ。僕のせいで皆が傷付くのは嫌だし。


『キン コーン カーン コーン』そんなレトロチックなチャイム音が各教室に付けられているスピーカーから流れ、学校中にHR(ホームルーム)が始まると告げた。またそれと同時に廊下からは『急がん』とばかりの靴音、僕の目の前では女の子達が「それじゃあ、また後でねぇー♡」と言いながら自分の席に戻って行った。ただ1つだけ僕の目の前?周りから消えない物、それは男子からの殺気だ。と言うか、女の子がいない分さっきよりも強いわ、女の子達からは熱い視線が飛んで来るわで辛いんだけど。………しょうがない………な訳無いよね?と言いたいけど言えないか。


すると教卓の横にある扉が『ガラガラ?スー』と今時のしっかりとした扉でも、流石にガタは来ていると言う事だろう。コントの様な僕の考え事を掻き乱すウザッタイ音を立て、扉を開きながら『女性』の先生が入って来た。

名前は九条(くじょう) 真里亞(まりあ)先生。スタイルはかなり良く、言葉で言うならば出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでいる。要約するに胸は大きく腰は服越しからでも分かる程に括れている。しかも顔もかなりの美少女?美熟女?全ての年齢層に似合いだけど綺麗。年齢は25歳、だけどベテラン教師並の力と言葉を持っている。そんなに良い人なのに、凄く皆に平等で生徒の事を1番良く分かっている。そう分からせる先生なのに「恋くん、おはよぉ♡今日も一緒に私達の愛を(はぐく)みながら頑張りましょうね♪それと、みんなもおはよう。それじゃあHR(ホームルーム)を始めます」僕を見て、僕だけを見ながら一番最初に挨拶をして優しく接して、付け足す様に他の皆を見た。


そうこれが現実、僕は見られたく無いのに見られ、比べられたくも無い奴と何時も何処かで比べられている。当然こんな私情を混ぜた挨拶何かは持っての他何だろう。だけど、皆からは不満の言葉などは無い。いや、それを男子が親に言った所で学校に執着がある母親は僕の力に呑まれ、父親は学校の事などはどうでもいいと言うのが多い。実際に昔あったけどそんな感じだった。だから今男子から殺気が僕にぶつけられ、女の子達からは自分をもっとアピールしたい。そんなねっちょりとした視線だけが向けられ、更に僕を追い込む。それはしょうがない、男子が僕の事を殺したい程憎んでいるのも、女子の以上なまでのアピールもしょうがない。全て僕が悪い………僕だけが悪いから。

そんな男女の視線を掻い潜る?押し通る?海斗からその2種類の視線を超えて、まるで余裕を見せるかの様に無言の愛をオーラで証明している。


ほんとに僕自身に、そして皆が嫌になる。僕はただ皆と仲良くする事さえ許されれ無いんだから。そしてそれを納得している自分すらも、消えてしまえばいい。いっその事自殺をすれば終わるんじゃないかな?

そう思ってしまうほどに。


誤字脱字、こう言った書き方、ストーリーを書いて欲しいなどの要望、報告がありましたら書いて下さい。

因みに次回はまた来週の月曜日に投稿します。では、有難うございました。

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