第26話 推理
洗い物が終わり、凛の部屋に戻る。
凛の部屋では既に凛が類の日記を読んでいた。
ドアを開けて入ってきた僕に気づかない程真剣だった。
ようやく僕がいるのに気づいたのか、僕の方を見て手招きをしている。
凛の傍に行くと、真剣な顔でこちらを見てくる。
「私達はとんでもないことに足を踏み入れたのかもしれないわ」
「え?」
「敵は類だけじゃない」
「その敵って僕のもう1つの人格じゃなくて?」
「それは私がいれば何とかなるわ。戒斗でもなく類でもないもう1人の敵.......」
「それは.......誰だ?」
「誰かは分からない。でも、類は松垣と市村さんと高宮は殺していない.......」
「じゃあ何で類は不機嫌だった.......」
「戒斗も分かったみたいね.......」
「もしかして、霞か.......」
「この日記には誰とは書いてない。だけど、1番恨みを持っているのは親友を殺された霞君で間違いないと思うわ」
「じゃあ霞は松垣が類と組んでいたことを知っていたのか。それじゃあ、何で市村さんと高宮を殺したんだ?」
「これはあくまで私の推測だけど、彼の目的を類を殺すことだと思うの。でも、類の弱点が分からないままだと圧倒的に自分が不利だわ。そこで、類と組んでいた松垣を殺すことで、類に何らかの変化があると仮定した。そして松垣を殺した。しかし、類を観察する上で次の日が休みだと困る。そこで、発見者の2人を殺した」
「でも、それだと次の日、学校が休みになる方が高くないか?実際に人が死んでるんだから」
「それは、類と松垣が組んでいる時点で、上の人にも手がいってると思うわ。霞君はそこを逆手にとり、あたかも類の犯行に見せかけたのよ」
「.......」
言葉が出なかった。
しかし、心の中は冷静で、霞に対する印象は最初に会った時となにも変わっていなかった。
「そうか、霞もか.......」
凛にも聞こえない声で独り言を呟いた。




