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アプリが未来を知っているんだが、使ったら人生が壊れ始めた  作者: Nono


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2/11

第2話「最初の勝ちと、彼女の違和感」

――増えてる。

 内田優成は、スマホの画面を何度も見直した。

 昨日の利益。

 そして、朝の時点でさらに増えた評価額。

「……マジかよ」

 現実感がない。

 だが、何度見ても数字は変わらない。

「……面白い」

 口元が緩む。

 アプリが通知を出す。

【本日の推奨行動】

・9:30 成行買い

・14:50 全決済

「……やるしかないだろ」

 迷いはなかった。

 昼休み。

 スマホを握りしめ、時間を待つ。

「あと一分……」

 ――9:30

「よし!」

 注文を入れる。

 その瞬間。

「なにその真剣な顔」

「うおっ!?」

 隣には石井梨乃。

 じっと覗き込んでくる。

「びっくりした……」 「怪しいことしてない?」

「してねーよ」

 即座にスマホを伏せる。

「……隠すってことは、してるんだ」 「してないって」

 内心は冷や汗だった。

(バレるわけにはいかない……)

「で、何してたの?」 「ゲーム」

「嘘くさい」

 即バレだった。

「優成って嘘下手だよね」 「お前が鋭すぎるだけだろ」

 梨乃は少し笑う。

「まぁいいけど。なんか楽しそうだし」

「……まあな」

 本当に楽しい。

 金が増えるって、こんなに気持ちいいのか。

 放課後。

「……どうだ」

 売却。

 結果。

 +126,000円

「……は?」

 声が漏れる。

「やば……」

 一日で十二万。

 現実じゃない。

「これ……続けたら……」

 頭に浮かぶのは、別の人生。

 金に困らない生活。

 そのとき。

 別の通知が表示される。

【警告】

・行動パターンの逸脱に注意

・観測対象に変化あり

「……なんだよ、それ」

 意味が分からない。

 だが、不気味さだけが残る。

 その直後。

 メッセージが届いた。

『今日、ちょっといい?』

 送り主――石井梨乃。

 夕方の駅前。

「最近さ、変わった?」

「何が」

「優成」

 逃げ場のない視線。

「別に」 「ほんとに?」

 沈黙。

「なんかね、余裕ある感じする」

「そうか?」

「うん。それに……ちょっと怖い」

「怖い?」

「遠くに行きそうで」

 言葉を失う。

「気のせいだろ」 「……そうだといいけど」

 梨乃は笑う。

 でも、どこかぎこちない。

「優成、変なことしてたら教えてよ」 「してねーって」

 そのとき。

 スマホが震えた。

【警告】

・観測対象:石井梨乃

・関与レベル上昇

「……っ」

 血の気が引く。

「どうしたの?」 「なんでもない」

 ポケットに押し込む。

(なんで梨乃の名前が……)

 分からない。

 ただ一つ。

 このアプリは――

 ただ儲かるだけじゃない。

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