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それは空白という名の破壊
空白。
何もない。ただそれだけということ。
どこまでも果てしなく真っ白で、本当に何もなくて……。
否。
もはやそれは白ですらないのかもしれない。白よりももっともっと……。
ただたださみしくてかなしくて……。
かといって。
そこに理由があるわけでもなくて……。
そんな、空間。
しかし。
そんな空間にも、女神がいた。
一人の、かなしい女神。
ずっと。ずっとずーっと一人で。とてもさみしい女神。
女神は呟いた。
「人間はいい。たくさん仲間がいて。……けれど、もうすぐよ。もうすぐ破壊が訪れる。わたしと同じような罪を犯した子が、ここに、やってくる」
その言い方は実に穏やかだった。
「ねぇ人間。あなた達はこれにどう向き合おうというの?」
「運命の歯車はもう。動き始めてるというのに…………」