第19話 興味
授業中ずっと類のことを考えていた。
仮に類がこの事件の犯人だとして、僕が類に何を求めるのか今一度考えていた。
末那雅の命はいくら類に言ったところでもう戻ってこない。
僕はこの何の変哲もない日常を代償にしてまでも求める答えに辿り着けるのか。
そもそも求めるものなんか無いんじゃないか。
そんな不安が頭をよぎる。
しかし頭で考えていることと心で思っていることは違った。
ーー硲類をもっと知りたい
こんな気持ちで溢れかえっていた。
昼休みになると凛に呼びだされた。
凛の後をついて行くと、屋上に着いた。あの時夢で見た屋上と全く同じものが目の前に広がっている。
「あれ?屋上って封鎖されてなかったっけ?」
「んーまぁあのくらいの鍵なら開けられるわよ」
笑顔を見せながらとんでもないことを口にする。
僕は少し驚く。しかし凛はそんな僕を差し置いてどんどん話しを始めようとする。
「そんなことより、何が分かったの?」
朝のことを聞かれる。
僕は凛に朝気づいたことを話した。
「ふむふむ、学校の上の人が揉み消したね.......やっぱ戒斗君って面白いなぁ。単純だからこそ気づかないか.......」
「でも、証拠なんて一切ないし.......」
「まぁ証拠なんて求めてたら終わんないよ。あくまで仮定として凄いって言ってるだけであり、それが本当なんて当事者以外誰も分からない。その点、今朝の表情を見てそこまで推理ができる戒斗君は凄いと思うよ」
凛は人を煽てるのが上手い。僕も少し頬が緩む。
「あ、でも1つ疑問があるとすれば、松垣を殺したのが類だってことも分かる。でも、なんでわざわざ学校の上の人はこの事件を誤魔化したの?」
「そこは僕にも分からない。もしかしたら類が学校関係者と深く関わっているのかもしれない」
「その可能性は捨てきれないね。まぁ一旦この話しは置いといて、木曜日の計画でも考えない?」
「そうだね。類の家にいけば証拠とかも出てくるかもしれないし」
凛は常に僕に笑顔を向けている。
凄く幸せな空間が流れる。
霞や末永雅と話す時とはまた別の楽しさだった。
風が寒い分、太陽の光は暖かく僕らを照らしている。
ーーあぁこのまま時間が止まればいいのに.......
『キーンコーンカーンコーン』
そんな僕の願いをぶち壊すようにチャイムの音が響く。
幸せな時間はそう長くは続かない。
凛と一緒に教室に戻ると、他のクラスメイトは全員席に座っていた。
凛と一緒に戻ってきたせいか、周りからはヒソヒソ声が聞こえる。
ーーこんな可愛い子と一緒にいれば噂になるか
僕が目立っている訳でもないのに鼻が高くなる。
少し有名人になった気がしたて、気分が良かった。
しかし凛はそんな視線も気にせず自分の席に戻っていく。
しかし1番驚いたのは、誰も凛が戻っていく姿を目で追わなかったことだ。
その光景は少し不気味だった。
教室の温度も少し生暖かくなった気がした。
そして午後の退屈な授業が終わる。
いつもと変わらない道、変わらない風景を見ながら今日も帰宅する。
1人では広いくらいの家で1人でご飯を食べる。
いつもよりもより寂しく感じた。
そんな憂鬱で寂しい1日が終わりを告げるかのように僕は眠りについた。




