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第35話 恐怖
とぼとぼと帰路を歩く。
まるでこの世界に僕だけが取り残されたように辺りはしんとしていた。
コツンコツンと僕の履いているローファーの音だけが響く。
緊張して歩幅が小さくなっているのか、いつもより帰路が長く感じる。
『コツンコツン』
僕は音に違和感を感じ足を止める。
しかし音はしない。
僕は再び歩きだす。
『コツンコツン』
またしても音に違和感を感じる。
僕は間髪入れずに後ろを振り向く。
しかし後ろには誰もいない。
聞こえるのはヒューヒューと吹く風の音だけ。
その風は僕の不安を煽るようにどんどん強くなっているような気がした。
僕は不安な気持ちを抱えながらも、相手に尾行されぬよう走って家に帰った。
『ドタドタドタ』
僕の走る音しか聞こえない。
僕は安心して走るのを止め、また歩き出した。
『コツンコツン』
僕は恐怖を感じた。
その音はどんどん大きくなり僕に近づいてくる。
そしてトントンと肩を叩かれた。
振り返るとそこには犬塚真紀の姿があった。




