Episode80 "守護神と破壊神"
「私は城壁の破壊者、貴方は城壁の守護者。何故、貴方は私を拒むのです?私達は本来二人で一つを成す為に共に入るべきなのに.........」
黄金の額帯を付けた4頭の神馬に戦車を引かせる戦神。テッサリアの城壁を超え町の中心地へと堂々とその姿を現わす戦神。
「あの神馬..........破壊神ではないのか?」
「嘘、何でテッサリアにあの神がいる!」
住人達は恐怖の表情を浮かべる。何故ならばアレースが通った都市は何も広大な損害を得ているからである。その噂はこの独立した都市でさえも悪名高く広まっていた。
「そこの君、アテーナは何処にいる?」
「あ、アテーナ?は!アテーナ様でありま」
突然声を掛けられた男は戦神へと答えようと口を開くが最後まで台詞を言わせる事もなく腰にさす剣で斬り裂かれてしまう。住人達はその光景を見て悲鳴を上げるとその場を逃げる様に離れて行ってしまった。
「何故、逃げるのか理解に苦しむな。」
神馬を引きアテーナの神気を辿ることにしたアレース。住宅地や物売り屋などを気にせず我が道を行くアレースに住人達は恐怖と憎悪の感情が襲った。
「探すのは時間が掛かりそうだ。」
アレースは青銅の鎧を着込み両手に巨大な槍を顕現させる。
「此処に災禍を創り、アテーナを炙り出そう。」
するとその大槍を地面へと突き刺すアレース。地面は抉れ大きな衝撃が刺された地を中心に巻き起こる。そしてアレースと神馬を残す円形の地を残し街は無残な姿となった。
「......君は何故こうも人の世を壊すのか、理解に苦しむよ。」
瓦礫の上にて姿を現すアテーナに微笑を見せるアレース。
「おお、久しぶりだぁ、城塞都市の守護女神アテーナ。会えて嬉しいぞ!」
「ボクは嬉しくないけどね。あ、あとこっちの彼はペルセウス君だから。」
ペルセウスが一礼をすると戦神はペルセウスを殺意のある視線で睨みつけアテーナへと視線を戻す。
「......何故、人の子と共にいる、アテーナ?」
「君には関係の無いことだ。」
「だが私には関係がある「ない」ある「ない」ある「ない」
ペルセウスは何が何だか分からず二人の口争いの攻防を黙って見ていた。
「あぁ〜だから嫌いなんだよ、こいつ!!人の話は聞かないしいつも問題ばかり起こすし!!何でアレースの丘で処刑されないだよ!無実って何だよ!あのクソヒゲ浮気爺仕事しろよぉ!!」
「やはり表情豊かで飽きぬな、アテーナわ。」
「もう帰れよ!どーせヘラにそそのかされて此処に来たんだろ?いいよ、そういうの!ボク達の事は放って置いてよ!またディオメーデースを呼んで君を虫の息にするよ!!」
「それは困るな。アテーナ一人であれば食い下がっただろうが、一人の人間に情を移し過ぎるのは良くない。アルテミスと同じ過ちを踏んでいると何故気づかない?」
「は?あんなクソ雑魚半神と同じにしないでくれるかな。ペルセウス君は最強ですから、死にません!べー!!」
二人は額を合わせ怒鳴る様に意見を取り交わす。
「そもそもアプロディーテーだって君が可哀想でしょうがいないからって理由で愛人っていう立場を名前だけ貸して貰ってるんだろ!」
「違う!私達は共に美しいからこそ惹かれ合ったのだ!」
「ふん!どうだか!」
「アテーナッ......私が破壊神なのは認めよう!だが貴様は都市の自治と平和を守るための戦いと称してはいるがやっている事は私と同じ血なまぐさい戦ではないか!それに貴様は数多の地方への神々へとちょっかいをかけ陰湿な事をしたと聞く!何が民を守る神か!笑わせてくれるな!」
「なっ!?」
アテーナはプルプルと震えがぁー!と両腕を上げた。
「もう許さない!ペルセウス君!こいつを殺っちゃって!」
「えっ!?」
ペルセウスは話の内容に着いて行けず驚きの声を上げてしまう。だがアレースは違った様で大槍をペルセウスへと突きつけ宣戦布告をした。
「私が勝てばアテーナよ、其方は私と共に来て貰う。」
「あぁ!お前が勝てばどうな願いだって聞いてやるよ!でもね、お前が負ければ二度とボクの前にその汚い面を見せないでくれるかな!!」
ギリシアに置いてもっとも美しいと呼ばれる男神に対し汚いと罵るアテーナに何故か喜びを感じるアレース。だが意識を戻しペルセウスへと殺意の衝動を向けた。
「此処で死んで貰う、人の子よ。」
ペルセウスはアレースが本気である事を確認し大剣を鞘から抜く。その姿は正しく勇者、そして美しい物だと後の世に語られる事となる。
悲しいかな、ブクマが落ちている現実。




