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魔女?とスライム。

 ここは迷宮の地下6階、大蟻・大蝙蝠・大ナメクジ・大カエルが飛び出す入り組んだ通路を進み、迷宮の最深部の扉の前に立つ私達。

 一度引き返すつもりだった私は、今なぜこんな事になったのかと言うと・・・・・・・・


「このダンジョンは確か6階が最下層ですよね?

 その・・・6階にいるダンジョンの主人はどのような・・今の私達で勝てる相手でしょうか」

 クエストの内容は[この迷宮の主に認められる事]

 そして[主からお守りを受け取る事]迷宮の主に私達の力を認めさせるには、まず戦って勝つ事が前提条件のはず。

 なので勝てないなら、一度体勢を立て直すべき。。。ですが。


「彼女の強さは不明ですが、ドラゴンを単身、一人で倒せるレベルだと聞いています。

 その上でアルシア様にお聞きします、ドラゴンをお1人で倒せます?」


「・・・・」

(モノによる、とは言えませんよね)


 今ある手持ちの武器とアルシアの筋力。

 この身体を壊さず、ルージュ達を守りながら戦う事が前提での戦闘では、飛竜?

 レッサーファイアーワイバーン(笑´∀`)??が限度でしょうか。


(アレがドラゴンの一種だとすればですが。

 少なくともこのチームで竜殺しとやり合うのは無謀でしょう。

 武器を新調するか、作戦を練る必要がありますね)


「なるほど、では1度出口に戻りましょう」少し考えた私は、撤退を進言します。


「うふふふっ、少し意地悪を言ってしまいましたね。

 アルシア様?このクエスト、実はダンジョンの主を倒す事では有りません。

 ダンジョンの主人に会い、きちんと挨拶すればお守りをくれるんです。

 ここは初心者の為のダンジョン、このダンジョンで求められている物は準備と心構えです。

 学園の生徒が始めて挑戦する場所、実力を付ける前のお試しダンジョンですよ?」


 ニコッと微笑むエルデの笑顔は、まるでいたずらが成功した子供のようでとても可愛いかった。


(くっ!脳がバグる!

 アルシアより年上で、お姉ぇさんっぽい感じで、[オレ]にとっては10才は歳下の女の子

[しかも可愛い]とか!どんな目で見りゃいいだよ!)

 元勇者と元社会人、二つの人生経験[約50年]を持つアルシア、彼女の中に生まれたこの不思議な感覚の正体は何であろうか、元勇者の私には解らない。


(~~~もにゅっ、てします。

 顔がにやけて何と言うか・・恋?じゃないとは思いますが、ん~~~ん、解りません)


「エルデ様!私のアルシアお姉ぇ様を誘惑するのは止めて下さい!

 お姉ぇ様も!エルデさんがちょっと可愛いポーズしたくらいで、そんな嬉しそうなお顔をして!

浮気はダメですからね!」

 

・・・浮気?「って!ちっ違いますから!

 浮気とか!・・?よく解りませんが、とにかくそういう感情ではありませんから!」

 私、いま私、女の子なんですよ?

 それに40年近く歳の離れた女の子を恋愛対象とか、そんな目で見る訳ないでしょう?

(この感情はただの気の迷いですから!

 10代の女の子にそんな感情、有るわけ無いんですよ)

 犯罪ですよ犯罪、東京じゃ青少年保護条例で逮捕されちゃいますからね!


「と、とにかくです!

 クエスト条件がゴールに着く事なら、後の問題は道中の魔物だけですね。

 罠は私の方で判別しながら行きますので、準備が出来しだい6階に降りて見ましょう!」

 ルージュの追求を逸らす為に話題を変えて荷物を纏める、彼女、ジッと上目使いで睨むんです、そんな可愛い顔で睨まれたら、私どうしていいのか解りません!


「ルージュ、私と、いきましょう」ね♡

「ハイ!」すごく良い笑顔、、、上手く誤魔化せました。


・・・・・・・・・・・・

『私と共に歩む勇者達よ』みたいな感じで、魔物を倒す。

 出てくる魔物も弱い、ダンジョンでアリとか蝙蝠とかです。

 いくら多くても『お前の顔も見飽きたぜ!』ですわ。


(まぁ、心の中だけのセリフなんですが)


 ダンジョン攻略を再開する私達は冷凍ガスを躱し、飛んで来るボウガンの矢を剣で受け流し、落ちて来るブロックをスライディングで避け、ようやく、迷宮の主が待つ部屋の前まで来たわけです。


 偵察者[スカウト]技術は、魔王の城に繋がる地下迷宮で身に付けていましたが。

 『罠の気配くらい、肌とか勘で感じて避けないとすぐに死ぬので』

 魔王の城まで到達する程度のチームなら、普通に身に付くますが、、、誰かチャレンジして見ません?

  

「この扉には・・・罠の感じは無さそうですが」

 堅い木製の扉の隙間を手の平で探り、扉を補強する鉄板と鉄の鋲を指で触る。


(毒針・酸・ガスの噴出口も無し・・あとは・・・)

 扉を開けたとたんに、落ちてくる天井からの岩とかでしょうか?

 油断した侵入者を最後の扉で罠に嵌める、この先がダンジョンマスターの部屋ならそれくらい普通です、それが全く無いという事は無いはず。。。どこかに罠が、あるはずなのですが。


「そんなに気を張らなくても大丈夫ですよ?

 そこのドアノッカーを使って中の方に合図をして下さい」

 昔の扉で良く見る、金属の獅子が金属の輪を加えたドアノッカー。

 輪を掴み、コンコンとドアの金具に打つタイプのアレです。


 コンコン、「失礼します、マスター様はご在宅でしょうか」

・・・・・

「あ~~お客さん?学園の人達?ちょっと待ってね、今開けるから」

 ドタバタドタバタ、バサッ!ガサガサ、バタッ!!

 扉の中から若い女性の声がして、足音が響く。


・・・・・・・・・


「お待たせ、っと、学生さん?

 あ~~お守りね?ちょっと待ってね、いまちょっと散らかってて」チラッ。


 見た目20代の女性だった。

 長髪で寝癖頭の彼女はローブを身に付け、恥ずかしそうな顔で後の部屋を少し見せ、ね?解るでしょ?見たいな顔で扉の入り口で立ち塞がる。


「・・はぁ・・すみません、少し失礼しますね」

 私は通せんぼする彼女の横をすり抜け、散らかった部屋を確認。

 まずはその床に落ちてる衣服を片付けます。


「キュアスライム、君に決めた!」


「えっ!?・・キミ、なにを?」


 フォルシオンの柄に埋まった宝珠に、5階で拾ったスライムの結晶を嵌めた。

 大量のプリティエナジー?を取り込み、キュアエナジーで浄化された魔物が極稀に落とす結晶らしくて、青い水滴型のスライムの結晶です。途中、瓦礫の中に落ちてましたので拾いました。


 このスライムの結晶は、キュアが持つ宝剣の柄にある魔法宝珠に吸い込ませると、『にゅるん』とスライムが切っ先から飛び出します。


「仕事ですよスライム、食べなさい」

 ぷるんと身体を揺らすスライムは、床に落ちていた靴下を取り込んだ。


「ちょ!きみ!いくら部屋がアレだからって、ひとの靴下を魔物の餌に・・・」


 ぺっ!スライムが靴下を履き出し、次ぎは落ちていたハーフパンツを飲み込む。

「えっと・・どういう・・・」すこし湿気た靴下を指先で摘まむ。


「乾燥魔法は使えますよね?そちらはお任せします、私は部屋のゴミを纏めますから」

地下で生活するなら、洗濯物を乾燥させる魔法は必須のはず。

 それとも部屋干しで済ませる感じでしょうか?


「スライムに衣服の汚れを食べさせますので、汚れ物は全部出して下さい。

 健康な生活は清潔な環境と正しい食事です。

 掃除が終わったらカエルの腿肉を料理しますので台所をお借りします、いいですよね?」

 だらしないのは仕方ないとしても、女性の部屋が汚れたままなのはダメです!

 私の目が黒い(今はアーモンド色ですが)うちは、床が見えないような汚部屋など!

 絶対掃除!ゴミ屋敷など許しません!

魔物が落とすマモノ結晶、剣に入れてキュアエネルギーを与えると使い魔?仲魔としてマモノを使えます。

剣から出した使い魔はキュアのエネルギーで出来た体なので、倒されてもエネルギー[光の粒子]に戻るだけで何度でも復活できます。

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