表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アプリが未来を知っているんだが、使ったら人生が壊れ始めた  作者: Nono


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/11

第1話「謎のアプリ」

――こんなアプリ、入れた覚えはない。

 内田優成は、スマホの画面を凝視していた。

 見慣れないアイコン。

 黒い背景に、白い線だけで描かれたグラフ。

「……なんだこれ」

 アプリ名は――『Forecast』

 記憶を辿っても、ダウンロードした覚えはない。

 広告も踏んでいないし、変なサイトも見ていない。

 なのに、入っている。

「気味悪……」

 アンインストールしようとして、指が止まる。

 なぜか分からない。

 でも――消したらいけない気がした。

「……開くだけならいいか」

 タップする。

 画面はシンプルだった。

 グラフと、数字。

 そして、一行だけ表示されたテキスト。

【本日の推奨行動】

・銘柄コード:1192

・10:00 買い

・14:50 売り

「……は?」

 一瞬、意味が分からなかった。

「これ……株?」

 そんなの、やったこともない。

 でも、妙に具体的だ。

 時間まで細かく指定されている。

「……詐欺アプリか?」

 そう思うのが普通だ。

 だが――

 画面の下に、小さくこう書かれていた。

※結果は自己責任で利用してください

「当たり前だろ……」

 苦笑する。

 そのとき、ふと気づく。

「……今、9:58?」

 時計を見る。

 あと、2分。

 胸の奥がざわつく。

「いやいや、やるわけないだろ」

 普通はそうだ。

 でも――

 もし、当たったら?

 そんな考えが頭をよぎる。

「……ちょっとだけ」

 優成は証券アプリを開いた。

 以前、友達に勧められて登録だけしていた口座。

 残高は、十万円ほど。

「最悪、全部なくなっても……まあいいか」

 完全に軽いノリだった。

 ――10:00

「えいっ」

 成行で買う。

 それだけ。

「……ほんとにやっちまった」

 苦笑する。

 だが、この時点ではまだ“遊び”だった。

 授業中。

 優成は何度もスマホを見そうになるのを我慢していた。

(どうなってるんだよ……)

 気になって仕方がない。

 そして、放課後。

 我慢の限界だった。

「……見るか」

 スマホを開く。

 表示された数字を見て、思考が止まる。

「……は?」

 評価額――

 +23,000円

「……はぁ!?」

 思わず声が出た。

 たった数時間で、二万三千円。

「いやいやいや……おかしいだろ」

 震える手で画面をスクロールする。

 確かに上がっている。

 グラフも、一直線に近い形で。

「……マジで?」

 偶然?

 それとも――

「……まだだ」

 アプリの指示は“14:50に売り”。

 そこまで待てば分かる。

 帰宅後。

 時計は14:49を指していた。

「あと一分……」

 心臓がうるさい。

 たかが数万円のはずなのに、妙に重い。

 ――14:50

「今だ!」

 売却ボタンを押す。

 数秒のラグ。

 そして――確定。

「……っ!」

 最終利益。

 +38,000円

「……やば」

 声が震えた。

 本当に当たった。

 いや、“当てた”というより――

「未来、知ってるみたいじゃん……」

 アプリを見る。

 静かな画面。

 だが、その奥に何か得体の知れないものを感じる。

 そのとき。

 新しい通知が表示された。

【次の推奨行動は明日表示されます】

「……続きがあるのかよ」

 笑いがこみ上げる。

 怖さよりも――

 期待の方が大きかった。

「……明日もやるか」

 この選択が。

 自分の人生を大きく変えることになるとも知らずに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ