Episode82 "決着"
お互いの矛が打つかる。だが決着は直ぐについた。
"ヒヒヒヒヒヒンッ!!!!"
4頭の神馬達の頭部が弾き飛んだのだ。 ペルセウスは動きを止めることもなく直ぐに馬車へと跳躍しアレースの腹部へと剣を突き刺す。
「私の勝ちです。」
剣を握る手に力を入れるペルセウス。
「........私の負けか」
アレースは眼を瞑りアテーナのいる方角へと向け目を開いた。
「この様な神器を所有していとはな、アテーナ。参った物だ...................ただ、私一人では冥府へとは参りたくはないなぁ!」
「なっ!?」
ペルセウスを抱き締め拘束をするアレース。
「再び人に負けたと知れば私のオリュンポスでの権威、全てを失う事となる。ペルセウスよ、貴様には私と共に冥府へと堕ちて貰うぞ。」
ペルセウスは足掻くが拘束を解く事が出来ない。二人を包み込む様に紅蓮の業火が周囲を囲む。
「............剣よ」
掴む剣へと意識を移し小さく言葉にするとペルセウスを守る様に水飛沫を上げ、アレースを弾き飛ばす。
「私の拘束を解いた所で死の運命は間逃れがはせんよ。」
心臓部へと拳を当て高らかに叫ぶと拳は自身の胸を突き破り、己の神核を外へと排出した。
「この紅蓮の業火に私の核を薪とし注ぎ込む。」
神核、膨大な神力、そして魔力が込められた原子力。単体で暴発したとしても都市などを容易く葬る事が出来る程に強力な神の禁じて。しかし使えば最後、神はその命を失う事となる。
「ペルセウスくんっ!!」
業火の中にて姿を現すアテーナはすぐさまペルセウスの元へと駆け寄り、手を掴む。
「逃げるよ!」
チラリとアレースへと一瞥視線を向けるが既に息はなくその場へと立ち尽くす姿が確認出来る。二人は急ぎその場を離脱する。
「間に合いません!アテーナ様ならば、すぐに神殿へと転移をッ!」
「心配はいらないよ。ボクは君を護り守られる関係だ。それにこの距離まで離れられればボクの盾で容易く防げるよ。」
アイギスの盾を顕現し装備をするアテーナ。強大な爆発が先程までいた場所から置き上がる。
「始まった。ペルセウス君はボクの後ろに控えるんだ。」
巨大な盾を地へと突き刺し、衝撃に備える。
(あらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持つとされている盾。ですが以前、私が捧げた筈の邪神メデューサの首をはめ込んこんでいない?)
ペルセウスは目の前にて衝撃を防ぐアテーナの盾を見ながら考えていた。
「.....ふぅ、どうやら脳筋の神核は燃料切れの様だよ。ただ、アレースを殺したとなればボクはアレースの丘に掛けられるのは必然だ。早急にヒュドラの毒を回収しなければいけないね。」
アテーナとペルセウスが立つ地以外は全て黒へと染まり以前の街の風景は無へと帰していた。
「あぁーもぅ!これじゃあ遊びながら北の最果てへと行けないじゃないかぁ!」
プンプンと怒るアテーナ。
「行くよ、ペルセウスくん!」
アテーナはペルセウスの手を握ると街壁の外へと移動をさせていた馬車へと向かい歩くのだった。
★
「俺は親父の仕事の手伝いで外に出てたんだ。それで街へと戻ったらこの有様だったんだよ!」
少年は涙ぐみながらもそう叫ぶ。
「......そうか、だが何故貴様はその情報を知る事が出来たんだ?」
バルトロメウスが聞く。
「街から逃げた奴らがいたからだ。そいつらが口にしているのを俺は聞いた。」
「それでは貴方が先程口にしたアレースの軍兵と言うのは何かしら。アレースが戦場に現れる際には必ずと言ってもいい程、一人で姿を現すのだけれど。」
リディアはバルトロメウスに続き疑問を口にした。
「嘘つけッ!俺は逃げる連中が鎧を来た連中に殺されるのをこの目で見たんだぞ!」
少年が拳を叩きつける。セレナは少年の頭を撫でると監視塔から見える街を見渡す。
(酷い有様だな......)
「.....何だ、あいつらは」
するとセレナは複数の人影を発見する。異変に気付いたバルトロメウスは直ぐさま皆へと指示を出した。
「大勢を低くしろ。奴らにバレぬ様に行動をするんだ。」
団員達は即座に気配を消し人影へと眼を移す。少年はレシの固定魔術により動けなくしていた。
「あれは........西国の軍服......?」
レシが疑問の表情を浮かべながらそう口に漏らす。
「私は知っているぞ、あの中心にいる男を。」
セレナは冷や汗を浮かべながら集団にいる男を凝視する。
「......誰だ?」
バルトロメウスが心配した様子で聞くと、セレナは静かに口を開く。
「........ピロクテーテース、ヘーラクレースの盟友にして、ギリシア最高峰の弓の名手だ。」
アレースは正直に言うとギリシャ神話ではかなりの雑魚です。負け戦ばかりで信仰が薄い。しかも民衆からは嫌われていました。




