第8話 2人目
『ガラガラガラッ』
チャイムと同時に教室のドアが開き、担任の松垣が入ってくる。
「おはよう。今日は委員長の神野が休みだから、副委員長頼むぞ」
僕達に神野の休みを伝える。
クラスの中はザワザワしている。
そんな中でも類はずっと外を眺めていた。
この時、僕は少し疑問を抱いていた。
神野が休む時は必ず、親友の木場に伝えているはずだ。
しかし、今日の神野はそれをしなかった。
歯と歯の間に何かが挟まっているような感じがした。
ふと類の方を向くと、類が笑っているように見えた。
しかも外ではなく、完全に僕の方を向いている。
ーーなんで笑っているんだ?
疑問を抱えながら、学校のつまらない授業に参加した。しかしいつものように眠ることはできなかった。
学校が終わり家に着いた僕は、テレビをつける。
地方の夕方のニュース番組がやっていた。
そこで僕は1個のニュースに釘付けにされた。
それは、神野が遺体で発見されたというニュースだった。
その瞬間、頭に朝の類の笑顔が浮かんでくる。
心臓の鼓動が早くなるのを感じるのと同時に、金縛りにあう。上手く体を動かすことができなかった。
「ハァハァハァハァ」
呼吸も速くなっている。
もしかしたらすぐ後ろに類がいるのではないかという恐怖が体を支配する。
『カァカァ』
外で鳴いている鴉の声が更に僕の不安を煽りたてる。
夕焼けが射し込む部屋の中で、僕は動けない。
人が外を歩く音さえも僕を不安にさせる。
ーー怖い
『トュルンッ』
突然の着信音にびっくりする。
しかしその音のおかげで金縛りが解ける。
僕は携帯を開き、メールを確認する。
それは霞からの連絡だった。