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第1話 プロローグ

               プロローグ   

          中身のない不幸と中身しかない幸福


「人は見た目じゃ無い」、「人は見かけによらぬもの」と誰かが言った。


一方で「人は見た目がすべて」、「一目見ればわかる」と人は言う。


果たしてどちらが正解なのか?


内面が外見を作る時もあれば、見た目が中身を映す場合もある。


これから始まる物語は、言葉の様に幻想的で現実味の無いちょっとふざけたお話。


---------------------------------------------------------------------


「・・・凄い」


黒いロングヘアにシンプルな服装をした彼女、

黒森アリスはシンプルにそう呟いていた。

見た目二十歳にも満たない彼女は現在、辺境にあった故郷を離れ、

世界でも有数の大都市【グランドセントラル】に来ていた。


道行く人々はごった返しており慣れていなければ普通に歩くことすらままならないだろう。

列車を降りて初めは人の多さにも驚いたが、それ以上に種族の多様性に驚いている。


この世界には様々な種族が共存し反発しあい生きている。

人間、エルフ、獣人、魚人、鳥人、魔人、鬼人など、

本当に数多くの種族が存在している。


ただ人と同じで、同じ種族であってもその容姿や性格が全くといって異なっている。

獣の要素が多い獣人もいれば、人間要素の多い獣人もいる。

また、乱暴的な妖精もいれば、人助けを生き甲斐にする魔人もいる。


他にも世界に十数人と言われる神と人のハーフ半神半人と言った、

超希少な種族を除けば、大よその種族が一見して確認が出来る。


「綺麗な音色。・・・ただ何処から音が出てるんだろう?」

「クソッ、この携帯完全防水だから買ったのに水没しやがった!!」

「良いな~そのゲーム新作でしょ。貸して~」

「嫌だよ。お前に貸したらすぐ壊れるもん!!」


駅を降りてからメインストーリーと進んでいると、

様々な種族のいろんな会話が聞こえてくる。

例えば、フルートの様なものを吹いている骸骨姿のスケルトン。

それを聞いている人間のカップル。

携帯を持って怒っている全身が液体状のスライム。

仲良く歩いてる?巨人と小人の二人組。


目的地に行き着くまでに世界が一変した気分だった。

ただ彼女は奇天烈なこの場を、慣れない足取りの中足早に歩いていく。


暫くして彼女は目的地である建物にたどり着いた。

建物の入り口の上部分には大きな看板で【EVERYTHING】と書かれている、5階建てのビル。

さらに、入り口の脇には【何でもお任せ!一度は来てみて!EVERYTHING!!】と何とも胡散臭い立て看板が立っていた。


彼女は一瞬目的地があっているか再確認をし、

間違っていないことを確かめた後、ビルの中に入っていった。

入り口を真っ直ぐ進むと受付らしき場所に女性が座っていた。


「すみません。依頼を頼みたいのですが・・・」


「はい。ご来店ありがとうございます。どのようなご依頼をご希望で?」


黄色いメイド服を着て、頭から生えた耳をピクピクと動かしながら、笑顔の女性の方が丁寧に対応してくれた。


「あ、あの、私を助けてください!!」


アリスは必至の形相で受付の女性にそう答えた。

そんなアリスに、受付の女性は最初の丁寧な態度をどこにやったのやら、

笑顔を変えることなくどこか面白半分に返答した。


「身辺警護のご依頼でしょうか?

それとも付きまとってくる元カレを排除したい?

はたまた子持ちには見えないけど引きこもりのバカ息子を更生してほしいとか!?」


アリスが返答に困っていると、後ろの方から男の人の声がした。


「猫宮さん、あまりお客様を困らせてはいけませんよ。」


アリスは声がした方を振り向いたが人の姿は見当たらない。

比較的身形が小さい小人や妖精族かと思い、上下も見たが認識できない。

そんな中、受付の女性、猫宮ニコは笑顔を崩さずまま声のした方に答えた。


「すいませ~ん。ノアさん。お客さんが緊張していたので少しでも緊張を解そうかと。」


「その考えは見事ですが、貴女の場合、半分くらい暇つぶしで聞いているだけでしょう?」


今度は何もない空間から困った感じの声がした。

2度目はしっかりと視ていたアリスだが、彼女達に話しかける人影は見当たらない。

混乱しパニック寸前のアリスに何かは声をかけてきた。


「この度は仲間がご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございません。

ご依頼の件につきましては、私、夢咲ノアがお聞きしてもよろしいでしょうか?」


丁寧に対応をしている何かに受付をしていたニコが口をはさむ。


「ノアさん。普通のお客さんにはノアさんの姿が見えてニャいと思うから、

まず説明が必要と思いますけど?」


「!?すいません。この前の依頼は蛇人の方、その前は心眼を持った剣豪のおじいさんで、

そのまた前のお客様も私の容姿に特に気になさらなかったので説明を忘れておりました。」


そんなやり取りが行われる中、アリスはすこしずつ落ち着き、

頭の中で考えた答えが勝手に言葉となっていた。


「・・・透明人間。」


「お客様は聡明でございますね。若干異なっている部分もございますが、概ね正解でございます。説明が不要になってしまいました・・・。では一旦落ち着いて、別室にてご依頼の内容についてお聞きしましょうか。」


そう言いながら姿の見えないノアは、変わらず丁寧な態度で接してくる。

いつの間にかに受付側に回っていた様で、受付のニコから何も書かれていない白の仮面を受け取り、

顔の部分に付けていた。


アリスは未だに混乱する頭を落ち着かせ、仮面の部分のみ認識できるノアに案内され別室に移動する。


この時アリスの頭によぎった感情は姿の見えない恐怖や、受付の女性にからかわれた怒りよりも


(・・・本当に大丈夫なのかと。)


心配になる不安の感情が大半を占めていた。



拙い小説ではございますが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

何分創作物は、初めてのモノで長くのんびり連載できたらなと思っております。

語彙力等皆無でございますが、大きな心をもって優しく読んで頂けましたら非常に嬉しく思います。

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