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この手は幸せすら掴めない  作者: ゆぅたる
3/9

互いの距離

早速依頼を受けた。

彼女は町から1kmほど離れた鉱山から鉄鉱石を運ぶ依頼を受けたかったらしい。


「ごめんなさいね。パーティー組んでいきなり重いもの持たせようなんて。」

「大丈夫ですよ。何受けるか決めてなかったし、一人でやるのはキツそうな内容ばっかりだったので、こっちもありがたかったです。」

「ところで、ヒイラギさん。」

「何ですか?」

「2人ではこの先、依頼を受ける時に選択肢が狭いと思うのですけど……」

「人手が欲しいんですか?」

「そうです。」

「そこら辺はスミレさんに任せます。」

「はい。わかりました。」

「「………」」


気まづいなあ。お互い少しまだ遠慮してる感じがするし、この先ずっと敬語ってゆーのもなぁ。


「ねぇ」

「は、はい!」

「俺のことさ、『ヒイラギさん』じゃなくて『カケル』って呼んで下さい。」

「どうして?ですか?」

「『ヒイラギ』ってのはファミリーネームなんです。スミレさんの『スミレ』はファーストネームですよね?」

「はい。そうですよ。」

「それに、せっかくパーティー組んだのにいつまでも敬語じゃ気まづいので、呼び捨てにしてくれて構わないです。」

「わかりました。ですが…カ、カケルはどうして敬語なの?」

「あ!ごめんなさい!じゃなくて、ごめん!」

「じゃあ、私の事もスミレでいいわよ。」

「うん」

「じゃあ、よろしくな!スミレ!」


その時の彼女の笑顔はとにかく可愛くて、胸の奥からモヤモヤした感じの想いは、形にならないまま、ずっと引っかかってこの感情の名前を俺はまだ、知らなかった。

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