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通学路の少女達と午前の授業。

「と、いう事がありましたの」

 他のマジカル?アニマルもそうなのかと聞いて見た私、アルシア。

 今朝はエルデさんと通学中、あの犬?も大豆を食べるのでしょうか?

「ふふっ本当ですの?パスカルに大豆を与えたら同じ反応するのかしら」

「お姉ぇ様!私もペリーに大豆をあげて見ますわ!」

 

 食事を終えた私は寮を出てすぐ、通学路を先に歩くエルデさんと朝の挨拶して歩いていました。

 しばらくするとルージュさんが走って来て「アルシア様、おはようございます!」って私の左腕に抱き付き、早足で引っ張る。

 不意に彼女に身体を引っ張られ、少し早歩きになった私は今度は右腕をエルデさんに捕まった。

 現在は左右を美人と美少女に挟まれ、???って不思議な状態で登校中なのであった。


(背後からも鋭い視線を感じますわ、ホリーさんはなぜ私を睨むのでしょう?)

 鞄を持ってくれているメイドさん、笑顔なのに黒い靄のような怒りのオーラを感じます。


「お二人はえっと、初対面なのですよね?私が御紹介しても?」

 エルデさんとルージュ、二人は同じ学園の生徒ですが、別の学年で面識が無いはず。

 ここは私が二人の間を取り持ってあげないと。


「ありがとうございますブラットリー様。

 ですけれど、ここは上級生の私からご挨拶させていただきますわ。


 はじめましてオルフェルク様、わたくし、エルデ クロファルドと申します。

 ブラットリー様には色々と仲良くしていただいております」ニコッ

 笑顔を傾け名乗るエルデ、その視線はなぜか私に向いています。


「私の方がお姉ぇ様と仲良しですわ、クロファルド様」ニコッ。

 彼女もなぜか私に笑顔を向ける、挨拶する時は相手を向いて挨拶するのでは?

 わたくし、アルシアは訝しんだ。


「初めまして、ルージュ=オルフェルクです、お姉ぇ様にはルージュと呼んでいただいています」

 左腕を強く引っ張りながら私じっと見てくるルージュ、[親しい友人が、自分の知らない友達を連れて来た?]見たいな心情でしょうか。


「そうなのですか?では私もエルデとお呼び下さい、だって私達、お友達ですもの、ね?」

 笑顔なのにちょっと恐い、え?二人ともなんで?


(友達・・・そう言えば友人ってどうやって作るんだっけ。

 なんか気が付けば友人してたって事はありましたが、俺たち今日から友達っ、て事は無かったな)


 それに『オレ達友達だろ?』ってのも、基本は悪い場合で使う言葉だしね。

 連帯保証人とか金の貸し借りとか名義貸しとか、するわけ無ぇだろ、俺たちダチじゃねぇし。


「?お姉ぇ様?」「ブラットリー様?」

「・・っ、すみません少し別の事を。

 そうですよね、友達作りは大事ですよね。

 エルデ様、私の事もアルシアでお願いします」

 

「!・・ブラットリー様」

「『アルシア』ですよ、エルデ様、これから名前を呼んでいただかないと私、お返事いたしません」

「っ・・アルシア様、ッ~~~」

 エルデさんはこのアルシアからすれば年上ですが、さすがに彼女をお姉ぇ様って呼ぶのはちょっと、だって私、中身は20代の男なんですもの。

 あとエルデさん、腕の力が、腕の力が強いです!

 私の腕、血が止まって白くなって来てますから!!


 両腕に掛る二人の力が増して動けません!

「お嬢様、遅刻しちゃいますよ」

 私の背中を刺すような眼で見ていたメイドさんの一言でようやく二人の腕が離れた。

 ありがとう、本当にありがとうホリーさん。

 

・・・・・・・・・・・・・


 世界を創造した神は、闇から土塊を創り、光りから魂を取り出した。

 巨大な土塊から星と大陸を、小さな土塊からは生物を造り魂を閉じ込めた。


 大地そして星の奥底に眠る火の塊、それは魂が産み出される前に存在したと言われるエネルギー、つまりこの星の中に魂が・・・


「・・・・」眠い、学校の授業とは、こんなに眠気を誘うものだったとは・・・


「・・・ブラットリー君に質問だ。

 ヒトの魔法で地の底の溶岩を造り出す事は可能だ、ではヒトの魔法で魂を有した生物を造る事は可能だろうか?」

 1000のEX神スキルの一つ[完全に起きているフリ]THE オーギュスト ロダン

 考える人バージョンの私を差す講師、まさかこの講師!私のEXゴッドスキルを見破ったの!??


 真偽はさておき、[熔融岩漿破]マグナード、[炬炎魔陣]イグナードなどは魔力で熱を生みだし、周囲の岩や砂を焼き溶かす高位の魔法です。

 

 岩に魂は無く、溶岩が星の魂であるなら溶岩を作り出し、岩や石に閉じ込める事が出来ればそれは小さく星を模した事に他ならない。ですが。

  

「不可能です、ヒトの作り出した溶岩は岩を焼き溶かした物に過ぎません。

 鉄・銅・銀を溶かしても魂にはなりません、当然土も同じです。

 光りから魂を取り出した神様の奇跡と、ヒトの魔法とは別の物と考えるべきです」


 神様は光りから魂を産み出したのでは無く、神様の魂が、光りに近いエネルギーを持っていたと考えるべきでしょうか?


「よろしい、非常に結構な答えです。

 確かに残念な事ではあるが、神の奇跡とヒトの魔法とは別の物と言うのが神殿の言い分であり、今の所は神官の使う[奇跡]と魔法は系統を別にしているのが実状です。

 ですが200年前、この世界に現れた勇者達が使ったとされる魔法や奇跡を研究すれば・・・・」


 カラ~ン・カラ~ン・カラ~~~ン・・

 正午を知らせる鐘が鳴り、午後からの受講準備がある学生達が静かに教本を閉じ始める。

 生徒達は席の周りを片付け始め、教室の空気は授業の終わる雰囲気に包まれた。

  

「・・残念だ、実に残念な事に講義の途中ではありますが本日はここまでだ。

 次回の講義は魔導生命の基本を講義させてもらう、各人はそれぞれきちんと予習して受けてくれたまえ」以上である。

 その声と同時に立ち上がり食事に向かう生徒達、アルシアはゆっくりと教室の入り口に目を向ける。


ぺこっ、小柄なメイド、ホリーさんが小さく会釈して私の方に可愛い顔を向けてくれてます。

(クッ、可愛い!)


 私は勤めて無表情を作り、右手を少し振る。

(アルシアさんは表情を出さないタイプの女の子でしたので、私を知る人物には出来るかぎり無表情でないと怪しまれてしまいますから・・ですが)

 

 少しずつ笑顔を出して、普段の印象を変える。

 そうして行けば周りも自然になれてくれるはず。

 笑顔は重要、笑顔は社会人の武器であり鎧なんです。

 少しずつでもキミの笑顔を、周りのひとへ。


EXゴッドスキル、起きているフリ。

右の拳で顎を支え、猫背っぽく身体を前に倒す。

その姿は銅像のように動かず、なにか考えているような・そうでないような雰囲気を放つ。

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