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對・出石軍

〈晴れ空にまさに北風極まれり 涙次〉



(前回參照。)



【ⅰ】


出石幕は、對・カンテラ一味の戰ひに際し、自分の「軍隊」を新撰組に擬へてゐた。局長・近藤勇役に「ニュー・タイプ【魔】」・微視佐馬ノ介(びし・さまのすけ)を迎へ、自分は副長・土方歳三役に収まる。實質上の指揮は出石自身が執り、微視にはカンテラ一味に於けるルシフェルのやうな、アドヴァイザリー・スタッフとして働いて貰ふ。そして、一番隊・二番隊〜五番隊迄の「兵隊」を揃へ、事に当たらうと云ふ譯だ。



【ⅱ】


カンテラ一味は、其処迄しなくては敵はぬ程の強敵である事、出石、身に沁みて分かつてゐた。まづは強兵策として、スーパーヴァイザーを招く- 自分のやうにカンテラ一味に手痛い一敗を喫した者を、出石は求めた。何より、リヴェンジの機會を伺つてゐる者である必要があつた。で、微視は* 鷹林孫兵衛・塙易如のコンビを蘇生させた。彼らは正確に云へば【魔】ではなかつたが、まあ「魔的」な者として幽冥界に籍を置いてゐたので、スカウトしたのである。彼らは惡癖であつた酒を絶つてゐた。特に剣士・鷹林は「鬼軍曹」役にぴたりと嵌まり、出石の兵らに剣術のいろはを叩き込んだ。出石、目を細めて、日に日に強く逞しくなつて行く兵士逹を眺めてゐた。そして、閲兵式をつひに敢行。微視、出石が訓示を行ふところ迄辿り着いた。



* 前シリーズ第164話參照。



【ⅲ】


實はこの時點で、カンテラ一味は痛恨のミスを一つ犯してゐた。ルシフェル、水晶玉で「ニュー・タイプ【魔】」の出方を探つてゐたのだが、それに微視が氣付き、塙に、彼の(彼は魔導士であつた)術、「魔的空間」を發動する事を要請、強力な催眠効果のある「魔的空間」は、水晶玉を通しても有効で、ルシフェルは手もなく眠らされてしまつた。カンテラがルシフェルに呼び掛けても、返事がない。訝しんだカンテラ、ルシフェルの籠もる墓を暴き、彼が昏々と眠つてゐる事を確認。(これは...)事情を知らぬカンテラであつたが、これが「ニュー・タイプ【魔】」の仕業である事は分かつてゐた。ルシフェルの助言の有無如何に依り、事態に雲泥の差が生じる事を忘れてはならない。



※※※※


〈洗濯の水の冷たさ我が骨が露出したよに骨身に沁みる 平手みき〉



【ⅳ】


急ぎ平涙坐を魔界に派遣したカンテラであつたが、それ程迄に出石の「軍備」が整つた狀態であつた事、全く意識の埓外で涙坐を使つたのが、更なる墓穴を掘つた。* 安保さん製作の「透明ボディスーツ」着用の上、涙坐は魔界に透明人間化し潜入したのだが、慧眼の微視、それをも見拔き、涙坐は出石軍の人質となつてしまふ。カンテラ、「開發センター」に赴き、自分の水晶玉でその事を知つた。倖ひにもカンテラに對しては「魔的空間」は發動されなかつたのだが、それよりも涙坐の身柄を奪還せねばならぬ。カンテラ・じろさん・テオで取りも直さず魔界に降りる事となつた。



* 前シリーズ第157話參照。



【ⅴ】


そこで一味の見たものは- 美々しくお揃ひの兵服を纏ひ、一糸乱れず動く、出石の「軍隊」であつた。カンテラ、出石がこゝ迄「やる男」である事に氣付かなかつた自分の不明を恥ぢた。彼らは、これも新撰組に倣つた、集團殺法を用ひ、カンテラもじろさんも、複數の兵隊逹を相手にしなければならない。堪らずテオは持ち場を離れ、事務所に戻ると、牧野、白虎に援軍を求めた。牧野は勿論、「龍」のマスターとしての出馬である。



【ⅵ】


白虎・「龍」のデータは、流石の微視も持つてゐなかつた。今迄、所謂「奥の手」として温存してゐたのが功を奏した譯である。白虎・「龍」は、日頃溜まつた鬱憤を晴らすやうに、暴れに暴れた。特に「龍」の鱗には剣も齒が立たない。出石軍は一旦退却を余儀なくされた。涙坐を連れた儘...



【ⅶ】


さて次回、涙坐奪還篇としてお送りしやう。それ迄に、カンテラ一味參謀テオ、何か出石軍を出し拔く妙案を用意せねばならぬ。と云ふ譯で、次回に續きます。ぢやまた。



※※※※


〈大口が小口に變はる寒さ哉 涙坐〉



PS: テオ、出石は「敗軍の將」であり、その酷い思ひ出が、彼をこゝ迄追い詰めたのだ、と知つてゐた。其処ら邊を衝くのが、だうやら得策のやうだ。天才脳が精密機器のやうに働く... 何かweb上にそのヒントが上がつてゐる筈。彼はそれを探し、PCに首つたけになつてゐた。



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