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力を見せろと言われましても。

・・・・とまぁそういうことで。

「私達は事情があって、王子とは別にダンジョンに挑戦したいのですダリウス様。

 許可をお願いできますよね?」

 若干高圧的にお願いするルージュ、貴族の位が高いからってそんな言い方は。

「いや、ですがその・・それなりの実力がなければケガをされては」


 フフッ、ダリウスの言葉にルージュの口元が上がる。

「それなりの実力があれば問題ないのでしたら、私の!

 アルシア様が許可を得るのに何の問題もありませんわ!」


 私のって・・・


「いや、その、オルフェルクお嬢様、それなりってのは物のたとえで、その、オルフェルクお嬢様くらいのレベルじゃ許可は出せませんよ、ましてや・・」

 王子の婚約者にダンジョン行きを許可出来るレベルとなると、自分と同等かそれ以上が必要。

(王子達に角が立つからオレはお断りさせて貰いますが)

 最低でも2人、前衛と後衛が必要だろう。


「フフフ、ダリウス様、『女子、3時間会わざれば刮目して見よ』ですわ。

 私もすでに実戦の経験があります、以前の私と同じと思われているのでしたら大間違いですわ!」


「へぇ・・ちなみに何と戦ったんです?」


「ゴブリンです!それと野犬と鳥でしょうか、虫も倒しましたわ!」


「ははっ、まぁ、それは何ともおめでとうございます」

 胸を張るルージュと、彼女をバカにするような表情を隠して笑うダリウス。

 

 確かに聞くだけだとショボイ雑魚ばかり、ですが実際はゴブリン種多数[約50匹]

 野犬[筋肉ムキムキの野生の狂犬の群れ、約20匹]

 鳥、[翼含めて大体2m、複数]

 虫、全長3m程のムカデ・クモ、蟋蟀[肉食]あとなんか不気味で足の長い虫、普通なら魔法剣が無ければ勝てない生き物ばかり。


「最近のゴブリンはそれなりの魔物ですが、、ですがそうですね・・・

 ゴブリンならゴブリンエンペラー!?


 ゴブリンエンペラーを倒せるレベルでないと、許可は出せませんね。

 ただのゴブリンを何体倒してもゴブリンはゴブリン、戦士が力を示すなら、強敵を倒さないと認められませんよ」


「ゴブリン・・エンペラー・・?」だと??最近はそんなのが居るんだ

「確かにゴブリンエンペラーは倒した事は無いですね」

 

 勇者をやらされていた時でも『外宇宙からの侵略者!ゴブリン、レンジャー!』とか言うやつと

 ヤツらが乗る巨大ロボ『五体合体!創星機神、ゴブリオン!』と青い月に格納されていた

 『ゴブリンフェニックス』

『超絶新星究極機神合体!

 銀河[ギャラクシー]創星神!GODゴブフレイム=バードリオン!』

 みたいな長ったらしい名前の巨大ロボを倒した記憶しかありません。

「困りました」


 この世界で虐げられているゴブリンを救う為に来た、別次元・別宇宙のゴブリンだ!

 とかよく解らない事を言ってましたが、[ゴブリンスレイヤー]の称号を持つオレの敵ではありませんでした、勇者の私はなんとか頑張って倒しましたよ。


「そうでしょうとも。

 ですがゴブリンエンペラーも数有るゴブリンの上位種の中では最弱!

 ゴブリン四天王の中で最初に倒されるゴブリンです、その程度は軽く倒して頂かないと迷宮への挑戦は認められません」

 アルシアが困っていると畳み掛けてくるダリウス、四天王の中でも最弱って・・・


「ゴブリンエンペラーがなんですか!

 そんなゴブリンの1匹や2匹!アルシア様の敵ではありませんわ!

 お姉ぇ様の剣はキンキンキンなんですから!」


「はぁ?キンキンキン・・ですか?

 よく解りませんが、そんなよく解らないのはダメですね、認められません。

 って事で迷宮経験者の上級生と組むか、強い傭兵を雇ってチームを組んで下さい。

  雇う戦士が銀等級の冒険者なら1人、銅または鉄等級の冒険者なら3人で良いんで。


???銀等級?私、勇者だった頃は元SSS’GZ’EXランク冒険者扱いでしたが、それではダメなのでしょうか。


「銀等級・・」

「ええ、銀等級です。少し値が張りますがブラットリー嬢様達が迷宮攻略して頂くには、そのくらいの冒険者を同行させて頂かないと。

 なにか事故や罠があった場合、安全を確保できません」


 実の所、この学園の実地訓練・実戦訓練は若い貴族同士の婚活の場所。

 婚活会場の役割でもあった。

 騎士階級の若い男子は上級貴族の女性と組んで迷宮に挑み、体力・戦闘力を見せて自分が有望な男子である事を示す。

 万一で魔物や野盗が暴れても戦える強く逞しい男を見せる場、そして上級貴族の男子は美人で可愛い女性に強い所を見せて口説く場所だった。


 そして学園の女生徒は、健康で頼りになる顔の良い男子貴族や、有能で後々名を上げそうな[平民]冒険者を見つける場所。

 学園に管理されたダンジョンは、本気で戦いを求めて入る場所では無い。  


(な、もんで、婚約者が居るブラットリー様に許可を出すのは無理なんです)

 婚活会場に婚約者がいる者を呼ぶのはルール違反、とくに相手が王族の婚約者なんか絶対にNG。


「銀等級がなんです!アルシア様の実力はタングステン級ですわ!

 銀等級の冒険者なんか相手にならないほどスゴイんですわよ!

 ・・少なくともダリウス様と互角くらいは有りますわ」


「タングステンって、、、」

(またどこかの転生者が持ち込みましたか、また面倒な物を・・そもそもタングステンってどの程度のランク?)堅くて重いタングステン。


「・・・そりゃぁ、ダメでしょうオルフェルクお嬢様、、、

 一応こっちは講師なんでそういう言い方されると、剣で実力を見させてもらう事になりますよ?

 剣での試しって事になれば、相手がお嬢様でも手加減出来ませんが?」

 困ったような顔だったダリウスの表情が変る、少し圧を込めた気が空気に満たし訓練場の温度が上がる。


ふぅ・・「・・・すみませんでしたダリウス様、ルージュ様の言葉は謝罪します」

「えっ、あっ・・ああ、そりゃどうも」

 頭を下げたアルシアの行動に、僅かに上がっていた熱を抜かれるダリウス、彼は頭を掻きながら会釈するように頭を下げた。

 

「ルージュ様も、年上の、しかも武術の師範の方に『私の実力が彼に並ぶ』などと言えば怒るに決まっています、だめですよ?」メッ!

ルージュにも窘めるアルシア。

 貴族で家の位が上でも、相手のプライドを傷付けては争いの元になるんですから。

「はい・・でも」

 優しく諭すアリシアの言葉、それでもまだ少し、納得していらっしゃらないご様子。


「と言う訳で、ダリウス師範、私と試合をして頂けませんか?

 剣の技を見てもらい、もう一度考慮して頂けると幸いなんですけれど」

 まさか、私[女子』が試合を申し込んでいるんです、男で武の師範が逃げたりしませんよね。


「む・・いや、、ですが」


(何を言われようと許可を出す気は無いんですが、ん~~そうだな、少し本気で相手して自分の実力を理解させれば諦めるか?

 それにこれ以上ここでオレが説得しても聞かねぇだろ、、相手は生まれついての貴族様だからなぁ・・)


「しゃぁなっ、、仕方ないですね、ですがさっき言いました通り、相手がブラットリー公爵令嬢様でも手加減できませんよ?」 

 面倒事を押し付けられたような顔のダリウス、私にも気持ちは解ります。

 面倒な担当を押し付けられた時の私もこんな顔をしてたんでしょう。


「ふふっ、手加減して頂けないのは少し困りますが、私も力を見てもらえるよう努力しますね」

 努力・誠意・対処・気持ち、大人が使う基本的社交事例。 

 

 さて、この時代の戦士はどんな戦い方をするんでしょうか?

 私、気になります。

『超絶新星究極機神合体!

 銀河[ギャラクシー]創星神!GODゴブフレイム=バードリオン!』

どこまでも強くなる、そして無限に増えるゴブリンの種類、いったいいつまでゴブリンは増え続けるのだろうか。

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