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僕に恋する人  作者: 音夢
第1章 始まりの本、そして動き出す時
19/67

1ー4

テーブルの上に置かれた何の変哲も面白みも無い、ファーストフードのハンバーガーやポテト。

淡々とした匂いが辺りを支配する中、同じテーブルに居る見目麗しい生徒会メンバー。

当然周りからの視線は痛い程強く、女性からの視線も来るが実質被害的に言えば、注文をする時に店員さんが余計なサービスまでして来てしつこく、とても大変だった。年上で結構綺麗な人だったから自信があるのかナンパもして来たし。


そんな普通とは懸け離れた日常を送っている訳だが、酷く疲れ切ったのにも関わらず今日はまだ始まったばかりで、早く終わって欲しい。

そう願うが、今の今まで叶った事も叶う道理も見た事が無く、今日もまた叶う事が無いのだろう。


ストレスを発散させ様と愚痴を考えながらも、手でハンバーガーを包んで居る紙を外す、一口食べた。

続く様に彼女達も食べ始めるが、口に広がるのはベターなソースとハンバーグのしつこい味、シャキッとはして居るが水気の多いレタスの味と味が混ざり合った、美味しいには美味しいが決して美食では無い味が広がる。

サクラさんは「私はあまりこう言った物は食べた事が無いんですが、以外と普通何ですね」雑音が入り混じる中でも聞こえて来る綺麗な声、その声でそう言うとまた一口サクラさんは口にハンバーガーを入れ、食べた。


すると横に座っているからかサクラさんの口にソースが付いて居るのが分かり、サクラさんが与える幼いイメージからか僕は夏海にやる様に、紙ナプキンでソースを拭き取って居た。


そして一言『あ、やってしまった』その言葉が頭の中に響き渡り、手で握る紙ナプキンの上からでも伝わる肌の柔らかさが妙に腹立たしい。

気づけば時既に遅し、確かそんな言葉があった気がするがまさにその通り。

ゆっくりと紙ナプキンを退けて行き、紙ナプキンにはソースの赤黒い色が染み付いて居て、サクラさんの頬が『ぽー』と言う効果音が鳴りそうな感じに赤くなって行く。


あははは、何かとてつもない程にこの場から逃げ出したいよ。

何気なくやった行為がここまで大災害を起こすとは、場の雰囲気から逃れる様に一口ハンバーガーを口に含む。

それをした所で羞恥心が消えるはずも無く、目を前に向け姉さん達がどう言う状況なのか確認する。

そこには僕と同じ様にハンバーガーを食べる彼女達の姿があり、ハンバーガーを退かすと彼女達の口周りにもソースが付いて居た。


やれと言うのか、と言うかやればこの状況から救われるのか?……ただまぁ、今出来るのはこの判断しかあるまい。

手元にある紙ナプキンを持ち、彼女達の口周りに付いて居るソースを拭いた。

紙ナプキン越しでもハッキリと伝わって来る彼女達の肌の柔らかさ、そして周りの男子から突き刺さる様に飛んで来る視線と言う名の刃、その何れを取っても今の僕には地獄でしか成らない。


全員のソースを拭き取り、何か感情を入れなければ持たないであろうこの体の為に、ハンバーガーを一気に食べた。喉に詰まる事は無いが、食道を大きな物が通る感覚が感じられた。

すると皆も残り少なくなったハンバーガーを食べ終え、残りはポテトとジュースと成り、こう成るとゆっくりと駄弁りながらの食事となる。


皆の頬が赤くなって居る中、何時も通りのテンションで副会長さんは「にゃはは、恋ちゃんには口を拭いて貰ったし、お礼としてこのコンソメポテトを食べさせてあげるだにゃぁ」と言いながら副会長さんはポテトの袋に指を入れると、僕の口元に2本運んで来た。

そして「あーん」と煽りを入れ、逃げる手段を無くされて行く。


しょうがないと言う感情がありながらも、僕は口を開けポテトをぉッ!

口には市販品のコンソメの香りと味が広がり、副会長さんの指が激しくポテトを押し潰し様な感じに舌へと押し付けられた。


頭の中が真っ白、何も考えられ無くなる事を指すのだが今1番僕にはその言葉が似合うだろう。

ただ幾ら驚いたとは言え、二回目なので前回よりも早く回復が出来た。が、更に激しい追い討ち副会長さんは原爆並みの威力で落として来やがった。

「うふふ、私の指を激しく舐めて居るけど美味しいの?恋ちゃんにだったら、私の身体中を舐め、食べさせてあげる♡キャハッ♪」副会長さん的にはこのテーブルの人だけに言ったつもりなのだろうが、あまりにもそれは無理な話だ。


姉さん達の美しさで自然と人の視線が集まるし、副会長さんの場合はあんな変態チックな事を言おうが声は通る。つまり、この店の少なくとも僕の見える範囲では全員に聞こえて居る。しかも、助けて貰おうと姉さん達の方を見ればポテトを握ってるし、当の本人である副会長さんは顔を赤くさせながら頬に手を当てて「キャッ」って言ってるし、どうすればいいの?



疲れた、具体的に言えば体力と精神、その他諸々を限りなく0に近い所まで削られたが、まだ生かされてる感じ。はぁ、何で昼食を食べるだけでここまで疲労を追わなきゃ行けない訳?マジで教えて、もしくはこれは逃げられない事実?はぁ、憂鬱に成る前に疲れるよ。


ただ、あれから数分して食べ終わったので今日の本題である買い物をする事に成ったのだが、まぁ必然的にこう成るよね。男1人に対して女性4人の年上と来れば荷物持ちとは違うけど、女性の買い物が優勢的に成って当然付き合わされる訳で。


柔らかいアロマの匂いが周りを包み込み、見てて何れも同じ様にしか見えなくなる程に様々な女性服を置いて居る店の中、僕に集まる視線も当たり前の様に増え、そして彼女達の服を見せられる。これはどう言った拷問何だろうか?


「うーんと、ねぇ恋くん。ちょっと私の服見てくれる?」皆が服を選んで居るが、早目に決まったのかな飛鳥さんの声が後ろから聞こえ、振り返えり一瞬声が出なくなった。

そこには黒のジャケットに白いTシャツとダメージジーンズを履いた飛鳥さんが居て、何時もの真面目に見える飛鳥さんとは違ってカジュアルな感じで驚いたが、イメージが変わって居て見惚れてしまった。


すると「どうかな?その、似合ってる?」少し頬を赤くさそながら何時もと違う感じの服だからか、落ち着かないと言う声で飛鳥さんはそう言った。勿論「うん、何時もと違う雰囲気で凄く似合ってますよ飛鳥さん」と思った事をそのまま伝えた。


僕の言葉で安心したのか、飛鳥さんは緊張した感じが抜け、良い笑顔 誰でも自分の虜にしてしまう程の極上の笑顔を向けながら「ありがと、じゃあこの服買うね」と言って、店員さんの方に向かっていった。



男の僕に見せて来るのは分かるけど、何故にこうまで印象は変えるのに似合うのか、いや言わずとも分かるが、似合ってるんだからかあまり見せないで欲しい。

一様気恥ずかしい気持ちがあるんだから。


それにしても春先でも寒いと決めたのか、暖房が効きすぎてる。少し熱い、それと「この時期は店の中は常温設定じゃないんだから、くっ付かないでくれるかな。秋葉姉さん」背中から抱きつく様な形で柔らかい感触以上に熱を運んで来る姉さんにそう言った。


僕の発言に不満気があった様で姉さんは「えー、今日は朝とかあんまり抱きつけなかったからねぇ。それに此所コスプレぽいのとかも売ってて、今メイド服着てるから後でエッチなご奉仕沢山してあげるから、ダメ?♡」何で売ってるの、そして何で着ちゃってるの、言いたい事は沢山あるけど確かにスタッフも合わせて今は僕以外女性しか居ないけどさぁ、少しは自重してよ。

あと「熱いからダメだよ、離れてお姉ちゃん」取り敢えず恥ずかしいが、熱いの寄りはマシだ。


声を聞いた姉さんはボフッと音を建てると離れてくれて、少し覚束ない足取りで本当にメイド服を着て居た。

「れ、恋ちゃんは少しはその、そう場所!TPOを考えてそう言う発言をして!」貴方がそれを言いますか。と言いたいが、言ったら負けだと思うので言わない。


「もう、私も体が熱く成っちゃったし、服着替えて来る」まったくと言う感じでそう言って更衣室に向かう姉さんだが、だから貴方が言うのか、それを。


何で1着の服を見ただけで此所まで疲れるの?何か、これがあと1時間は続くと思うと流石さぁ。

溜め息が出そうな勢いでそう思って居ると、近くのカーテンが掛かった更衣室の中から「むふふ」と副会長さんの声が聞こえ、次の瞬間にはカーテンが全開きされ中が丸わかりの状態に てっ!更衣室の中には副会長さんとサクラさんが居て、何故か下着姿だった。

髪と合わせた様に黄色の下着を付けたサクラさん、そして黒く大人ぽっい下着を付けた副会長さん。服の上からでも2人のスタイルの良さは分かったが、布が少なくなった分、かなりそれが分かじゃなくて!「何してるの!」僕は直ぐに近づいてカーテンを閉めると、その場に座り込んだ。


いや、もうマジで色々もたなさそうなんだけど。この買い物。


座った場所がいけなかったのだろうか。カーテン越しとは言え、触れようと思えば触れられるし、声を出せば聞こえる。

「ねぇ、恋くん。恥ずかしかったけど私………どうだった?」サクラさんの声が聞こえ、続く様に「私は?これでも胸と腰とお尻には自身があったんだけど」何だろう、副会長さんのには答えたく無い。


でもまぁ、今日ぐらいならいっか。

「2人とも、見惚れちゃうぐらい綺麗でしたよ」そう言い、僕は更衣室から離れた。


暫くの沈黙が場を支配したが、離れたのは正解だった様だ。

更衣室の中から手が出て来て、僕が居た辺りを探しているから。



それから色々あったが漸く女子の買い物が終わり、次は旅行に必要な使い捨てカメラ、まぁこれは要らないけど、それ以外にも歯ブラシのセットや着替え何かを日別で分ける袋を買い、そのあと一向にセクハラをされて夕食ちょいまえにやっと開放されて、次は夕食だぁ。

何だろ、せっかく開放されたのにこの素直に喜べ無い感じは。


何時もと変わらないとても美味しそうな匂いが漂う夕食時の居間、秋葉姉さんは僕と結構な時間居たと言う事で近くには居るが、ベタベタはしてこず天音姉さんや夏海、母さんも朝色々としたのでしてこず、隣に居る海斗と、父さんは控え目だが世話を焼いて来る。

3人は理解してるし納得もしている様だが、何処か不満気な表情を浮かべて、父さんと海斗を見てる。


ただそれで止まる海斗では無い。甘えたいと言う気持ちと言うのか、此所最近しっかりと話して居なかったからだろう。

海斗は僕の左手を握るとそこから腕全体を体に密着させ、惜し気も無く頬擦りをしながら「ふふ、今こうして埋め合わせをしているが、恋。君はもっと僕に尽くすべきだ。そうすれば僕も今まで以上に君に尽くせるし、君の側に居る事も出来る。もちろん答えは今じゃなくていい。ただ、今は昔見たいに甘えさせてくれ」1人で盛り上がり1人で終わらせた。ただ、海斗の気持ちはとても伝わって来る、だから。だからこそ僕にはこの力が憎くて仕方が無い。


ほんと、僕ってつくづく不運と幸運の神に愛されてると思うよ。



空いている右手では夕食を食べ、父さんと話す。

そんな夕食が1時間程続き、シャワーで軽く汗を流し、今日は終わった。

誤字脱字、感想などがありましたら気兼ね無くご報告して下さい。

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