第20話 突撃
次の日、僕はいつもより気持ちよく目覚められた。
朝日は眩しく、鳥達も外で囀っている。
類の家に行くからだろうか、心の片隅でワクワクしている自分がいた。
昼間の退屈な授業を終え、放課後になる。
いつものように帰り支度をしていると凛が話しかけてきた。
「いよいよ今日ね。心の準備はできてる?」
凛は緊張しているのか少し声が震えている気がした。しかし顔ではその表情を一切出していない。
「もちろん」
逆に僕は少し楽しみだと思う自分がいる。
しかし手は小刻みに震えている。武者震いというやつだろうか.......
そんな会話をしていると、スタスタと類が教室を出ていく。
霞がくれたあのファイルと全く同じ時間に帰る。そこには1分、1秒のズレもない。
類が帰るのを確認すると、2人で類の家に向かう。
学校から約10分歩くと、閑静な住宅街の一角に『硲』と書かれた家がある。
「ここが類の家か.......」
「そうね。これから私達は真実に1歩近づくことができ
るかもしれないわ」
時刻は午後5時頃、少し夕焼けが顔を出していた。
凛はゆっくりと玄関のドアに手をかける。
閉まっているかと思われたドアはすんなり開いた。
『ガチャッ』
静かな家の中にドアが開く音が響き渡る。
家の静かさからは人の気配を感じられない。
僕と凛は忍び足で類の家の中に入る。
家の中は掃除がされていないの壁一面にカビらしきものが生えていてホコリ臭い。
「うっ……」
思わず声が漏れる。凛も同様に鼻をつまんでいた。
1人で行動するのは危険だと思ったので、2人で家の中を漁ることにした。
まずは玄関の1番近くのリビングらしき部屋に行く。
リビングには使われていないのか家具はソファとテレビがホコリまみれになって佇んでいる。
窓にも陽の光が入らないように工夫が施されている。
パッと見怪しい所がない。時間もないので他の所に移動することにした。
次にリビング近くの台所を見に行く。
台所の近くに足を運ぶと、すごく血なまぐさい臭いが鼻を刺激する。
「う.......」
嗅いだことのある臭いだった。
嫌な記憶を思い出しながらも、冷蔵庫を開ける。
しかし冷蔵庫の中には何も入っていない。
次に冷凍庫を開けようとした時、嫌な予感がした。
手が震えて中々冷凍庫を開けられない。
「大丈夫。私も一緒にいるから」
凛はニコッと笑いながら震える手を握る。
その手はとても温かく震えが治まる。
勢いよく冷凍庫を開けると、そこには大量の人肉と人間の内臓らしきものがぎっしりと詰まっていた。
何となく予想はできていたのでそこまで驚かなかっが、あまりにも光景としては惨い。
吐き気はこないもののその場で少し間硬直する。
しかし台所にもそれ以外の他に何の情報もない。
そこで、2階に行ってみることにした。
ギシギシと階段を登る音が家に響く。
2階につくと片っ端から部屋を開け、類の部屋を探す。
すると凛が類の部屋を見つけたのか手招きをしている。
凛の方に行くと『ママの部屋』と書かれたドアがあった。
少し他の部屋とは雰囲気が違う。
僕はゴクリと唾を飲み込みながらその部屋のドアノブを握り、回す。
鍵はかかっていなようで簡単に開く。
『ギィィィ』
「.......え?」
中に入ると、そこには墓が1つあった。
『ママの墓』と掘られた墓が1つ。
ーーなんで家の中に墓が.......
しかし時間は僕に考えがえさせる時間はくれない。
僕が少し考えている間にも何かを発見したらしい。
凛の手には日記帳みたいなものが握られている。
僕はそれを凛から受け取り、パラパラとめくると最近の出来事がこと細かく記されている。
これは手がかりになると思い、読もうとした時『ガチャッ』と玄関の開く音が聞こえた。




