キンキンキンキンキン!
必殺剣!
魔力の気配は全部で6つ・・7つ、その他魔物の気配は複数。
取り合えず、まずはルージュを起こす。
飛んで来る矢を払い、レイピアを抱き寄せ耳元で「神よ、邪を払う奇跡を」[解呪]
小さい声でバレないように眠りの魔法を解き、更に「弱き者に守りの光を」[光りの加護]
元勇者の使う奇蹟、ルージュの魔法耐性を上げる。
(低位の信仰系詠唱者の魔法[奇跡]ですわ)
ハリー達に私の秘密[元勇者である事]は知られるとマズイので、コソッとね。
「ルージュ、しっかりして下さい!敵の魔法です、意識を強く持って!」
「・・・はっ・・・はい!」頬を染め、高揚しているレイピアの視線が私に定まる。
「魔法による精神攻撃は気合で対抗出来ます、気合ですよ気合!
ルージュ、まずは隠れている術士を炙り出しましょう、火刃を使って下さい」
「えっと、どこを狙えば」
無数の矢が飛ぶ中、レイピアは迷う。
「適当に撃ってみて反応があれば私が切り込みます。
怪しそうな場所・・・そうですね、あの木の辺りを撃って下さい」
「火刃!」指をさした場所に躊躇無く技を放つルージュ、飛ぶ斬撃が木を揺らし焦げ痕を作る。
(・・・!)発見。
空間に魔力の歪みを感じたキュアフォルシオンの剣は、ゴブリンが姿を現わす前にその身体を切り捨てた。
「次ぎは向こう!」「ハイ!」
フォルシオンの指さす場所に火刃が飛ぶ!
魔物を殺し続けた勇者の勘は鋭く、魔力の察知能力は高い。
フォルシオンは的確にゴブリンの場所を見つけ出し、レイピアの火刃は正確にその場所を射貫いて行く。
「逃がしません!」フォルシオンの影は森の中を滑るように走り、ゴブリンの胴を切り分けた。
・・・・
「私にも何となく・・・火刃!」解って来ましたわ。
「ぐぎゃ!」
赤く焼けた鉄を押し付けような傷を付け、ゴブリンが悲鳴を上げて転がった。
「お見事です!」焦され呻き、転がるゴブリンの頭を突く。
ゴブリンはキッチリ殺す。
そうしておかないと、傷を負って生き残ったゴブリンは人間を怨み続け、別の人間に害を成す。
怨み憎しみ、怨嗟の流れを作り出すその前に、殺す!
1度害を成し、人に敵対したゴブリンは必ず殺さなければならないのです。
(許す事・和解する事が出来ないゴブリン達よ、可哀想ではありますが仕方ありません)
二人で森の中を走り、技を放つキュアキュア。
レイピアの[火刃]は火力・斬撃共に力を増し、次ぎの段階にある剣技[炎刃]に近づく。
敵に痛みと驚き[ショック]を与える身体を硬直させる[火刃]
火傷による激痛と恐怖を与える[炎刃]
焼きごて当てたような火傷は魔法使いの集中を乱す事が出来る。
(つまり魔法使いにとって彼女の技は天敵。
あとは彼女が魔力の気配を捉える事ができれば、と思っていましたが)ルージュ、彼女の成長が早い。
「天才とはこんなに凄い存在なのでしょうね」
「え?なんでしょう?」レイピアを振る彼女の汗が光る。
輝く赤い瞳と透き通る赤い瞳孔、魔力の高まって全身を輝かせています。
(無意識で[全身強化][精神集中][魔力強化]を使っていますね。
少し不安定ではありますが・・・)
戦いの中で1度憶え、身に付けた技は直ぐに自在に使えるようになる。
ルージュ・キュアレイピアは、魔法戦士の力を身に付けて始めていた。
[ユウヒ]勇者だった少年が、その技を使えるまでに掛った年月は約数年。
普通の戦士・魔剣士ならもっと長い鍛錬の時間が必要になるだろう。
ユウヒが普通の戦士の2/3の時間で身につける事が出来たのは、魔族との必死の戦いと共に戦った戦士達の指導が有ったからこそだ。
この森で始めて戦いを知った少女が数週間での成長、ユウヒは本当に驚くしか無かった。
(二度目の人生・現代知識、ずるをしてる私には眩し過ぎます)
ですが、大人として・人生の先達として妬む訳にはいけません。
彼女の成長を見守りつつ、自分のすべきこともしなければね。
「っと!」[光刃]!
レイピアの取り逃したゴブリンを光りの刃で斬り殺す。
「油断大敵。戦闘では落ち着いて、常に冷静に周囲に気を配りましょう、ね!」
「はい![火刃]」!
「こっちらは私が[光刃」!
左右に隠れたゴブリンを二人の刃が襲い切る!!
精神集中でゾーンに入ったレイピア、経験と熟練のフォルシオン、二人は今日もキュアキュアです。
ゴブリン祈祷師・ゴブリン魔術士・ゴブリン魔導士・ゴブリン幻術士・ゴブリン幻惑使い・ゴブリン神官・ゴブリンゴブリンゴブリンゴブリン・・・・
ゴブリン弓兵・ゴブリン狩人・ゴブリン射撃手・ゴブリンライダー。
普通の雑魚・・ゴブリンにまじって矢を撃つゴブリン共、森の中はゴブリンの死で満ち、その身体は次々とハリネズミ?とペリカンの餌になっていく。
「はぁはぁはぁ・・お姉ぇ様、このゴブリンはいったい何匹いるのでしょう。私、少し・・・」
テンションブーストが切れ、疲れた顔のレイピア。
(彼女はすでに50くらいゴブリンを倒してますね、疲れて当然か)
「そうですね、では今日はこの辺りで終りにしましょうか」
森の奥からはまだゴブリンの増援の気配、近くに余程大きな巣か、それとも・・・
(やばい魔物が支配する王国から来たゴブリンなら、あまり住民のゴブリンを殺し過ぎるとボスが出てくる可能性もありますよね)
オーガや竜、竜を喰ったスライム、そんな魔物に支配され、町や国を作っているゴブリンなら数百以上いてもおかしくは無い、ならここは。
「私、少し本気を出しますので、レイピアは少し休んでいて下さい」
「えっ、私もまだ・・・」
「見る事も修行です、私、いまから少しだけ荒っぽく戦いますので」
巻き込まないためのお願いです、では!
笑顔でレイピアを制し、フォルシオンは彼女に背を向ける。
私に向かって来るゴブリンの数は・・・まだ数十、鎧をつけた大型種の混じったゴブリンの群れ。
(ホブゴブリン・ゴブリンチャンピオン・ゴブリンエリート・ゴブリン重装兵?ゴブリンリーダー・ゴブリンチーフ・ゴブリンサブリーダー?ゴブリン主任?ゴブリンブロック長?・・・なんか面倒くさいが、まとめて全部ゴブリンだ)
殺す、殺してやるぞクソゴブリン!
「剣よ!輝きを!」
輝く宝剣[フォルシオン]を抜いたアルシアは気を溜め、次ぎ使う必殺技は!
キンキンキンキシキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキシキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン于ンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキシキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン末ンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキツキン干ンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキツキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン斗ンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン。
フォルシオンを振り下ろしてゴブリンの鎧を切り、ゴブリンの持つ剣・槍を断つ!
1/100本気を出した勇者の前では待っているのは敵の死、って事で。
キンキンキンキシキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキシキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン于ンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキシキンキンキンキンキンキンキンキン。時間が無くての手抜きじゃないですよ??