Episode81 "ペルセウスの剣"
「ふッ!!」
勇者ペルセウスは上段から振り落とされた大槍を己の剣で受け止める。アレースは受け止められた自槍を見て二ッと頬を釣り上げると雄叫びを上げペルセウスを押しつぶそうと力を入れた。
「ぐっ!!」
ペルセウスは押しつぶされない様に全身に最大の強化を流し筋力の上昇を促す。だがアレース、戦神の力はそれを上回り周囲一帯を押しつぶした。
「「燃えろッ!!」」
爆風を上げると周囲一帯は途端にその言葉と共に炎の業火に呑み込まれ町を焼き尽くした。
「アテーナよ!帰還の準備をせよ!」
バサッと炎を槍で切り裂き視界をクリアにするとアテーナを見据えそう言葉に出すアレース。だがアテーナは微笑みを浮かべ指先を自身の背後へと当てていた。
「ふんッ!!」
ペルセウスによる渾身の一撃。首を狙う横切りを背後から放ったのだ。アレースはそれを間一発の所で避けペルセウスから距離を取る。
「......馬鹿な」
(あの業火の中、人が死なぬ筈がない。それに.....)
あろうことかペルセウスは無傷であったのだ。神による一撃を無傷など本来ありえない。
「貴様.....何者だ。」
アレースは問う。
「アレース様もご存知の通り何処にでもいる一半神ですよ。それともお義兄さんとお呼びしたほうがいいでしょうか?」
微笑みを浮かべながら言うペルセウスに尋常ではない殺気が溢れるアレース。
「人の血が流れし雑種が私の兄弟を名乗るか......貴様は唯では殺さぬ。私の全霊を掛けて貴様を痛ぶり苦しみを与えよう。」
アレースは槍を地へと突き刺す。
「来い、我が神馬どもよ!」
戦車を引く黄金の額帯を付けた4頭の神馬に乗り込みアレース。
「アレース、君はこの街を破壊するつもりかい!此れは一一の勝負の筈だ、権能の使用はなしの筈だよ!」
「何を言うか!この戦に規則など存在せぬ!どちらかが死にどちらが生きるのみだ!」
(.......脳筋め、だからボクはこいつが嫌いなんだ。)
黄金の戦車を動かしペルセウスへと標的を定めるアレース。
「ゆくぞ!!私が勝ち、貴様をオリュンポスへと連れ帰るッ!」
手綱へと力を入れ高速的な速度でペルセウス目掛け突進を仕掛ける。
(流石に速いッ、避けら)
ペルセウスは剣を前へと突き出し衝撃に備えるが意味をなさなかった。
「ペルセウスくん!」
アテーナが叫ぶ。ペルセウスは瓦礫の上をゴムボールの様に弾き飛ばせ民家の瓦礫へと身をぶつけた。
「ぐはっ」
血を口から吐き出し意識を失いそうになるが気合でそれを食い止める。
(此処で死ぬわけにいかないのです......)
ペルセウスは剣に内包された五つある宝玉の内の一つが光るのを確認する。瓦礫に埋まる身を立ち上がらせアレースを捉える。
(炎、そして神馬が戦神による権能......ならば動きを止める反属性の力を使う以外に勝目はない。)
ペルセウスはアテーナを見据え、この街から離れる様にと静かに口にした。
(ペルセウスくん、君は.....)
アテーナはペルセウスの意図を理解したのか、すぐに街壁へと退避する。
「この剣の力は強大過ぎる。私でさえ、完全には制御しきれていない.......ですが、私は死ぬ訳にはいかないのです。ですから此処で私は完全なものとしてみせる...........」
水色の宝玉が剣から光るとペルセウスの瞳も水色へと変化し水蓮な覇気を全身から出す。
「......死んで頂きます。」
アレース共に神馬を目指し走り出すペルセウス。
「此方の台詞だ、半神風情めが。」
アレースも同様に神馬をペルセウスへと向け走り出させた。
ほぼ一月ぶりの更新!待ちわびたファンの皆さん、すみませんでしたぁ!!更新は止まらなので安心して下さい!




