サイコメトラーアルシア!
(驚いて思わず力技を使って失神させてしまいましたが、、、ごめんなさい、もう少しだけ協力して下さいね)
私の腕に抱き付いて目を瞑るホリー、彼女の額に私は手の平をあて。
神様から預かった1000のEXゴッドスキルチートスキル[読心術]サイコメトリーを発動!
(ホリー、キミの目には映った私は、どんな女の子でしたか?)
・・・・・・
紅茶を飲むアルシアの唇を凝視する私[ホリー]、なるほど確かに私[アルシア]はなにを考えているのかよく解らない顔でぼーーと、どこか別の場所を見ていた。
しばらく[大体1時間ほど]なにも喋らずにお茶の時間が終り、次ぎのシーンでは人形のように大人しいアルシアの身体を洗う映像・・・
(この娘・・)
アルシアのうなじとか、細い肩とか背中とかお尻のラインとか、見過ぎでは・・
伝わってくる感情も多分・・・
敬愛とか熱愛とか情愛とか恋慕とか。
好意を超えて、愛欲か信仰に近いのですが。いったい何があったんだ?
(もう少し深い所を・・・)
他人の心の奥底、プライベートな深層を覗き見る行為は本来マナー違反ではありますが。
彼女の大事な思い出、今の彼女の感情を構成するに到った記憶を盗み見る事にしましょう。
・・・・・・
天井が高くて床が近い、多分10歳くらいの視界だろうか、私はお腹を空かせながら先輩メイドの後を付いて屋敷の廊下を歩いていた。
(おなか空いた・・良いにおい・・)空腹で血糖値が下がり、寝不足で血圧が低い。
先輩メイドの押すカートには美味しそうなお菓子と紅茶、お嬢様の紅茶の時間らしい。
ノックのあと「お嬢様、お茶をお持ちしました」の言葉と共に指示を出す先輩。
「失礼いたします」カートを押す先輩の指示で部屋の扉を開き、扉の近くで待機する私。
陶器のぽっとから湯気を出して注がれる赤い紅茶、部屋に広がる果実のような香り。
「お嬢様」そう問いかけられた少女は、表情を変えずにカップを摘まんで口を着ける。
なにも考えてないような少女、自分とそれ程かわりない歳のお嬢様はヒラヒラの綺麗な服で身を包み、日光に包まれたお嬢様は、物語に出てくるような綺麗なお姫様のよう。
憧れと同時に身分の違い、生まれの差を思い知らされて・・惨めさでチリッと私のどこかが焦げた気がした。
この日の私は少し寝坊して、朝食が少ししか食べられず、朝から働き続けて空腹だった。
いつもなら、お嬢様がお昼のお茶を楽しまれた後、お嬢様が残したお菓子をメイド達で分け合い、お昼の休憩時にいただく事になっていた。
けれど今日の私は、少しだけお腹が早く反応してしまった。
『グ~~~』
静かな部屋の中で音を立てる私のお腹、時間が止ったように静まり返る部屋。
そもそも、貴族様がお召し上がりになったお菓子を私達が戴く事は、本来許されていない。
お嬢様のお母様が私達メイドに優しく、見て見ないフリをしてくれていた名残でした。
「とんだ失態を!申し訳ございません!」「申し訳ございません」先輩メイドと私はひたすら頭を下げる。
先輩は私の頭を押さえ、私は恥ずかしさと悲しさと恐怖で涙が。
お客様やお屋敷の主人様達のお食べになる物を、メイドや召使いが勝手に食べている、それは他所のお屋敷であればそく解雇、追い出されても仕方ない事。
お嬢様がお怒りになりお菓子の下げ渡しが禁止になれば、当然お菓子を楽しみにしている他のメイド達にも被害がおよぶ。
「ん・・・」お嬢様は涙目の私の方を見て、小さく呼ぶように頷き、お菓子を数個摘まんでお皿に分けて私の方に置く。
「・・もうしわけ」「ん・・・」
私にくれるのだろうか?解らなかった私はその場を動けず、でも目はお菓子から離せなかった。
お屋敷を追い出されるかもしれない、幼かった私は空腹と恥ずかしさと恐怖と・・色々な感情が混ざって混乱していた。
『ぐ~~~~』またお腹の音が鳴り、私の身体は恥ずかしさで熱くなる。
「・・・秘密」立上がって私の手を掴んだお嬢様は、そう言って白いナプキンにお菓子を乗せて包み、私の手に乗せてくれた。
私の目を見つめて、手を優しく握るお嬢様は少しだけ微笑んだような気がしました。
本来なら、私はもう2度とお茶の時間には呼ばれる事は無いはずだった。
お客様や旦那様がいる前でお腹の音を立てるような事になれば、お屋敷の恥、貴族である旦那様達の顔を潰し、お屋敷の名に泥を塗るような事になるから。
今後私は、お昼にお菓子を分けて貰う事も無くなるだろう。
そう思うと涙が出てしまう、私みたいな子供にはお菓子の有る無しは、それこそ重大で大事な事だった。
でもお嬢様はそれ以来、私を常にお茶の時間に呼んで「・・・秘密」ってお菓子をくれるようになった。
・・・・・・・・(う~~~ん、彼女にとっては大事な思い出なんだろうけど)
ホリーちゃんの記憶は、アリシア様大好き!で占められていて、アリシアの印象は[優しくて美しくて可愛くて正統美少女のお姫様]らしい。
色眼鏡が過ぎると言うか、何と言うか。。。本当かなぁ~~~
(1人から見た視点では偏見と言うか、本人の主観が入るから・・・)
私の背中に、顔をもたれ掛かけるように目を瞑る狐色の髪の少女「シエラごめん、ちょっとだけ見せて貰うよ」私は彼女の白い額に手をあてた。
!?(っと!!これは?!)
ぷるぷる振るえながら自分の頭と同じくらいの大きな石を持ち上げているアルシア、なにコレ、どんな状況ですか?
・・・・・
サイコメトリーの力を強め、彼女の記憶を遡る。
彼女が見たアルシアへの印象は・・・
シエラ、彼女は12歳の頃、家族の生活の為に屋敷に奉公に来る事になった貧しい家の子供だった。
父親は商人に雇われた行商人、母親は病気がちで身体が弱く、彼女は8歳の頃から彼女の弟と母親の面倒を見て育った少女だった。
だがある日、父親からの連絡が途絶え、家族の生活の為に身売り同然で公爵の屋敷にやって来た。
彼女が逃げ出せば、家族が支度金を返却する契約、働けない母親と幼い弟、支度金が用意出来なければ人買い商人が肩代わりし、2人はどこかに売られてしまうだろう。
(自分が我慢すれば)毎日毎日そう思って働いていた。
殆どのメイド、召使い・下男・従僕、執事と従者以外の者は皆同じような物だと聞いていた。
そのはずだった、なのに自分より後にお屋敷に来たホリー、彼女は大人しそうな顔をしてお屋敷のお嬢様に取り入って可愛がられているらしい。
腹が立った。
自分は家族の為に辛い仕事を毎日しているのに、彼女は毎日お嬢様にお菓子をもらい、先輩や仲間のメイド達と一緒に食べて、先輩達にも可愛がられている。
気に食わなかった、許せなかった。
だから呼出して説教するつもりだった。
「後から来て貴族様に媚び売って、他の先輩達に媚び売って・・・卑怯な事をするな」そう言ってやるつもりだった。
私達はお屋敷の掃除やお部屋の掃除、ベットや家具の修繕をまかされたメイドで、彼女達は料理や奥さま・お嬢様の御用を聞いて走るメイド、働く場所は違うが同じメイドのはずなのに・・・
ホリーが1人になったのを確かめ、その腕を掴んで誰も来ないような庭の端に連れて来た私は、何かを言おうとして、言葉が出なかった。
怒りと憤りと焦り、恐がっている彼女を前に感情が溢れて声が出なかった。
だから、思わず身体が勝手に動いてしまった。
パンッ!自分より小さい子を殴ってしまった。
ジンジンと手の平に残る熱と痛み、彼女は倒れて怯えて、叩かれた顔を押えて涙を浮かべていた。
「あっ!」・・・気が付けば最悪感で逃げ出していた。
きっと私は解雇される、私が叩いてしまったあの少女はきっとお嬢様に告げ口して、私は今日の晩には先輩メイドに呼出され、解雇を言い渡される。
お嬢様のお気に入りで、先輩メイド達にも可愛がられている彼女を叩いてしまったのだから、解雇は確定、か。
(どうしようか・・・私、娼館にでも売られるのかぁ・・)
逃げる事も出来ず、帰る場所も無い。
あ~~~あ、やっちゃった。私、やっちゃったよ。
「私が悪かったのかな、私が間違っていたのかな、ははっ・・・お姉ちゃんはもうダメっぽい、きっと男共に嫌らしい事されて一生、男に気持ち悪い事されて・・・」
そんな事ばかりが頭に浮かぶ、浮かんで浮かんで不安で恐くて涙が出て止らなかった。
びくびくしながら恐い夜が明けて、(昨日のアレは夢だったんだ)そう思ってしまうほどだった。
忘れたい記憶を閉じ込めても、ゆったりと温かいお昼の時間がやってくる、そんな時間だった。
「シエラ、お嬢様がアナタをお呼びです、着いて来なさい」
いきなり冷たい水を浴びせられたように身体が震え、寒気で身体が固まった。
「シエラ、聞こえていますか?お嬢様がアナタを名差しでお呼びですよ?」
急ぎなさい!
動け無かった私を強い声で動かす先輩、私には断ることは出来なかった。
・・・・・・・・・・・
カートを押す先輩メイドの後にホリーと私が続く、私が叩いてしまったホリーは顔のケガを隠す為、少しお化粧を施され私の方を見ないように下を向いて歩いていた。
彼女の前で私を解雇するつもりだろうか、それとも私がお嬢様に泣き付き、解雇の取りやめをお願いする惨めな姿を見て笑うつもりだろうか。
(それでも、このお屋敷を解雇されるくらいなら・・・)
私の方が正しい事をしたはずなのに・・・
そんな事を口にしても意味が無い。
結局この世は立場と力関係だ。
偉い人・お金持ち・貴族様に好かれている方が正しいんだ。
彼女は上手く立ち回ってお嬢様に好かれるようになった、お嬢様だって自分の事を大事にしてくれるメイドをそばに置きたいに決まっている。
お嬢様の部屋は昼の日光に満たされ、開いた窓からは優しい風が吹いている。
その光りの中に置かれたテーブルの上にお菓子が満たされ、テーブルの隣に置かれた椅子にお嬢様が御座りになっていた。
こんな近くでお嬢様を見た事は無かった、真っ白なレースの袖の服、キラキラの髪、真っ白で整ったお顔、綺麗で大人しいお人形さんのようだった。
私は今からお叱りを受け、解雇される事すら忘れるほど、私は彼女に見取れていた。
「・・・」お嬢様の視線が私の方に向く、透明で曇りの無い真っ直ぐな瞳。
身体の中でドキドキと音が高まって、息が詰まる。
「・・・ん」
細い指がお菓子を摘まみ、小さなお皿に数個置かれた。
「・・叩いたら・・だめ・・」私にそう言うと、彼女は紅茶のカップに口を付けお皿のお菓子を口にして窓の向こうに視線を向けた。
そのまま静かな時間は流れ、私達は退席を許された。
「失礼しました」殆どのお菓子がカートに戻され、私達は無言のまま廊下に戻された。
「・・お嬢様がね、『お菓子を少し多めに』って言われてね。ごめんね、えっと、シエラだっけ?
今までお菓子を私達が独占してた見たいになってたの、気付いていたんだけどさ」
目の前に美味しそうなお菓子があれば、自分達で食べてしまいたい、誰もがそう思って口に出来なかったらしい。
「いいかい?これは[秘密]なんだからさ、まぁアタシらの取り分もちょっと減るけど・・・まぁアンタくらいの歳なら、甘い物をアタシらだけが独占してたら腹が立つのも解る、だから今回はこれで許してやってよ、な?」
ホリー達お付きのメイド達は今まで1人締めしていた事への反省、私は自分より年下のホリーを叩いてしまった事への反省を。
(お嬢様はお菓子を多めに用意させる事で、『1人締めはダメ』と彼女達に伝え、私にも反省を促してくれた、なら私は)
「ホリー・・・さん、叩いてごめんなさい」
「ううん・・私もお菓子を貰ってたの、黙ってたから・・ごめんなさい」
お嬢様は無口ですが、優しくて聡明な御方、私は彼女に仕えるホリーさん達が羨ましくて、でも少しだけでもお嬢様と話が出来て嬉しかった。
・・・・・・・・・・・
(第1印象は解りましたが、、、ですが、最初に見たあのなぞの映像は・・)
すまないがもう少し探らせて下さいね。
読心術[サイコメトリー]はもう少し続く。




