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空白のエルエリスト  作者: 新野哀歌
第一章
5/5

  3  月夜に奏でる旋律は    下

すっごく更新が遅れてしまいました!すいません!

では、はりきってどうぞ!

 そんな様子の中、パンパンッと手を叩く音が響いた。


「お前らー静かにしろー教官様の登場だぞー」


 けだるそうな声とともに太い剣を担いだ女が現れる。

「あら、アンジー教官。相変わらず偉そうですわねぇ。ごきげんよう」

 にこっと微笑むキュルアにファイがすかさずつっこみを入れる。

「お前も十分エラそうだけどな」

 それにキュルアはなぜか得意げにふふっと笑う。

 アンジー教官。フルネームはアンジェル・こう・イェアリ。この学校には珍しい女教官の一人である。そして、ファイらのパーティの顧問教官だ。しかし、女教官といえどなめることはできないほどの強さで、成績上位の生徒も太刀打ちするのが難しいほどの剣の腕前である。気だるそうでありながら、それでいてすべてを見通していそうなワインレッドの瞳と、肩のところで切り揃えられた黒髪が特徴。そして、

「教官、まだタバコ吸ってるんですか?休み前、注意されていたじゃないですか」

「黙れトール。これは棒付きの飴だ。アタシみたいな教官様もちっとは努力してんだよ」

「要するになにかくわえていたいわけですね」

タバコが止められず、いつも飴をくわえているのも特徴である。

 そんなアンジー教官は再び手をパンパンと叩いて、

「はいはい、休みは終わりだ。今日からまた思いきり扱いてやるよ。…と、その前に、このパーティに新入生を紹介する」

「新入生?このパーティに?」

 全員が怪訝そうな顔をする。

 それもそのはず。この、ファイたちのパーティは現在4人…新入生を含めば5人だが、それでもかなりの少数しかいない小さなパーティだ。なぜか。それは、このパーティはいろいろと訳ありの人たちが集まっているからである。訳ありの…周りに馴染むことのできない、協調性がない、特別な境遇である…それでいて能力だけは特別に高い人が集まるパーティ…。そんなパーティに新入生が入るのだ。

「こっち来い」

 アンジー教官が呼ぶ。すると、アンジー教官の後ろから小柄な少女が顔を出した。

 ダボッとしたフードを深く被り、顔を隠した少女。フードの下から微かに覗く肌はまるで雪のように白く、透き通っていた。

「ぁ、あの、ゎ、わたしの名前、喜々(きき)、って、言うんです。喜々・シャリ・シャルネ…。ょ、よろしく、お願い、し、ます」

 リン、と。まるで鈴を奏でるかのような小さく、儚げで美しい声が響く。オドオドしており、多少聞き取りにくいが、もう一度聞きたくなってしまうような…そんな声。

「戦うことは得意ではないみたいだが、今日からこのパーティで情報収集を担当することになった。少々人と触れ合うのが苦手らしいこともあり、このパーティに入る。まぁ他にもいろいろ理由はあるがな」

 アンジー教官が説明を終えると、セーナが真っ先に彼女に声をかけた。

「やぁ、喜々。オレはセーナ・イェン・キャスティス。3年生。よろしくね」

 どこからか、赤色のバラを一本取りだして差し出す。

 それを、恐る恐る手を伸ばして受け取る喜々。

「えと…。ぁ、ありが、とう、ございま、す…?」

 それに、キュルアはセーナを馬鹿にしたように

「やぁねぇ、疑問形じゃないの。また凝りもせずに口説こうとするから…。それに、バラの花なんてくさいにもほどがあるわよ、ふふふっ。わたしの名前はキュルア・ローリエン・ルイミネード。同じく3年生よ。よろしくね、喜々」

 続いてリィーア。

「あたしはリィーア・れん・トール、2年生。よろしく」

「俺はファイ・ファルデリア。2年だ。よろしくな」

 ファイが握手しようと手を差し出す。しかし、

「ひゃ…あ、の、ゎ、わたし、握手は、ちょっと…」

 それを見たリィーアは、こちらも馬鹿にしたように笑った。

「うーわ。ファイあんたダッサー」

「まったく、うちの男子共はロクな奴がいないわねぇ。ふふふっ」

 それを見ていた喜々は、不思議そうにある1点を指差した。

 それを皆目で追う。

「ぁ、あの、この方は……?」

 彼女が指差したのは、ファイが連れてきた機械人形。エルエリストだった。

 それに、アンジー教官は

「そうそれ、アタシも気になってた。なに?機械人形か?どっから手に入れてきたんだ?ん?」

 ニヤニヤとした瞳で聞いた。それは、これから起こることを楽しみにしているかのようだった。

「はい。わたくしは空白機械人形でございます。先ほどファイ様にも申しました通り、通常の軍事用機械人形に変わりわないと思われます」

「…へぇ?」

 

 

この2はまだ続きます。

また更新が遅れるかもしれませんが、またよろしくお願いしますね!!

ありがこうございます!

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