第24話 少女
修正前、少し待たれよ
凛は本を開き僕に見せてきた。
【少女はこの世界が嫌いでした。
保育園に行くと、皆私を避けました。
家に帰ると、親から暴力を振るわれました。
そんな日々が毎日続きました。
そんなある日、少女が家に帰るといつもと様子が違いました。
自宅で仕事をしている父親の声が聞こえません。
しかも、白い壁紙は赤く染まっています。
少女の隣にいた母親は父親のことが心配になり書斎に行きました。
少女もそのあとをついて行きました。
少女が書斎についた時には既に少女の父親と母親は床に倒れていました。
そして、書斎にいた男の子が血塗れの包丁を持って近づいてきました。
その男の子は少女と同じ目をしていました。
男の子は何もせず、何も言わずそのまま帰っていきました。
少女はその男の子のことが好きになりました。
そして、少女はあの男の子のおかげで世界のことが好きになりました】
そんな内容の小さい絵本だった。
「この少女は男の子のおかげで生きる意味を見つけたの、たとえ男の子はそのことを知らなくても。」
「その本と僕がどんな関係をしているの?」
「はぁ、戒斗って本当に鈍感ね」
凛は僕の言葉に怒っているのか少しムスッとしていた。
『トュルッン』
2人の間に流れていた沈黙を破るかのように携帯の通知がくる。
『どこをほっつき歩いてんだ?』
父親からのメールだった。
『ゴメン。今日は友達の家に泊まるから心配しなくていいよ』
メールを返すとすぐに、
『わかった。人様に迷惑だけはかけるなよ』
「お父さんから?」
「あ、そう」
「いいお父さんなのね」
「全然いい父さんなんかじゃないよ。僕の父親は僕のことは何も見てないよ.......」
「ま、まぁお父さんの話しは置いといて、明日のことについて話しましょう」
「明日は一緒に学校休まない?まだ類と戦うには手持ちが足りなさすぎる」
「私も同じことを考えてた」
「じゃあ明日はそれで決まりだな。で、僕はどの部屋で寝ればいいの?」
「え?ここの部屋よ」
「.......は?」
「なに驚いてんの?他の部屋は全部荷物置き場に使ってるし、何より戒斗のことを信用してるのよ」
「あ、そう」
類の家とは違う緊張感が僕を襲う。
心臓の鼓動は速くなり、呼吸も荒くなる。
「あ、布団を敷くから少し待ってて」
凛が布団を敷いている間に歯磨きやトイレなどを済ませ部屋に戻ると、布団が敷かれていた。
「じゃあ私も歯磨きとかしてくるから」
数分後、凛が帰ってくる。
「それじゃあ電気消すね。おやすみ」
「お、おやすみ」
緊張したまま布団に入り、眠りについた。




