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新シリーズ なのか?

 前回までのあらすじ!


 ブラック会社に勤めていたオレ、実は元異世界の勇者で悪神とか邪神とか色々倒し、封印したご褒美で神様に『平和な国で平凡な人生を送りたい』と願った。

 戦いと戦いと戦いの日々、本当におれは疲れていたんだ。


 神様は勇者の願いを叶え、勇者の強すぎる力と記憶も封印し、無事現代の平和な世界に転生!


 なのだが不景気には転生した勇者もかかなわず、オレは無事ブラック企業就職!

 ブラック企業に勤めていたせいで別の神様に目を着けられたり色々あって、集団転移のバスとロードローラとの衝突、オスプレイの墜落に巻き込まれ。

 さらに、倒したはずの魔王に心臓を潰されたりして元の異世界に戻る事になった。


 勇者が現代に転生した世界はなんと、大体数百年後の勇者がいた異世界だった!!


 狙ったように勇者を転生させた神様は『手違で転生させたお詫びに』って、なんと1000のチートスキルと1000の神器を勇者に与え、元勇者を異世界に送った。

 手違いとはいったい・・ごごごごご・・・


 その上たくましかった勇者のオレが、なぜか公爵令嬢14歳になっていた。

 目覚めたその日に唐突の『お前は追放だ、この屋敷から出て行け』と言われ、私ことアルシアは野良令嬢になっていた。


 仕方なしで公爵屋敷から出た元勇者は森でサバイバル!

 森で出会った謎の生物・喋るハリネズミに遭遇し、『ぼくと契約してキュアキュアになってよ』って!どういうこと??


 言葉を喋るハリネズミの怪しい契約に巻き込まれ、元勇者令嬢はキュアソードフォルシオンに変身!

 悪い魔物を惨殺だ!


 とかしていたら森の中で悲鳴が、なんと!ゴブリンに襲われている少女、キュアレイピアを助けたら、彼女のお姉ぇ様になる事に!


 私と彼女は魔物の住む森で身体と技を鍛え、『二人はキュアキュア!』

 していたら春休みが終り、なぜか私、貴族達の学舎に行く事に?


『これからどうなっちゃうのさ?元勇者!』

 のんびり変身、異世界でキュアキュア学園編、スタートの予感です。


・・・・・・

「本当に色々あった・・・にしても学校、ですか」

 この身体の持ち主、アルシアには学園の記憶が少ない。

 友達と呼べそうな人間の顔は浮かばす、うっすらとした知識だけが伝わって来る感じ。

 

(まるで自分から他人を避けているような・・・)


 とにかく、気を付ける相手は3人。

 王国第3王子[アルバート]と第4王子の[ジーク]

 大公爵の次男[ロイ]


 特に元婚約者のアルバートには要注意、仮初めの婚約者であったとは言えアルシアの中に、元勇者がいるとは思わないだろうが、中身が別人になっている事がバレるのはマズイ。

 

(アルシア?キミが精神世界の奥で現実逃避しているのは解ってるんだ、

 出来るだけ早く交代してくれないかなぁ?)って。


 暗く静かな深層心域、そこに座り記憶の本を読む少女。

 日々記録されるキュアキュア[オレ]の毎日を眺めているアルシア、彼女のメンタルケアも神様に頼まれて勇者の仕事。

 全く、30前の未婚男に10代少女の面倒を見ろとか、無茶を言ってくれます、神様は、ああ無情。


(とりあえず様子見と、しつこくならない程度の説得。

 それ以外にどうしろっていうんでしょうか)

 元勇者にだって出来る事と出来ない事がある、それを解っていただけませんかね、神様。


 あとはアルシアの妹も警戒対象、新しい母親で公爵夫人の血の繋がった実の娘。

 彼女と彼女の婚約者の子に家督を継がせる為に私[アルシア]は追放されたっぽいのだ、しかも彼女の思い人は第3王子のアルバートらしい。


(アルシアは妹にとって家督争いの相手であり恋敵、、、はぁ、引き籠もりたい気持ちは良く解りますが、そんなドロドロの権力と愛憎の争いに元勇者を巻き込まないでほしかった)


 遠い目で外を眺める私、整備された公道をゴトゴトと細かく揺れながら進む馬車。

 この馬車、分厚いクッションでお尻が痛む事は無いですが。。。


 目の前に詰まれた課題、王国の歴史や文学を読み感想文を書く私とルージュ。

 ほかにも掛算割り算を含む計算書、魔法史や魔法学のレポート。

 春休みの間の殆どを鍛錬とレベルアップに費やしたルージュが、それらの課題を懸命にこなしている。


「少しだけ、少しだけで良いのでお姉ぇ様も手伝って欲しいです」

「課題は自分の力で、と言うのは簡単ですが。

 正論だけでは課題は減りませんので、お手伝いはちょっとだけですよ」

 

 お願いされたので片手間に消化する私、中学レベルの計算は簡単。

 魔法史・魔法学の課題も勇者だった頃、殴られながら教わっていた事の復習で難しい物は無い。


「お姉ぇ様はやはりスゴイです!天才ですわ!」

「・・・そうではありません、ただ・・・」


(魔族と戦う為に、必死に憶えた事が今になって役に立とはな、人生って色々あるなぁ・・)

 尊敬の眼差しで私を見るルージュ、でも私、本当に天才なんかじゃないんだ。


 天才はキミの方。

 オレはバカだから、あまり難しい事とかわからないし憶えられない、それでも何とか魔王とか魔神と戦える魔法を使えた、賢いルージュが本気で学べば直ぐに理解できるようになるよ。


(・・・ただこの娘、アルシアの知識でも魔法学・魔術式の答えが出せている。

 魔法に取り憑かれたような知識量と瞑想による鍛錬、魔法力と量だけみれば、すでに一流の魔導士に近いレベルこれは多分・・・)どういうことだ?


「お嬢様、少しのあいだ馬車の窓を閉めて下さい」

 御者の声で馬車の中に緊張が走る。


「国が管理している公道に物取りが出るとは、まったく世も末ですな。

 済みませんが出番でございますよ」

 私達と一緒に座る執事は、同じく馬車の中で腕組みして寝ていた女性に声を掛けた。


「はぁ・・・どうやらその通りのようですね。

 貴族の可愛いお嬢様がた、しばらく声を出さないようにお願いします」

 白髪の執事が馬車の扉を開けると、私達に同席していた女性が外に出る。


 馬車の外にいる護衛も含めるとルージュの家で雇っている傭兵は8人、それと世話役の執事が1人。

 それでも野盗が襲ってくるほど豪華な馬車に乗る私達、馬車は白磁色の外観に赤と金の装飾で白馬二頭立て、『お金持ってます!』って宣伝しているような馬車です。

 貴族って本当に見栄っ張りです。


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