前略、私、帰って来ました。
色々あってキュアキュアになった私、現実逃避の時間はもうおわり!
元勇者で社畜、転生憑依巻き込まれ追放型令嬢アルシアは、今日も元気に神様に渡された神器やスキル、前世勇者でオレ強ーを隠しつつ、魔物のすみかで親しくなったキュア仲間の令嬢と辺境の森をのんびり異世界生活を目指す事が出来るでしょうか???
前回までのあらすじ!
色々あって転生したオレは現代日本で社畜生活、3ヶ月ぶりの休日の正午、散歩ついでの買い物の途中で子供と子犬と仔猫が道路を横断!
1クラス丸ごと転移するはずだった[集団転移]バスが暴走しながら現われ、オレと猫と犬と子供が轢かれそうになるも反射的に飛び出し救出成功!
上手く避けたはずが、ロードローラが反対車線から突っ込んで来て大ピンチ!
オレと子供と二匹の動物は道路の中央で二台の大型特殊自動車に挟まれた!
前後から高速で襲い掛かる大型特殊車両に危機一髪だ!
さらに上空で訓練中だったオスプレイが故障!頭上から墜落炎上しながらオレを狙った!その時!オレの魂が根性で覚醒!
前世が異世界勇者だった事を思い出し、勇者闘気で燃え上がるオスプレイを片手で持ち上げロードローラを蹴り飛ばし、大型バスを左手で受け止めたのだ!
助かった!そう確信したまさにその時!
宿敵!オレが倒したはずの異世界魔王が覚醒した勇者の気配で目覚め、その闇の腕が心臓を一突き!呪われた腕で心臓を握り潰したのだった。
勇者が心臓を一つ潰されたくらいで死ぬか!
身体中の筋肉を胎動させ、心拍を作りながら肉体操作で新しい心臓を血液と体細胞で作り出すオレ!
その瞬間!足下に底の見えない穴が開き、そして元勇者は生と死の狭間、静寂の世界に待っていた神々と再開した。
子供と子犬と仔猫は自分達が神である事を告げ、そしてオレが異世界で最強の魔神を倒し封印した勇者であった事、その功績を認め[一つの願い]を叶えた。
『勇者であることを辞め、普通のただの人間として生きたい』
その願いを聞き入れた神様は、オレを現代の日本にいる普通の日本人として転生させたのだった。
だが勇者が去った異世界でなんやかんや色々あって、呼び戻された元勇者。
気が付いたら公爵令嬢の身体に入り込んでいた。
「この屋敷から出て行って貰う」
家長である公爵に家を追い出され、少女の身体で町まで歩いていると謎の喋る生き物に遭遇、「ボクと契約して愛と正義の戦士、変身少女キュアキュアになってよ」と。
その後色々有りながら、抵抗も虚しくキュアキュアに変身する元勇者、虹の聖剣[フォルシオン]を武器にゴブリン・飛竜・食人植物と戦う事に。
変身少女[キュアフォルシオン!]勇者には普通の人生は似合わない、だからと言ってコレは無いでしょう!
神々の加護で大体なんでも出来る技能と万能魔法を修得。
一振りで地形を変える武器、歴史や世界すら変革出来る神器の数々を与えられ、森で出会った家出した貴族の令嬢[キュアレイピア]と共に、勇者だった時に仲間だった大魔法使いと大聖女を探す旅!
神器とかチートは要らないから平和と休日が欲しい、そんな元勇者の願いは叶うのだろうか。
日朝必見!異世界キュアキュア元勇者、ポリコレと多様性・LDBTQを配慮した感満載の気がするニュージェネレーション変身少女!
「オレがキュアキュアなんて絶対あり得ない!」ですわ。
私!ツインテールになんか、なってあげないんだからね!
「えっと、大丈夫ですか?酷くうなされていらっしゃいましたけれど」
目が覚めたら美少女の顔が近い!
赤いサルビアの様な紅の瞳と艶やかな唇、磨かれた赤銅色の髪と健康的な白い肌、美少女が無防備に近い!
「・・・失礼、少し悪い夢を見てしまいました」
「そう・・ですわよね御姉様、私達色々有りましたから」
額に触れるルージュの手と指先は細く柔らかい。
私[この身体の持ち主]と同じ年齢のはずの少女の手が触れ、胸が高鳴ってしまう。
(心臓に悪いので止めて欲しいのです)
「御姉様?」
「・・・」
私を御姉様と呼ぶ彼女は、キュアになって直ぐゴブリン討伐して稽古を付けようとして逆にゴブリンに囲まれていました、そこを助けたのが私[キュアフォルシオン]だったのです。
元勇者の剣術と剣技でゴブリンの群れを屍の山に変え、それ以来彼女と私は森でレベルアップをしている最中でした。
「ルージュ様、何度も言いましたけれど私達は同じ歳のです、なので姉と呼ばれのは少し・・・」
「でもお姉様は私の命の恩人!そのお姉様をお姉様とお呼びしてはいけないなんて私には・・・それにお姉様の素晴らしいお名前を、私、他の誰かに聞かれてしまうなんて」
素晴らしい名前って・・・
この身体の持ち主、彼女の名前はアルシア、エバンス公爵領領主、エバンス・ブラットリーの長女らしい、彼女の魂?精神はこの身体の奥深くで微睡んでいるような状態、夢を見ているような感じだろうか。
「でしたら・・・今ここには私達以外に人は居ません、ですからこの場では普通の友人のようにアルシアと呼んで頂けないでしょうか」
「ですが、私などがお姉様のお名前を何度も口にするなんて!」
頬を赤くしてもじもじクネクネする彼女、どこか変だ。
[古屋識 勇飛]それが本当の名前、ユウヒそれが勇者だった頃の名前だった。
この身体の持ち主が眠りに着き、自分がこの身体に憑依しているのかは知っている、彼女を目覚めさせるには心の安静と幸福感が必要、その為には友人を作っておく必要がある、と思っている。
(なので、彼女には妹より友人の方をお願いしたいのですが)
それにこの身体の持ち主には妹が既にいる。
[オレの方にも恐い妹が1人いる、、、勇者の方にも1人いた]
???なぜだろう、彼女にはその妹と同じ気配を感じるけれど。
このアルシアとは血の繋がらない母親が、公爵家の資産と地位を自分の娘に継がせたかった、だからアルシアは家を追放されて心を閉ざしたらしい。
(同じ歳の友人に囲まれたら少しは心を開くかも知れない、そう思ったのですが)
難しいなぁ。
仕方ない、ここは少し強引ですが。
「ルージュ、私は貴女を大事な友人[とも]として思っているのです、それは私だけなのでしょか」
彼女の手を両手で包み込み、可愛い顔に顔を近づけ瞳を見詰めた。
私の顔がその瞳に映り込み、目を潤ませたアルシアの真剣な顔が彼女の目を捉え、そしてゆっくりとルージュの細い身体を抱き寄せた。
「ルージュ、私の親友になって頂けませんか?」
赤く染まった彼女の耳元で私はそう囁いた。
「・・・は・・はい・・・」
「解って頂けましたか、良かったです」
妹が癇癪を起こして話しを聞かない時に、大人しくさせてお願いする時と同じ方法を使って見ました。
(妹もこうしたら大人しくなったなぁ・・・)
『・・うん・・・』って小さく頷いてましたね。
こんな転生・・・の続きのようで路線変更した何か、コメディ要素を増量して性格と名前を変更、
こちらの方が物語を進め易くなりましたので投稿の再スタートです。