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日常の代償  作者: デスモスチルス大佐
第一章 日常
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第4話 昼休み

『キーンコーンカーンコーン』とチャイムが鳴り、僕達に午前中の授業の終わりを告げる。

 

 昼休みに入ると、いつものメンバー末那雅蒼龍(すえながはるひこ)小平霞(おだいらかすみ)、自分(遠坂戒斗(とおさかかいと))の3人で弁当を食べる。

 憂鬱な学校の中でも唯一憂鬱な気持ちを忘れさせてくれる時間だ。


 しかし、今日はなにか違う。

 生物の授業でみた夢を意識しているのか、類のことが気になってしょうがない。自然と目が類を追いかけてしまう。

 類は教室の隅で1人寂しそうにご飯を食べている。

 教室のガヤガヤとした雰囲気が、更に彼を孤独に見える魔法をかける。


「なんか、今日の戒斗変だぞ?どうした?」


「な、なんでもないよ」


 突然霞が話してきたのでびっくりした。

 僕は一時的に類を見るのを止め、霞の表情を本人にバレないようにチラチラと確認する。

 霞の表情から、まだ何か疑問ありげな表情だったが、霞はそれ以上は聞いてこなかった。

 一方、末那雅はいつものように大量のご飯を食べ満足そうな顔をしていた。


しばらく経ち、僕はまた類のことを目で追いかけ始める。

 ご飯を食べ終わった類は、いつものように窓の外を眺めていた。

 その日は雲一つない青空が広がっている。どうやら、彼にとって天気は関係ないらしい。


 僕が類を目で追いかけてるのが分かったのか霞が類のことについて話し始めた。


「あの噂本当だと思う?」


「いや、ありえないだろ」


 末那雅は笑いながら即答した。

 そのまま末永雅は話し続ける。


「そんなことできるんなら、とっくにクラスの全員、いや、学校のほとんどが類に殺されてるね。だって、拳也なんか普通に体力お化けだったじゃん。拳也を殺せる位ならほとんどの人も殺せると思うよ。まぁ類が銃とかを所持しているとかは別ね。単純に拳也の死体の状況から見て、斧とかが犯行した時の武器だってことを仮定して話してるから」


 2人とも反論できないほどの正論だった。

 そんな会話をしていると、『キーンコーンカーンコーン』と昼休み終了のチャイムが鳴った。


「やべっ、まだ俺次の授業の支度してなねぇ」


 さっきまで意気揚々と話していた末永雅が焦りながら自分の席に戻る。

 僕達以外のクラスメイトも急いで5限の支度をし、席に着き始める生徒が多い。

 

 僕も授業の準備をし、席に着こうとした時、不意に後ろから頭を殴られたような強い痛みが頭を走りそのまま床に倒れた。





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