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君の名は??

強敵現る!

 魔力が枯渇して意識が消えそうなレイピアは、ぎりぎり立ってるだけで限界が来ていて、キュアレイピアの身体の周囲に火の粉が舞い、赤い光がはじけ変身が溶け始めている。


「少し無理をし過ぎですよ、、でもよく頑張りました」

 頑張った彼女に優しく声をかけ、レイピアの髪を少し上げて私のリボンを髪に結ぶ。

 私の手首と髪に巻かれてある、虹色の[キュアレインボーリボン]コレを結ぶと魔物や一般人にキュアキュアの正体が解らなくなる。仕様だ。


「ペリー!しんがりは私が勤めます、彼女をベースキャンプに運んであげて下さい!

 彼女にケガとかさせたら羽根を毟って焼き鳥にしますからね?

 ハリー!貴方も一緒に戻りなさい!」

「えっ!でも」

「・・・少しヤバ目の気配がします、誰かを守りながら勝てるような相手では無い、

そんなレベルの魔獣の気配です。なので行って下さい」

 私1人なら逃げる事も戦う事も出来るでしょうけれど、正直ほかの方は邪魔です。


「大丈夫です、私、失敗しませんから」本来なら中盤に現れるキュア少女X の立場なんですから。


 それに私、失敗を成長の糧にして学ぶタイプなんです。

 私が生きて戦える間は[失敗は無い]、学んでいる最中・成長している最中なんで負けは無いのです。


「じゃぁ任せるけど、もし魔獣を倒したら持って帰ってね、食べるから」

「あげません!」ゲッ歯目はその辺に落ちてる物でも食べてなさい!


「む~~意地悪でケチんぼなんだから!

 可愛いハリネズミに美味しい餌をあげて喜ばせようって心は無いの?」

「・・・」

 可愛くないハリネズミの着ぐるみを着た、中身化け物を喜ばせてどうするんだよ?

 無言の圧力を込めて睨み付けた。


「まぁいいや、キミが警戒するような相手ならボクが居ても邪魔になるだけだろうし、今日の所は先に逃げさせて貰うよ。


・・・確かキミ達人間はこんな時『こんな恐ろしい化け物の居る場所にいつまでもいられるか!私は先に逃げさせて貰う!』って言うんだろ?」


「ええそうですわ、なのでどうぞお先に逃げて下さい」あとそれ、死亡フラグだからな?

「じゃ、お先にソニック!!!」

 転がり回転しながら走るハリネズミ。

 それにしてもやたら速い、ヤツはSEGA出身のハリネズミなの?

 

 高速で転がり去ったハリネズミから目を戻し、空の向こうから飛んで来る気配に身構えるアルシア、その視線の先に見えている魔物は数百m先からこちらを捉え、真っ直ぐ飛んで来ていた。


 黒く光る巨体に見えるのは雄雄しくも猛々しく反り立つ巨大な角、

 戦い鍛え抜かれた逸物で風を切りながら飛ぶ森の王、昆虫王者[DXムシキング]スーパーカブト!

 虫の王が自ら空を飛び、配下の虫を従え現われたのだ!


 数百mの距離を約1分、すでにアルシアの頭上にその巨体が停止し、そのままの勢いで大地に落る。


 ドスンッ、と岩が空から振ってきたような音を立て地面に爪を立て、その黒い複眼でアルシアの姿を確かめているようだった。


 その黒光りする軽トラサイズの巨体、堅い外骨格の鎧の中に筋肉をキツく詰めて固めた甲虫の怪物、その化け物が人間の少女を前に動きを止めている。


・・・・・・・・・・・・・・・・

 森の中にそびえる樹齢400年を超える大樹、その幹で樹液をなめていた虫キングは森の虫達が何かに呼ばれるのを見ていた。

 

『つまらない』それが虫キングが最初に持った感情だった。

 魔物を呼ぶ声は魔物の主には効果が無い、それなのに虫キングが大樹を離れたのはただの感だ。

 強敵を知らせる虫の知らせ、それが虫キングの触角を振るわせたのだった。


 “敵”

 宿敵の気配、仇敵の匂い、自分が倒すべき存在の波動。

 そんな形も無いナニカ、が虫キングの羽根を拡げさせたのだ。


 そしてその場所に近づくほど、敵の気配が強くなっていく。

 昆虫の王、樹齢400年の大樹に君臨するDXムシキング、その魂が宿敵の気配を捉えた瞬間だった。


 そう、あれは虫キングが生まれる遥か昔、自分達の祖である虫の王が敗北し、下野した事に端を発する話。


 当時最強の虫キングの前に現われた強き獣、王と獣はぶつかり合い、そして王は敗北した。

 敗北した王はその座を離れ、森は次ぎの王が誕生するその時まで大いに荒れた。


 オーガコング、悪魔編目錦蛇、鎧ムカデ、鬼蟋蟀、マンモス象虫、エンペラー蜜蜂。

 森林界を代表する猛者達が覇権を競い、森は力と戦乱の世界に突入した。


 その戦乱を力で屈服させ、覇者となったのがDX虫キングだった。

 虫キングが幼い頃、白い幼虫だった頃に腐葉土の中で何年も聞かされた、王の敗北。

 魂にまで刻まれた屈辱の事実、王の血とその中に眠るDNAが宿敵の匂いを感じ取ったのだ。


『・・・コレが、か?』

 目に映ったのは小さく白い若木のような生き物、人間という生き物だった。

 先代の虫キングが負けた相手も人間だと聞いた、だがそれはコレとは違うはずだ。


 薙払えば簡単に手折る事の出来そうな細い身体、一突きで身体を貫けるほどの薄い身体、コレは獣の中でも弱い部類の生物、そう彼の複眼には映った。


 思慮深い虫の王は争いを好まず、背を向ける者は追う事はしない、強き王者だった。

『致し方なし』そう口元を動かし、王のカブトは後の2本で大地を掴み、その身体を立ち上げた。


 角を含めた全長が4mを超える甲虫王者が立ち上がり、そしてその巨大な角を天に向けて突き出し、キユゥゥーーーと声を上げた。

 瞬間、虫キングとその配下、配下を含む森の猛者達が息を止め、そして声と羽音と鳴声を上げる。


 きゅきゅ!ジジジジ!!ガチャギャチャ!!リリリリ!!!

「虫キング!虫キング!」「甲虫王者!!!」「DX虫キング!」「森の王者!!」

 多分そんな感じの喝采を上げているのだ。


 ちなみにカブトムシはきゅぅきゅうって鳴きます。


 虫達の熱とボルテージが上がる中、たった一人残されたアルシア、草原は虫と獣に有利な地形、森の昆虫であるカブトムシでも基本能力を20%上昇させる。


 そんな地形は人間であるアルシアには効果を持たない。

 能力上昇値+-0%のフィールドで、虫に囲まれ絶体絶命!


 次回[聖剣乱舞、聖☆ソードキュアキュア]

 輝け、虹の剣士フォルシオン!

 その名は今!

 

 次回も見てね♪

 

その名は甲虫王者!デラックス虫キング!!

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